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【ネタバレ注意】黄燎の章完走した感想【風花雪月無双】

はじめに

 発売日からやってたけどようやくクリア。ハードとはいえまさか1ルートで48時間もかかるとは思ってませんでした。終盤の訓練とか交流活動をかなり雑に消化しててもこれだからボリュームは文句なし。ただ大量のサブクエストで水増ししてる感は否めないから終盤はだれる。

システム面

 

 ゲーム性に関しては正直良くも悪くもいつもの無双ゲーから大きく離れてないんだけど、気になる点はいくつかあった。1点目は、出撃人数が最大8人かつ主人公が強制出撃なので初っ端からクラスの誰かがベンチ入り確定なところ。2点目は、得意兵種(武器)が1人1種なのに被りがちなところ。黄燎だとクロードイグナーツ、ローレンツレオニー、リシテアマリアンヌがそれぞれ被ってるので、私の場合はイグナーツ、ローレンツ、マリアンヌがよくベンチ入りしてた。まだやってないけど帝国は魔法得意そうなやつが多いし王国は槍の遺産持ってるやつ多いから余計悲惨なことになってるかもしれない。というか格闘得意な奴王国にいなくね?
 拠点での活動は正直原作でも面倒だったんでそこ再現しなくていいよって感じ。遠乗りはお茶会より会話が多かったりやけに画面が光ってたりして一応進化を感じる。ただやたら難易度が高い。
 進軍パートに関しては、上述の通りサブクエストが多すぎて全部やってるとシナリオのテンポが悪くなりすぎる。ただ最短ルートで突っ切っても敵将説得用の最低限の資源は得られるからやりこむつもりがないならやらなくてもいいのは助かる。

シナリオ

 

シナリオについて

 そして、シナリオ。前置きが長くなったけどここからが本題。当然ネタバレの塊なので注意。
 今作のシナリオは大きく1部、2部に別れてて、1部は学生時代の最後から2年後まで、2部はさらにその数ヶ月後ってことになってるんだけど、正直2部のシナリオが雑過ぎる。
 加えて2部でベレトスが仲間になるか敵対するかの分岐がある。今回は仲間ルートで進んだのでそれ前提の話。

1部

 1部はまだいい。クロードは帝国との戦争を前に諸侯をまとめられず苦労する、シャハド(クロードの実兄、絶対仲間にならなさそうな悪人面で性格も小物悪役)を殺すことになる、など可哀想な目に遭いつつも仲間の協力や励ましを受けて戦乱の世を上手く生き延びるって感じのそこそこ王道ストーリーだった。

2部

 問題は2部。2部に入った直後の章が「同盟の終焉」。あっ……(察し
戦乱の世が長く続き、円卓会議やらやってる暇がないってことで「レスター諸侯同盟」を解体し「レスター連邦国」に生まれ変わらせ、国王に元盟主のクロードが就任する。クロードが王になるという構想はシェズクロード支援で匂わせてはいたもののあまりにも唐突すぎる。しかも諸侯が大した反対もしないままあっさり決まってしまう。
 そこからは怒涛の展開で、エーデルガルトが休戦と同盟を申し込んでくるので承認し、セイロス聖教会やそれを匿う王国と戦うことになる。さすがに仲間からは困惑の声が上がるが、クロードはこれがレスターが生き延びる最も確実な道だと丸め込み、歴史上の因縁をこじつけて侵攻の大義名分とし、戦意高揚を煽る演説をぶちかます。ここで言ってることはエーデルガルトの受け売りっぽいので紅花やってる人なら大体どんなもんかわかると思う。
 その後は味方のレスバ将軍を捨て石にして妹が復讐しに来たり、意気揚々と王国に侵攻したり、突如地元で暴れ出した闇うごを退治しに戻ったり、レスバ将軍の反省を生かしてピンチのエガちゃんを助けたり、シェズの中の人が暴れたりしつつ何だかんだでタルティーン平原にてレアを倒してエンディング。王国侵攻からの展開が雑過ぎる。特に、景気よく攻め入ったら背後がやばい!急いで全軍撤退!という展開は1部ラストとほぼ同じ。愚か
 後、闇うごがコーデリア領で暴れ出した時の拠点会話でリシテアやレオニーが「無辜の民を襲うなんて許せない!」みたいなこと言うんだけど、それつい数日前まで他国の領土蹂躙してたやつの言うセリフじゃねえだろ。自分たちの侵略は正義と思ってるのか、そもそも侵略者である自覚すらないのか知らんけど、そういうセリフをかつて愛した仲間にまで吐かせないでくれ。

エンディング

 レアを倒すとなんとエンディングに突入しゲームが終わってしまう。帝国も王国も「闇に蠢く者」もほぼ健在なのに終わる。
「帝国と王国が西側で睨み合う中、クロードは己の目的は果たしたとばかりに戦争の終結を提案。しかしこれが受け入れられるかどうかは、まったくの闇の中であった。」これはどう見ても戦争終わらないしバッドエンドだろうが。元々エーデルガルトはフォドラ征服する気でいるし闇うごが全力で戦争継続させに来てるから終わるはずないけどな。まあバッドエンド自体は構わないんだけど打ち切りエンドだけはやめて欲しい。原作の紅花もそうだったけど、レアを殺すのはともかく一番肝心な闇に蠢く者との決戦を前に「俺達の戦いはこれからだ!」エンドはあり得んだろ。どんな結末であれやり切った感が無いと本当につまらん。頼むから決着だけはつけてくれ。バッドエンドでもいいから。主に仇なす叛徒に相応しい最期を迎えるエンドでもいいから。

クロードについて

 クロードは原作の金鹿ルートでも聖教会の持つ秘密を探っていたり、レアについて「いっそ消えたままの方が……」と言ったり聖教会に対して懐疑的な立場だったので、今作では修道院での生活が短く先生やツィリルとの交流も無い分、より聖教会への偏見や不信感が強く残っているだろうことは理解できる。彼は元々パルミラ生まれでセイロス教を信仰していない上、猜疑心の塊と自称するほどなのでむしろ当然といえる。
 ただ、かと言って積極的に王国を侵略してまでレアを潰したがる態度には違和感がある。クロードは本気で中央教会を潰せば戦争が早く終わり、諸外国との交流や紋章問題などが良い方向に流れると思ったのか。野望の内容は原作と大きく相違ないと思うが、エンディングを見ればわかる通り戦争は終わりそうになく、パルミラとの融和どころではない。そもそも本当に戦争を早く終わらせるつもりでいるのかさえもわからない。勝手な妄想だが、勢力の均衡を崩し3国同士で戦わせて疲弊した所にパルミラ王子として乗り込んでまとめて征服することさえ考えてそうな恐ろしさがある。まあほんとに大して考えてなくて凝り固まった偏見だけでレア殺すマンと化してる可能性もある。エーデルガルトのように。

シェズとベレトスについて

 パッケージに中の人共々でかでかと映ってるこいつらだが、空気だった。本当に空気過ぎた。ベレトスは神祖なんですよ?ガチれば一人でフォドラ平定できるまである存在ですよ?それが空気ってさあ……。天帝の剣も出てこないし。それに対するシェズと中の人であるラルヴァもさぞヤバい存在なんだろうと期待したけど、結局ラルヴァ(本名はエピメニデス)の正体はタレスやソロンと同格程度の闇うご幹部で、真の記憶と力を取り戻した後も他の闇うご同様神祖の血族絶対殺すマンでしかなかった。シェズ本人に至ってはほとんど何もわからずじまいだった。
 シェズは一応主人公なんだけど、上にある通り自分について何もわからず、歴史に影響を残せるほどの力も無いので正直いてもいなくてもシナリオの進行にはほぼ支障がない。終盤に中の人が覚醒し、味方のベレトスに斬りかかった挙句ソロンの命と引き換えに「ザラスの闇」(原作でソロンが先生を闇の世界に送ったやつ)を発動するのが最後の見せ場だが、なぜか闇の中に肝心のベレトスがいない。かわりに3級長が巻き込まれ、脱出するため一時的に協力というわけだけど、正直3級長共闘をやりたいがためのご都合主義展開感が否めない。闇の中でラルヴァは「僕を倒しても脱出は無理」というが倒したら何故か脱出できる。意味が分からん
 ベレトスとソティスの扱いはかなりひどいと思う。序盤は悪魔の名に恥じぬ強さを見せつけて消える。中盤ではシェズに殺されかけた際、やけに傲慢なソティスに乗っ取られ強くなる。声がお母様のべレトで草
 問題は2部の分岐で、戦闘中の立ち回りによってジェラルトを殺してベレトスと敵対するか、ジェラルト傭兵団を仲間に引き入れるかに別れる。私は仲間入りルートで進めていたが、なんと仲間入りしたが最後まともな出番がない。せいぜいレアとの戦闘前後にちょっと会話があるのと、前述した覚醒ラルヴァに襲われるところだけ。ザラスの闇から女神パワーで助けてくれる描写とかもない。
 ベレトス自体の出番がほぼ無くなるわけだが、傲慢お母様はどうなったかというと不明。シェズとの支援Aで既に会話できない状態であることが示唆されるものの、原作同様融合して消えたにしてもそのタイミングすらわからない。ちなみにベレトス敵対ルートでは肉体をソティスに委ねているため声含め完全に傲慢お母様と化しており逆にベレトス本人の意識はあるのかわからない状態となっている。
 天帝の剣もないし人を導く立場でもない、本当にただの一兵士でしかないベレトスも本人的にはそれで幸せかもしれないのが唯一の救い。

まとめ

 何がなんでもお母様の復活に執着するレアの気持ちがわかるゲームだった。人は愚か。
 結局のところ何を主張したいのかよくわからんシナリオだったけど、女神のような圧倒的な存在無くして人の世に平和は訪れないってことなんかね?

追記

別ルート進めてて思ったこととかちょっと追記。主にキャラクターについて。

プレイアブルキャラの人選

 青燐だと親父殿ことロドリグがプレイアブルでたまげた。ロドリグがプレイアブルならジュディットやナデルもプレイアブルでいいだろとは思う。ホルストがその枠なんかもしれんけど。逆にアロイス、ギルベルト、ツィリル辺りは原作プレイアブルなのにNPCになってたりして参戦基準がわからん。

支援会話

 支援会話は数が減ったけど全体的な質は悪くないと思う。原作では無かった組み合わせも多いし楽しめた。ただ原作ほどスカウトが自由じゃないから国際支援埋めるのは骨が折れる。
 エンディングのペア後日談無いからか同性支援がやたら拡充された気はする。クロードローレンツだと支援Aで1枚絵出てきたけど他の支援だと見たことないので優遇されてるのかもしれん。後はヒルダが女を片っ端から口説くのでヒルダ=シルヴァン説が再浮上してきた。

外伝

 ラファエルの両親とクロードの伯父夫婦の死因が深堀りされたり、クロードの出自がジュディットにバレたり、ヒルマリがいちゃついたりする。
 グロスタール伯の出番がやたら多い。彼は原作では顔も出てこず、評判は領主としては有能だが何かと黒い噂が絶えないという人物だったが、今作でかなり漂白されたように感じる。ただ、リーガン公襲撃について「過激な家臣が勝手にやったことだ……」で片づけられてしまったのは残念。クロードがあれだけやりたい放題してるんだからグロスタール伯にも不穏要素ある程度残しといてもよかった気はする。


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