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アーティゾン美術館 part2 作品レビュー

こんにちは!バルモリです!

昨日ご紹介したアーティゾン美術館会館記念展「見えてくる光景〜コレクションの現在地〜」の中で心が引かれた作品を記事にしました!

専門的な見解では無く、あくまでも私の個人的な見解によるレビューなので、「こういう見方もあるか~」くらいの気持ちで見ていただけると幸いです。

また、私のレビューを一方的に聞いてもらうだけではなくて、是非とも「みなさんが作品をどうとらえたか」についても知りたいなと考えています!なので「私はこう思うな!」「あなたの意見に賛成!」などなど、様々なご意見をコメント欄でお待ちしてます!☺️

ちなみに作品は全て撮影OKのものですのでご安心を♨

ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」

いきなりセザンヌです!私は基本的にタイトルと作者名を後で確認する派なのですが、モネの睡蓮と同じように、サントヴィクトワール山を見ただけでセザンヌだってわかっちゃいますよね(笑)

さて、セザンヌ後期印象派に属し、あのパブロ=ピカソで有名なキュビズムの先駈けともいわれる画家です。

キュビズムを非常に簡単に説明すると、「2次元という絵画の世界を3次元にしたい…あ!いろんな方向から見て、物を書けばいいんじゃね!?」という発想のことです。そのためキュビズムの要素が強い絵画は歪んでいるように見えます。ピカソの作品を見て「子供が書いたみたい」という方が多いですがその原因はここにあるのかもしれません。セザンヌの絵も同じように「多角的な視点」から絵を描く印象があります。

そのため、セザンヌの作品はパッと見自然に見えても、細部まで着目すると何となく空間が歪んでいているということが多いんです。

それはこの作品にも当てはまる事だと思います。画面中央にある黄色い建物「シャトー・ノワール」を見て下さい。この建物が建っている地面はどこにあるのでしょうか。

私はここら辺かな~と思いました。でも核心は持てないです。個人的にこの絵は山(サント=ヴィクトワール山)、建物(シャトー・ノワール)の底辺が非常にあいまいだなと感じました。この見え方を生んでいる原因は2つあると考えます。1つは「前景の木々が様々な方向の筆跡によって描かれている為、建物との距離感がつかみにくいという事」2つめは山と木々の境目があいまいであるという事」です。それでも木、建物、山のそれぞれがきちんと奥行きを持って前景、中景、遠景の役割を果たしている所が見事です。

アンリ・ルソー「牧場」

これもかなり特徴的な絵ですね!私、ルソーの絵が大好きなんです!知ったきっかけは2018年4月14日㈯~7月8日㈰に東京都美術館で開催された「プーシキン美術館展」です。そこでルソーの「馬を襲うジャガー」を初めて見ました。

この世界観、スゴイ…。明らかに大きく描かれた花や葉、そして綺麗な白馬からはファンタジーでファンシーな世界を想起します。でもこの白馬…死にかけてるんですよね(笑)ジャガーが白馬の頸動脈にかみついて確実に殺しにかかってます。恐ろしいけど、何となく美しい。こんな恐怖もあるんだなと感じ、それからはルソーの不思議な世界観のとりこになってしましました。

脱線しました。こちらの絵は題名の通り牧場を描いたものです。ところでこの「牧場」って「ぼくじょう」って読むんですかね。それとも「まきば」…?気になって調べた所


まき‐ば【牧場】 の解説
.牛・馬・羊などの家畜を放し飼いにする場所。まき。ぼくじょう。
ぼく‐じょう〔‐ヂヤウ〕【牧場】 の解説
牛・馬・羊などの家畜を放牧する設備をもった場所。まきば。    (goo辞書参照)

だそうです。管理されている要素が強い方が、「ぼくじょう」、放し飼いしているのが「まきば」といったところですかね。それではこの絵の題名は「まきば」になりますね。ですがこの絵でまず気になったのは牧場で放し飼いにされている牛の方ではなく、牛飼いの方でした。

パッと見こんな風に見えました(笑)実際に本物を見てみるともうちょっと分かりやすいのですが、真ん中の牛飼いがものすごい存在感を放っているんです。どうしてだろう?と考えてみたところ理由が2つ浮かびました。1つ目に「牛飼いの帽子が緑の補色(反対の色)なので目を引いた」2つ目に「牛飼いが画面の中央に位置している為、まず目が行った」です。個人的には後者の要素が強いと考えます。どんなものでも端っこにあるものよりもど真ん中にあるものの方が目を引きますよね。個人的にルソーの絵はモチーフが不自然なほどど真ん中にある絵が多い気がするんです。先程の「馬を襲うジャガー」だって白馬は画面のど真ん中にいますよね!さらに面白いことがどちらもめっちゃこっちを見ているんです(笑)

圧倒的「こっち見んな」感…。

ルソーはもともと税関に務めており、絵は趣味として、独学で勉強していたといわれています。その為本格的な芸術教育を受けていないんです。だからこそこれらの絵のような不自然さを生み出しているのかもしれません。

それでも、鑑賞者の心を動かせる画家が優れた画家だとすれば、非常に専門性の高い技術を学んで誰もが息をのむような作品を作る画家よりも、ルソーのような既存のやり方に縛られない画家の方が斬新で優れているという意見をもつ方もいるかもしれませんね。これは絵画だけでなくいろんな事に通用する考え方ではないかなと思います。

あなたはどっち派ですか?

まとめ

いかがでしたでしょうか。私の独断と偏見で絵画のレビューを書いてみました。印象に残った絵も「あの絵すごかったな~」で終わらせずに、「じゃあどうして印象に残ったのかな?」と考えてそれを言語化してみると今まで知らなかった自分の物事の見方、考え方が初めて分かったりします。絵の事や画家の事を知ろうとしているのに最終的には自分を知ろうとしていた。なんてことが起こるのが個人的に美術が好きな1番の理由です。

さて、アーティゾン美術館会館記念展「見えてくる光景〜コレクションの現在地〜」まだまだご紹介したい作品がたくさんあります。もしよければ続きもお読みください!この記事をみて少しでも「絵画ってこんな見方できるんだ!」と感じて頂けたら非常にうれしい限りです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事を見て少しでも「いいね!」と思った方は是非とも「スキ」をお願いします!

それでは!

アーティゾン美術館→https://goo.gl/maps/kzg8phAuU9DpxHUo8

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