【レースの見方・実践編】キング・アブドゥルアズィズ競馬場 ダート1800m

サウジカップの舞台ってどんな舞台なんだろうと思い、コースレイアウトを探していたら思った以上のものが出てきたので解説記事にしてみました。

サウジカップはキング・アブドゥルアズィズ競馬場のダート1800mで行われます。

コースレイアウト図がこちら。

サウジカップ

(参照:サウジカップ公式ホームページ

1800mということで完全に1周競馬を想定していたのですが、まさかのワンターンなんですね。

どうやら1200mでも1600mでも1800mでも2000mでもワンターンなので、バックストレッチのスタート位置で距離を調整する形なのでしょう。さすがに高低差までは出ていなかったのですが、おそらくグーグルアースを見ている限りだと平坦コースになるんじゃないかと思います。

直線は約400mほどのコースになるようなので、日本でいうと中京と同じくらいの長さになりますかね。コーナー角のデータがないのではっきりとは断言できないのですが、これだけ直線を長くとっているコースであればそこまできついコーナーにはなっていない可能性が高いでしょう。アメリカのベルモントパーク競馬場を参考にして作られたコースということですので、そこもおそらく踏襲しているのではないかなと思います。

今あるデータだけで判断すると、日本の競馬場で例えるなら東京競馬場と中京競馬場を足して2で割って、直線を平坦にしたようなコースという印象です。

「コース形態から想定されるのは、一定の先行力とハイレベルな持続力が要求されるレースになる可能性が高いのではないかなと。

芝の引き込み部分がない分、東京1600mほど外枠有利にはならず、直線が平坦だとすると内目で先行した馬が粘りこみやすいという傾向は出てくるかもしれません。イメージ的にはフェブラリーSとチャンピオンズCの両方で好走できる適性の幅と能力が求められてくると思います。全盛期のノンコノユメがいたら泣いて喜びそうなコース設定ですね。

そういった視点から考えると、日本で持続力質の競馬をさせたら右に出るのはいないゴールドアリュール産駒のチャンピオンクラス2頭を持っていくというのは今後の参考としてもベストなチョイスな気はしますね。さすがノーザンファームというほかありません。

引退した馬だとラニやアロゲートなどが出てきたらかなり面白かったんじゃないかなと思います。(ラニは2000mのほうがよさそうですが)

アメリカの馬でどんな馬が出てくるかはまだ分かりませんが、ベルモントSで好走しているような馬が出てきたら強敵になるんじゃないでしょうか。」

(2021年2月追記)

「 」をつけた見解の部分については昨年のサウジカップ開催のレース内容を見ていると、見解を変えて見ていく必要があるかもしれません。

というのも好走適性に関しては機動力スピード型の馬のほうが高いかなと思うフシがあります。

去年、この記事を書いていた際には直線の長さに注目して持続力質の馬向きでは?という考察を書いて、そういった視点でレースを見ていたのですが、確かに差し馬が同じ位置で競馬をしたら、持続力質の馬と機動力質の馬なら前者に優位性があるように思います。ゴールドドリームとクリソベリルを比べてもらうと分かりやすいかなと思いますね。

ただサウジカップ開催の性質上、ダートのレースはアメリカからの遠征馬が多数出走してくるため、十中八九先行争いが激化する傾向にあります。それに伴って、レース質がアメリカ競馬っぽくなっているというか、直線でのバテ比べになる可能性が高いため、そういったレース質になるという視点で見るべきかなと。

では実際どういったレースになっているかというと、分かりやすく言えば「雨が降った中京ダート」みたいになっていると思います。

要するに直線が平坦なことで先行した馬がバテにくいコース形状になっているので、単純に直線を向くまでに上げていたスピードの減速幅が低くなり、先行した馬たちが残りやすいという現象が起こりやすいんじゃないかなと。

基本的には外を回すと単純に不利で、内にいる馬も追走力がない馬は道中でガリガリスタミナが削られて伸びきれないという形になるんじゃないでしょうか。

そういった意味でいくとフルフラットやマテラスカイみたいにスピード質が強めな先行馬でいけるところまでいって粘れるかみたいな競馬を信条とするタイプのほうがレース質としてはマッチすると思います。両方ともスパイツタウン産駒で、アメリカ産馬という共通点はありますしね。

今年サウジカップに出走予定のチュウワウィザードはレースセンスが高い馬なので対応幅が広い馬ではあるものの、本質的には1800mよりも2000mのほうが向いている馬ですし、あまり道中の追走でガリガリ削られるようなレースは経験しているわけではないので、そこに上手く対応できるかどうかがポイントになってくると思います。枠順的にもイン差しを決める形にするのが一番好走確率が高そうですね。

チュウワウィザードが結果を出してくれれば言うことはないんですが、馬のタイプとしてはオーヴェルニュみたいなタイプが一番合ってると個人的には思います。(ただオーヴェルニュなら10倍界王拳くらいはかけておかないと残り600mで苦しくなっちゃいそうですが)

色んなタイプの馬が遠征することで見えてくる部分もあるでしょうし、日本馬の健闘に期待したいところですね。最近国内の競馬はどちらかというとマイナスな話題が多いですし、ここいらで一つ明るいニュースに提供してくれると嬉しいんですが。

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