【レースの見方】ダートは先行馬が圧倒的有利。でも…

ダート馬といわれてイメージするのは、多くの人が「馬格がある」、「スパッと切れない」といったことを思い浮かべるのではないでしょうか。

よくダート転向の理由として陣営からコメントが出るのは、「芝で切れ負けしてる


実際芝のレースと比較すると上がりはかかりますし、馬体重が重く、筋骨隆々とした馬が多いのは事実でしょう。

つまり瞬発力に優れた馬が少ないので、簡単にいってしまえば後ろから差し切るケースが少ないということになります。先行力があることはそれだけで圧倒的に有利なのです。まずはそのことを覚えていたほうがよいでしょう。


ただここで終わってしまっては一般論を語っているだけなので何の面白みもありません(笑)

「先行するといっても、どんなポジションでの先行でもとりあえず先行すればいいのか?」

という点に注目して説明をしたいと思います。下記の図をご覧ください。

コメント 2020-03-10 235110

ものすごい簡単な図で書きましたが、最終コーナーからの立ち回りとして
直線①~⑤のポジションで回ってきた場合、どの馬が好走確率が低いかと考えたとき、あなたならどれだと思いますか?

私の個人的な見解としては③が一番好走確率が低いんじゃないかと考えています。その理由は3つあります。

一つ目の理由:①の馬が前にいるため、加速するタイミングを待たされる可能性が高い

よく使われる言い方をすれば「詰まった」、「仕掛け遅れた」ってやつですね。瞬発力に優れた馬が少ないということはわずかに開いた隙間に突っ込むといったアクションが出来る馬が少ないということです。


二つ目の理由:②の馬が外にいるので、外に出して加速することが難しい

ダートの場合、芝に比べて直線距離が短いことが多い分、コーナーから直線にかけて押し上げてくる馬が一定数います。そういった馬たちは外からエンジンをかけながら外に並んでくるわけで、内で待たされた馬は後手を踏みやすくなります。

三つ目の理由:③の馬はラチ沿いを走っているため、勢いをつけて回ってくることが難しい

これは遠心力や走行距離の問題ですね。タイトにコーナーを回るのと勢いをつけてコーナーを回るならどういったコーナリングになるかをイメージいただければ分かりやすいのではないでしょうか。

3つの理由を簡単に述べてきましたが、そういった状況になりやすい馬というのは、基本的に内枠に入った馬です。

したがって個人的にはほとんどのコースで内枠より中~外枠のほうが競馬はしやすく、力がある馬は好走確率が上がると考えています。

もちろんコースによって差異がありますし、馬の脚質や展開によって変わってくる話ではあります。(特に中京は特殊です。この点はまた別途コース解説で紹介しています。種牡馬によっても得意な形、苦手な形の傾向があります。)

ただダートのレースで内から差して来て勝つレースというのは芝のレース以上に少ないです。


したがってスパッと切れない馬が前の馬を捕まえるためには、しっかりと加速できる位置を確保してエンジンを点火して直線に向く必要があります。各馬のエンジンのかかり方や持続性によってコースの得手不得手が出てくると考えていただくと分かりやすいのではないでしょうか。

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