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【ネタバレ注意】邪竜の章初見ルナ感想 シナリオ編【ファイアーエムブレムエンゲージ】

 血の同窓会初公開を彷彿とさせる穏やかじゃない雰囲気満載のPVから色々と期待させてくれる邪竜の章だったが、ようやくクリアできた。正直マップ攻略がしんどすぎてシナリオあんまよく覚えてないんだけど一応書いとく。正直、大体悪口。そもそもDLCの追加シナリオ自体蛇足感強くてあんま好きじゃないのもある。ぜつみらはまだいいけど泡沫とか煤闇とか。

評価点

 かなり、やる。

演出面の差別化

  イベントシーンはムービー無いかわりに1枚絵増やしたり、章開始時に謎ポエム挟んだり、会話シーンでも武器を構えたりと本編から変化をつけようという気概は感じた。特に本編で敵と棒立ちで長話してるのはかなり違和感あったんで武器構えながら話してくれるだけでかなりマシになった印象。本編だと転職できる関係で武器種別差分とか用意できなかったんだろうけど、どうせムービーでは神竜ノ子+リベラシオンスタイルになるんだしイベントシーンは全部見た目固定でもよかった気がする。

テキストは多少マシに

 そもそものシナリオが相変わらず微妙だがテキストはマシになってる気がする。そんな尺無いからってのもあるだろうけど、ギャグシーン少ないのと世界が荒んでるおかげでシリアスな雰囲気が続くのが大きいか。本編はシリアスシーンですら欲しかったんですよねぇとか友達ではありません😡で笑わせに来てたからそれに比べたら進歩してる。

仲間が空気じゃない

 本編は良くも悪くもリュールヴェイル中心に話が進み他のキャラは空気化しがちだったが、邪竜の章のリュールは異邦人として世界観などについて説明を受けたりすることでプレイヤーの分身という意味で主人公の役割を果たしているものの、物語的には基本脇役に徹しており主役のエルイルはもちろん四翼にも役割や見せ場をしっかり用意していたのは良かった。ただモーヴが死ぬのは後に本編世界に合流されると都合が悪いので消えてもらった感露骨に出ててさすがにかわいそう。

声優の演技力

 もはやゲームの評価点といって良いのか微妙だけど本編同様声優の演技は良かったと思う。特に異形王族の戦闘会話は本編より演技が光ってたまである。ディアマンドとかあまりにも絶望感出すぎてて敵ながら聞いてるだけで心が痛む。

不満点

 どういうことだ……?この手応えのなさは……

紋章士の扱い

 本編だと紋章士の扱いは持て余してる感が強く、不満点として印象に残るところだった。とは言え正直主人公のほとんどは優等生系の王子王女様で差別化が難しいのと単純に数が多いので全員にシナリオ上の役割や見せ場を用意するのは難しいという事情はこちらも察していた。
 そこで邪竜の章だが、本編より紋章士の人数が少なくキャラ的にも立場や性格が様々で差別化も容易と来ているのでもっと上手く出番を作れるだろうと思っていたら、まさか誰一人まともに出番無いとはね。個人的にここが一番クソ。いくら尺が短いからって取り返した後にちょっとお喋りして出番終了って何?それどころかクロルフと三級長は一言も発すること無く終わるし。エンディングで何か良い感じにズラッと並んでたけどお前らシナリオ上ただの道具でしかなかったよ。

王族の扱い

 フィレネ、ブロディアがそれぞれ専用のマップと長めの会話シーン貰ってる一方でイルシオンとソルムはまともな会話も無いまま同窓会でまとめて雑に処理されてて扱いの格差を感じる。
 神竜亡き世界ゆえか異形兵化した影響か本編世界とは多かれ少なかれ人格が変わっているが、その程度や方向性に差がありすぎるし基準も不明瞭。アルフレッドは不幸を連呼する点は本物と対象的だが基本的に大きく変わらず、ブロディア兄弟も根本的な部分は変わらないようである一方でミスティラやセリーヌはほぼ真逆、フォガートオルテンシアは壊れちゃってるしアイビーに至っては野望のために親殺し兄弟殺し何でもありのアシュナード状態。というかあのアイビーがソンブルとの戦いでは仲間だったらしいのやばいだろ。
 臣下との戦闘会話で邪竜世界の臣下の人となりを察することができるが、これもフィレネブロディアはあまり変わってない一方でイルシオンソルムは軒並み性格真逆ネタを擦り散らかしてくる。特にミスティラ組は全員本編の脳死逆張りなので本当につまらん。3章までと4章以降で担当ライター変わってるとしか思えない。
 あと全員を異形兵化させたメタ的な理由が謎。生身の仲間を殺させるのは気が咎めた?あるいは大胆なキャラ改変の言い訳が欲しかった?どちらもフォドラで通った道だろうが。今更何を躊躇う必要がある?

本編と設定が違いすぎる

 本編世界と邪竜世界で根本的な設定から違いすぎることに加えてそれに対するフォローが不十分に感じる。
 まずリュールの出自からして違う。邪竜の章世界のリュールはルミエルの実子で髪も母親譲りの真っ青で正真正銘の神竜。対するこっちはソンブルの子だし髪は半分赤いしおまけに性別も違う。ここまで来たらもう他人だろ。ストーリー中あっちの神竜様と勘違いされるシーンが何度もあるがお前ら目玉ついてんのか?としか思えん。
 異形兵にしても本編じゃ異形兵として復活できるのは一度きりで力尽きると肉体が限界を迎えて消滅するって設定のはずだったのに邪竜の章では明らかに何度も復活している描写があるし、大陸中のほぼ全ての人間を殺した上に自分が異形兵であることにすら気付かせないほど精巧に蘇らせるとかとんでもない所業を腕輪の力も無しで平然とやってのけるラファール何者だよまじで。12の指輪の力を得たソンブルですらやらなかったわそんなん。

相変わらず展開が雑

 これは本編でもそうだったしDLCは尺の余裕も無いので仕方なくもあるけど、展開が雑。特に4章からの展開は強引に圧縮して進めてる感が滲み出てる上に勢いで盛り上がれるシーンも特にない。本編以上に先の展開が読めるし。散々弱いアピールしといて何もないわけ無いだろ。5章でイルを倒した後トドメを刺そうとも捕らえようともせずに放置とかさすがにおかしいと思わんのか?殺されかけてんだぞこっちは。
 リュールも5章で捕まった時は強気の態度で押し通ったのに6章じゃあっさり言いなりになった挙げ句「約束が違います!」とか言い出すのがきつい。四翼の乱入で救出という展開をやりたかったんだろうけどそのためにやらされてる感、言わされてる感が強すぎ。捕まってるのが自分か仲間かの違いはあるから腕輪を解放するのはまあ良いとしても約束が違いますはねえだろ。やはりそうでしたかって感じだよ。

本編や神竜の章の進行度による差分がない

 本編6章クリア時点で挑戦できるのはいいけど、そのせいでリュールはフィレネ以外の王族やセレスティア以外の四翼を見ても特に反応を示さないし、ましてや自分も邪竜の血族であるという自覚は全く無いかのように振る舞う。1章でエルに「異界の紋章士なら良かったのによりによってあなたですか」なんて言われるが、まさにその紋章士そのものなんだが……?戦闘じゃ当たり前のようにエンゲージ+してヴェイルとモーヴコキ使ってるのにさぁ……。
 ラストまでずっとその調子なのでクリア後データでプレイしてる身としてはどうしても違和感がある。腕輪については時系列的には邪竜の章の後に本編世界(神竜の章)にやってきたらしい描写があるので言い訳は立っているがクリア後に神竜の章回想戦行ってもやっぱり初対面みたいな反応なんだよなぁ。

本編の謎が全然補完されない

 本編で残された謎には一切触れられない。ガチで何一つわからないし何なら新たな謎だけ増やされる。そもそも本編世界と邪竜の章世界で根本的な設定から違いすぎるから補完のしようがなくなってる。
 まあ礎の紋章士の正体なんかは誰であろうとシナリオに影響無いしプレイヤーの想像にお任せでわざと投げっぱなしてる所もあると思うけど、これで終わるのはまだ早いだろって思っちゃう。さすがにDLCシーズン2来ないだろうし。

ラファール赦してええんか?

 いやほんと……こいつ赦してええんか?大陸一つ滅ぼすってやってること明らかに本編ソンブルすら超えてるし、何なら歴代FEでもこれに比肩するのはアスタルテとDLC仲間のぜつみらギムレー泡沫ハイドラくらいのもんなんだけど。本編ソンブルもなんか最後に同情誘うような悲しき過去語りだした挙げ句一人で勝手に満足して綺麗な感じで消滅してって萎えたけど、一応死んだからまだいいよ。死ねば赦されるって考え方も好きではないけど。
 ラファールは確かに滅びた世界で1000年間寝たきり姉貴の世話しながら反省しただろうし、6章クリア後の語りが嘘偽りないものだろうこともわかる。エルを復活させるのに腕輪で得た力の大半を費やしてるからもはや悪さするだけの能力が残ってないのもわかる。こっちの世界に来たら来たで普通に皆と仲良くなってるおもしれー男と化してるし。それでもやっぱり思っちゃう。殺さねばならないと。奪われた者と同じ痛みを味わわさねばならないと。
 そんな気持ちを抑えられないファーガス神聖王国王子にオススメなのがクラシックモード。遭遇戦のならずものや異形兵の集団に放り込むだけで簡単に報いを受けさせることができる。母上も、モーヴも、異形兵にされた者たちも、皆……笑って、頷いてくれるはずだ。

普通にこの後リセットした


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