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公式戦でも使えそうなダーツの新しいルールを考えてみた

私はこれまで将棋とピアノとプログラミングしかやってこなかったSEだが、たまたまバーでダーツに誘われたのがきっかけではまってしまい、最近はダーツの事ばかり考えるようになってしまった人間である。まだ初めて3週間程度なので初心者の域を出ないが、とても楽しいので時間さえあれば一人或いは友達を誘ってダーツを投げている。
カウントアップは最高586だが平均は体感で400~500程度。最初にダーツに誘ってくれた人にはクリケットで毎回ボコられているので、もっと強くなりたいと思う次第である。

動画でもよくダーツの試合を見るようになった。プロの世界は違うな…!と毎回驚かされるばかりだし、見ているだけでもエキサイティングで楽しい。だがそこで気になったことが一つある。

ダーツの試合ってゼロワンとクリケしかないの?

5レグあって、
ゼロワン・クリケ・クリケ・ゼロワン・チョイス
ほぼこのルールしか見たことない。。

友達同士でワイワイ楽しむ系なら色々なルールがあるようだが、その性質上運が絡むものが多かったりするので、実力を正確に反映させたい公式戦で採用できるルールが少ないのは理解できる。

でもでも・・・たった2種類だけってのもちょっと寂しくないか?

ゼロワンとクリケは完成度の高い素晴らしいルールなので今後も採用されるべきとは思うが、もう何種類か違うゲームがあってもいいんじゃないかと個人的には思った。

ゼロワンとクリケは狙う的がほぼ決まっているので、練習でもそれを想定して同じ的を当て続けるメニューを組む人が多いのではないかと思う(初心者の勝手な意見です)。ゼロワン想定ならブルを確実に入れる事から始めるだろうし、クリケなら20~15&ブルにターゲットを絞って練習する感じになる。

勿論ゼロワンでは他の色んな数字を入れる場面もあるだろうから、上級者になればなるほどどんな数字でも入れられるように練習はしているだろうが、実際に試合で当てるのはほぼ同じ的というか、パターンが大体決まっている感がある。

つまり何が言いたいかというと、当てる的が随分と偏る訳である。

それが良いとか悪いとかそういう事をいいたいのではなく、もっとたくさんのターゲットを試合中でもまんべんなく当てるゲームが一つくらいあっても面白いんじゃないかと、そういう話をしようと思っている。

で、それはどんなゲームかと言うと・・・
運要素を排除し、実力が正確に反映され、戦略性があり見てても面白い!
的も偏らない!

そう、そんなゲームを今日ふと思いついたので、せっかくなのでその内容をここに書き残す事にした。

ゲーム名は・・・

ZERO


いや、、ゼロワンと名前被ってないか?

大丈夫!半分しか被ってない。
それよりもシンプルさを優先した。

どういうルールか説明する。
-----------------------------------------------
・ラウンド毎に3本投げて、その合計点の一桁目がゼロに近い方が勝ち
(例えば1、3、6とか18、2、10のような感じが理想)
・同点の場合そのラウンドは引き分け
(先攻、後攻共にゼロにした場合など)
・つまり1ラウンド毎に勝ち or 負け or 引き分けが決まる
・最大13ラウンド (7本先取で勝ち)
・最終ラウンドまで消化してタイスコアの場合は先攻の勝ち(後述するがこのゲームは後攻が若干有利の為)
・一度刺した的は先攻、後攻共にゲーム終了まで使えない
・シングルは広い方と細長い方で別々の的として区別される
・矢がボード外または既に刺した的に刺さった場合はバーストで交代
※先攻後攻共にバーストした場合、例えば
①先攻が2投目でバースト、後攻が1投目でバースト
⇒先攻の勝ち
②先攻が1投目でバースト、後攻が1投目を入れる
⇒後攻の勝ち(結果が確定した時点で2投目は投げない)
③先攻後攻共に同ターンでバースト(共に3投目とか)
⇒バーストを除く合計点がゼロに近い方が勝ち(同点の場合は引き分け)
★何故矢がボート外またはバーストで即交代なのか?
⇒3投した時点の合計点を競う訳なので、1投目や2投目でゼロにして残りをわざと外すような戦略をなくす為
・インブルは50点、アウトブルは25点として計算
-----------------------------------------------

この文面だけでも理解できたという人もいるだろうが、
以下では試合の流れを図解でより詳しく説明する。

最初はどの的を当てても有効である。
好きな的の組み合わせで一桁目ゼロを目指すゲームである。

ここでは例として、先攻、後攻共に最も理想的な試合運びをしたらどうなるかを見ていく。
まずは先攻がシングルの2,3,5を入れたとする。

入れた的は緑で塗りつぶした

先攻:2S, 3S, 5S
スコアはこのような感じで表現していく。SはSingleのSだ。
続けて、
後攻:7S, 9S, 4S

既に入れた的は黄色、直近で入れた的は緑で表現した

これで1ラウンド目終了だが、この時点で合計点は
先攻:2S, 3S, 5S = 10点
後攻:7S, 9S, 4S = 20点
となり、両方とも合計点の一桁目が0なので引き分けという事になる。
これが例えば、
先攻:2S, 3S, 5S = 10点
後攻:6S, 9S, 4S = 19点
であれば先攻の勝ちだし、
先攻:2S, 3S, 7S = 12点
後攻:6S, 9S, 4S = 19点
であれば後攻の勝ちである。
ん?と思った方もいるかもしれないが、
一桁目が0に近い方が勝ちというのは、
あと何点あれば一桁目0にできたか
という基準なので、今のであれば
先攻は2はみ出している(12-2なら10)
後攻は1はみ出している(19+1なら20)
つまり後攻の方が一桁目ゼロに近いという事で後攻の勝ちという事になる。

続けてシミュレーションしよう。
2ラウンド目:
先攻:17S, 15S, 8S = 40点
後攻:13S, 16S, 1S = 30点
(引き分け)

2R終了時点

このような感じで、初心者でも上級者でもまずは広い方のシングルから埋めていくのが普通は定跡になるだろう。その後は細長い方のシングル、続けてダブル、最後にトリプルという感じで。但しそれはあくまで大枠の話であって、実際には途中でバーストがあったり意図せずダブルやトリプルに入る事も多いはず。共通するのは後半になるにつれどんどんバースト率が上がりスリリングな展開になっていくという事。なので少なくとも序盤は先攻後攻共に確実にゼロを目指したい所だ。

それと序盤や中盤でも戦略性が無いかというとそんなこともない。例えば今は19シングルが空いてるが、この19シングルが仮に3投目の理想点だったとする。しかし両隣の7と3が埋まっててバースト率が高いと考えれば、ゼロから1点くらい遠ざかる計算でも他の的を狙うプレイヤーもいるかもしれない。そういった事を見越して、同じ10点の組み合わせでも次に相手が狙いにくいような的を残す組み合わせで埋めるといった戦略もあり得るかもしれない。つまりどんな局面でも色々と考える要素は残っているのである。

あとルール説明の中で後攻が有利といったがそれはどういう事かというと、例えば先攻が3投目でバーストしたとする。そうすると後攻はそのラウンドではバースト以外は勝ちなので、無理をする必要がなくなるのである。有効な的であればどの的でも3つ当てれば自動的に勝ちになるのだから!
或いは先攻が合計8点とかだったとすると、2点遠い事が分かる訳で、ゼロを目指さなくても1点だけ遠くなるような合計点でも勝てる訳なので選択肢が広がる。先攻は常時極力ゼロを目指さないといけない圧力が掛かる訳で、この差は大きい。なのでそのバランスを取る為に、最後まで引き分けだったら先攻の勝ちという風にした訳である。

さて、シミュレーションをどんどん進めていく。
3ラウンド目:
先攻:18S, 12S, 10S = 40点
後攻:19S, 11S, 20S = 50点
(引き分け)

3R終了時点

広いシングルが残り二つとなり、この後は細長いシングルに手を付ける事になる。しかし次に先攻は何も考えないで広いシングルの6と14を埋める権利がある。それで3投目にも細長い10のシングルが残ってる訳で、次の4ラウンド目の瞬間だけ切り取れば先攻が有利な場面と言える。
4ラウンド目:
先攻:6S, 14S, 10S = 30点
後攻:3S, 9S, 8S = 20点
(引き分け)

4R終了時点

だんだんと的が狭くなってくるが、シングルが残ってる内は取りこぼしを極力なくしたい所だ。

5ラウンド目:
先攻:7S, 18S, 5S = 30点
後攻:1S, 13S, 6S = 20点
(引き分け)

5R終了時点

ここら辺からはプレイヤーの実力にもよるが、いかにゼロに近づけるかではなくいかにバーストしないかを考える方が初級~中級プレイヤーは勝率が上がるかもしれない。無論上級者同士であればバースト率は低めだろうから、限界までゼロ付近を攻める方が効果的だろう。

6ラウンド目:
先攻:14S, 11S, 15S = 40点
後攻:4S, 17S, 19S = 40点
(引き分け)

6R終了時点

パーフェクトペースであればラウンドの約半分を消化した段階でもシングルだけでいけるようだ。
まだ次も先攻は12S, 16S, 2Sが狙える。。
もしかするとここら辺のラウンドではラウンド開始時に先攻がシングルだけでゼロが狙えないように後攻が調整する余地があったかも?

7ラウンド目:
先攻:12S, 16S, 2S = 30点
後攻:20S, 5D, 10D = 50点
(引き分け)

7R終了時点

先攻はシングルだけでよかったのでまだ楽できたが、後攻はいよいよダブルに手を付ける事になった。しかし難なく決めてパーフェクトペースを維持!(これは強い)
細かい所だが、後攻が最初に20Sを決めるのは定跡に近い。何故なら5Dや10Dを先に決めようとしてバーストしてしまうと次の先攻に20Sという簡単な的を残してしまう結果になるからだ。

8ラウンド目:
先攻:3D, 7D, 15D = 50点
後攻:1D, 8D, 6D = 30点
(引き分け)

8R終了時点

ここら辺からは先攻後攻どちらを取っても難しい、サドンデス的な様相を呈してくる。先攻がバーストしたら後攻が僅かに有利になるのは変わりない。しかしそのメリットはラウンドが進む毎に薄れてくる。後攻としても連続でダブル・トリプルを入れ続けるのは相当難しいはずだからだ。

9ラウンド目:
先攻:20D, 9D, 11D = 70点
後攻:4D, 14D, 2D = 40点
(引き分け)

9R終了時点

現実的にはここまでパーフェクトを続けるのは上級者同士でもかなり難しいだろう…。しかし入れたり外したりの混戦であってもその時ならではの戦略もあるかもしれないし、常にバーストと隣り合わせの戦いはレベルに関係なくスリリングで面白いのではないだろうか。

10ラウンド目:
先攻:18D, 19D, 2T = 80点
後攻:12D, 13D, 20T = 110点
(引き分け)

10R終了時点

10ラウンド目開始時点ではダブルが6個空いていたが、ゼロを狙う最善を考えた場合はお互いにトリプルを一つずつ入れる組み合わせしか残っていなかったようだ。シングルが余ってる場合に比べ、ダブルやトリプルが残っている場合は合計点の調整がしづらい事が分かる。

しかし、ここまで見てきた読者の方は恐らくこう思った事だろう。

これ、計算めんどくさくね?

もっともである。シングルだけならまだしもダブルやトリプルまで考え出すと暗算で大きくリソースを取られてしまい、ダーツ本来の魅力が損なわれる可能性がある。計算が得意なプレイヤーやプロならまだしも、それ以外の大多数のプレイヤーにとってこの負担は大きい。

★考えた対策
ディスプレイにゼロを作る組み合わせナンバーの候補をランダムで最大3つほど表示しておく
というのはどうか。
ゼロワンでも王手が掛かるとナンバーが表示されるあのイメージである。
もしゼロの組み合わせがなければ+1の組み合わせ、それがなければ+2の組み合わせを出すようにすればよい。
いわばこんな感じだ。
10 -> 1S, 3S, 6S
10 -> 18D, 19D, 2T
9 -> 12D, 13D, 19S

勿論シングルが大量に残ってるならシングルの組み合わせを優先的に表示してあげると親切だろう。それと候補が多ければ実際にはディスプレイに表示されてない組み合わせもたくさんあるはずなので、自分はこういう風に攻めたいとかあれば表示に関係なく好きな組み合わせで攻めればいい。

この対策を取る事により、
・余計な事は考えず表示された番号を正確に入れる事に集中したい
・しっかり戦略を持って都度頭を使って番号を埋めていきたい
この2タイプのユーザーにしっかりと対応できる。

あとはさっきから図解でボードを表示してきているが、このゲームはボード自体が光る電子ダーツボードと相性がかなり良いはず。図で示したように、既に入れてる所とまだ入れてない所を色で分ければかなり見やすくなる。(実際に導入するならまだ入れてない所だけ光らせる感じになるだろう)

もし電子ダーツボードではない場合でもディスプレイに図解のような色分けがされたダーツボードをどかっと表示してあげれば、まあそれなりに分かりやすくプレイできるのではないかな・・と。

課題の解決案も示したところで、パーフェクトシミュレーションに戻ろう。

11ラウンド目:
先攻:16D, 17D, 8T = 90点
後攻:1T, 3T, 6T = 30点
(引き分け)

11R終了時点

12ラウンド目:
先攻:14T, 4T, 12T = 90点
後攻:7T, 13T, 10T = 90点
(引き分け)

12R終了時点

13ラウンド目(最終ラウンド):
先攻:15T, 9T, 16T = 120点 Finish!
(先攻の勝ち)

13R終了時点

冒頭で触れたように全ラウンド消化してタイスコアだったら先攻の勝ちなので、最終ラウンドで先攻が最高の結果を出した時点で後攻の勝ちはなくなるのでその時点で試合終了となる。

いやー、まあこのゲームでパーフェクトを叩き出す確率ってどんなもんだろかってくらい難しいとは思うがw一応全くミスらなければ先攻が勝つという事でした。

場面場面で先攻有利、後攻有利があるので結果的にはほぼ五分に近いゲームバランスだったりするか!?

実際に試合のレグに組み込むとしたらこんな感じだろうか。
ゼロワン・クリケ・クリケ・ゼロワン・ZERO

チョイスをなくしてZEROに置き換えてみた。
まあここら辺は色々考えられるかなと。


という感じでアイデア紹介は以上となるが、どうだっただろうか。

計算が面倒とかディスプレイ頼りとか課題はあるものの、それらは機種の技術である程度カバーできる部分ではあるし、かなり完成度の高いゲームになるのではないかと思った。

おまけ(スタッツ案)
もしこれで実力を測るとしたら、他のゲームと同じようにスタッツを可視化する事になるが、ぱっと思いついた案を書き連ねて終わりにする事にする。

・3回投げてゼロを決めた場合 ⇒ 0
・3回投げて1はみ出した場合 ⇒ 1
・3回投げて2はみ出した場合 ⇒ 2
(以下略)
・途中でバーストした場合 ⇒ 6

という事にして、これのラウンド平均がスタッツという事にする。
つまり最高0、最低6という事だ。

それで、後攻の場合は先攻がバーストしたら安全圏で投げてしまうので正確なスタッツ(狙う力)が測れないので、正式なスタッツは先攻時のみ集計されるようにすればよい。尚且つ、後半になればなるほど嫌でもバースト率が上がってしまうので、スタッツの集計は10Rで打ち切りという風にしてもよいかなと。

以上!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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