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ターバン巻いた奴は悪い奴

昔、アメリカのプロレスにサージェント・スローターっていうレスラーが居て、こいつがサダム・フセインそっくりの見た目だったんだ。悪役レスラーとしてフセインの姿というギミックを纏い、白人の善玉レスラーらが一致団結してこの憎き中東の鬼畜野郎「フセインに魂を売った男」を倒してやる!という絵面でマット界を盛り上げたんだ。あまりに頭悪いし単純明快すぎてクラクラするよな。
でもアメリカというのはずっと昔からこういう解りやすい悪役像を求め続けたんだよ。こういうゲームなんかもあった

「宇宙から来たミュータント・コミュニスト」だってさ。頭悪すぎだろ。中身自体は平凡なスペースインベーダークローンだったんだけど、コミュニストを敵にしたという点で今だに一部で語り継がれる伝説のゲームと化した。
80年代は共産圏を悪者として描き、90年代は中東を悪者として描き、ゼロ年代はムスリムを悪役として描き…。
POSTAL2っていう伝説級のひどいPCゲームでは町中でターバン巻いた奴が爆弾テロをしたり図書館では爆弾製造法を調べていたり、拡張パックではさらに過激化しターバンを巻いた奴らが地下要塞を築いていて徹底的に悪者として描かれる。

アメリカというのは多民族国家で移民の英語が話せない子供が居たりする。そういう人間らにも解るくらい物事を単純化してやらないと理解できないし、そしてそんくらいのレベルにまで単純化された物が広い支持を受けたりもする。かつて宇多田ヒカルが本格的R&Bを武器に全米デビューを目論んだことがあったんだけど結果は微妙だった。その失敗の理由の1つとして「踊れる音楽じゃなかった」という理由があるんだ。これは先に書いた英語が解んない子供が居る問題と根が同じで、彼らは歌詞とかよりも踊れるかどうかで音楽を判断している。ヒップホップなんかも「踊れる所」が曲の中にあって北米でヒットするには踊れるかどうかが大事なんだ。だからロックの時代が完全に終わってしまった。もうハードロックやヘヴィメタルは中高年や爺さんが聴く音楽になってしまったんだ。

話はややそれてしまい申し訳ないが、アメリカがどんだけ単純明快な絵面とか文化を好むか少し解ってもらえたらそれでいい。

そいじゃ、また!

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