【レースの見方・実践編】中山ダート1800m

マーチSの舞台である中山ダート1800m。条件戦でも多く設定されている条件でもありますし、伏竜Sなどオープンのレースも行われます。

まずは過去3年間の枠順別成績を確認してどういった傾向があるのかを把握していきましょう。

全体的に内枠に比べて、外枠が有利であることが伺えます。

阪神ダート1800mの記事でも外枠が有利な傾向があったことからも、スムーズに加速しやすい外枠のほうが好走確率が上がるというのは何となくご理解いただけるのではないでしょうか。

続いて下記の表を見ていきます。

これは過去3年の中山ダート1800mで連対した馬の平均タイムです。(良馬場限定)

タイムの差を見てもらえれば分かると思いますが、阪神と同様に当然クラスが上がっていくごとに決着タイムが速くなっていくことがお分かりいただけると思います。同じことをやっているだけじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、こういった数字を縦(同一競馬場のクラスごとの比較)と横(同クラスの競馬場ごとの比較)をすることが大切です。

さて、中山ダート1800mについてですが、一言でいえば中央のダートで最もタフなコースです。
これはコースの設定的に、まずスタートから上り坂になり、下ってから最後にまた上り坂があるという設定になっていることが大きく、オールダートのコースでもあるので非常にスタミナが求められます。加えて直線はそこまで長いわけではないため、先行力がない馬はある程度まくっていかなければ物理的に前に届きにくいというコース形態上、好走する競馬の型が限定されやすい条件です。

(参照:JRA|中山競馬場)

この結果どういう現象が起こるかというと、道中で削られるスタミナが全馬にとって大きく、どれだけ切れる脚を使えるのかという能力よりもどれだけバテずに脚を使えるのかという能力が問われるという状況が生まれます。
そのため、他の競馬場では見られないような未勝利戦のラスト3ハロンの上がり最速が40.0というような競馬もしばしば見られます。

したがって好走しやすい馬の通ってくるコースとしては青ライン→赤ラインの順で好走しやすいです。好位から粘りこむような競馬でアドバンテージを作れる馬が基本的には有利になります。冬場のタフな馬場状態でハイペースで飛ばしたりすると、たまに先行勢が壊滅して後方でジッとしていた馬が大穴をあけるようなケースもありますがああいった競馬は基本的には例外として見ておいたほうがいいと思いますね。(例:サンマルデュークなど)

上記の画像は去年のマーチSですが、勝ち馬センチュリオンはセオリー通り青ラインを通ってきていますね。基本的には外から2番手、3番手あたりに構えて差す形か、あるいは逃げるなり早め先頭で後続とのアドバンテージを作るような形でないとなかなか勝ち切るまでは難しいのかなというのが個人的な印象です。

ダート馬でなかなか関東馬が活躍できない要因の一つとして、東京ダート1600mと中山ダート1800mで求められる能力というのが全く異なるという点にあるのではないかと思っています。
関西馬であれば阪神ダート1800m、京都ダート1800mは求められる適性はそれなりに類似している点がありますが、上記2つのコースに関してはほぼ正反対といってもよい適性です。ある程度ダートに関しては経験値が大切になってきますが、違う方向性の経験値を積んでも大きな効果がないケースがあるのではないかと思います。
中山→東京、東京→中山からの条件替わりについては特に注意しておきたいですね。東京ダート1600mで追い込んで2着、2着とかで来ている馬が中山に出てきたら、私はまず飛ぶんじゃないかと疑ってかかります。
中山から京都も要注意です。単純に同じクラスでも2秒ほど決着タイムが変わってきますので、中山でバテない強みというのが、京都だとじりっぽい脚しか使えないという弱点になることがあります。そのあたりの上げ下げを意識するだけでも好走するかどうかを見極めるのに役立つんじゃないでしょうか。

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