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【Focus e-Sports VALORANT部門 アナリスト応募用】FCSのヘイブン分析@AIM杯

はじめに

こんにちは。Din4ryと申します。今回はこのような機会をいただきありがとうございます。私の分析は、「敵の対策ではなく自チーム強化のための分析」です。あくまで自チームへの指摘や改善点の提案になります。ご了承ください。

エージェント構成・スタッツ

RV A1tmaNがMVP

構成はほぼミラーとなった。ブリーチのフォールトラインやフェイドのプラウラー等のスキルにアグレッシブに動けるデュエリストを採用し、セットでのキルやエリアコントロールをしやすい構成である。

データ


選手別のFK、FDの回数
全選手の最初の接敵回数とFB成功率

上記データからわかる通り、両チームともデュエリストorチェンバーにFK,FD発生回数が集中している。デュエリストに関しては所謂「タンク」、チェンバーに関しては「ラーク」の役割を十分に果たしている。FB成功率は同じくらいで、大差もない。しかし、それ以外のロールのキャラも発生回数が2~4程度ですが、KomIkku選手のみFB成功率が0%。KomIkku選手は孤立していたのか?なぜ勝ち切れたのか?注目したいラウンドの分析を交えながら書いていきます。

FCSのATK

FCSは、前半のアタッカーを4-8で折り返した。一般的に攻めマップとされるヘイヴンで、何が起きていたのか。
FCSが設置が成功したラウンドは8/12で、うちRVのリテイク成功率は50%(4/8),そしてFCSの人数不利から始まったリテイクは63%(5/8)、その阻止率は20%(1/5)であった。さらに、RVがリテイクを成功させたラウンドは、すべて人数不利から始まっている。ここからわかることは、単独で撃ち合っている(ラーク等が警戒されている)orカバーが取れず、結果人数不利でリテイクを阻止しなければいけない状況になってしまっている。
FCSが攻めで本陣4、ラーク(or詰め待ち)1配置をしているとき、1側の1v1の勝率は0%(0/4)であった。FCSはこれが最大の改善点だといえる。

1R、RVのB中からスタンのガレージダブルピークを4v2で見事にいなした。しかし、Zan選手がB中のブリーチに対して1v1を仕掛ける。結果敗北。FCSは残り3名でガレージからCに流れ、3v2の体制でサイトを守った。


動画の危険ピンを見ると、ガレージにいる情報が取れているように見える。KomIkku選手はガレージを挟みに行く。しかし、KomIkku選手の体力が残りわずかなこともあり、体力がこれではサイトの打ち合いで2v2の状況が出来てしまう。パラノイアが相手2名に入ったから良いものの、少し危ないラウンドであったと言える。

3ラウンド目 - 3v5からリテイクを阻止した(スキルはすべて敵のもの)

3ラウンド目、設置を成功させたFCSは、3v5のリテイクを強いられた。citrous選手、HoS選手は共にフォールトライン、リレーボルトを食らっていて、ネビュラによってKomIkku選手はカバーをしにくい状況だったが、citrous選手、HoS選手それぞれ順番に入ってくる敵を1人ずつ仕留め、勝利した。


3ラウンド連続で取得し、このまま4ラウンド目も取得すると思われたが、ラウンド開始直後、BウィンドウからHoS選手が下りたタイミングで、B中からフォールトラインを食らい、単独でキルされてしまった。citrous選手は最初、フラッシュポイントをBウィンドウに構えていたが、相手のアクションがなかったため、Aの詰めを警戒していたタイミングだった。



Aメイン、Cロング、ガレージの情報がないFCSは、Bをホウントでクリアした後、ガレージを挟みに行った。しかし、ダブルピークが間に合わず1ピックされ、情報がなかったCから詰められ、一緒に進行できずに孤立してしまったcitrous選手もピックされ、さらに外側から囲まれる形でラウンドを落としてしまった。この時、敵フェイドの位置は敵プラウラーによって把握できていたので、citrous選手もガレージのはさみに参加したかった。さらに言えば、ラウンド開始時、Zan選手はトレードマークをA詰め警戒で配置していたので、citrous選手はA詰め警戒をせず、HoS選手のカバーをしに行きたかったラウンドだった。

リテイク時の配置(スキルは敵ローリングサンダー)

8R、FCSのタイムアウト後に始まったラウンド、今までどこかのサイトからプッシュを行っていたRVはプッシュをやめ、オーディンを運用し始めた。B中手前に設置を試みたZan選手はオーディンに抜かれ、FCSはHoS選手のショーストッパーと合わせてガレージからCに流れた。しかし、キルにはつながらず、4v5でリテイクを対処することとなった。敵を遅延させることに成功したFCSだったが、ローリングサンダーを回避できず、maruco選手は隠れられずに単独で倒されてしまった。

citrous選手のローリングサンダー

返しのローリングサンダーを打ったcitrous選手だったが、これがKomIkku選手に当たってしまった。運よく敵ネオンを倒せたが、citrous選手のカバーは間に合わず、HoS選手はオーディンに倒され、1v3になってしまいラウンドを落とした。この時、HoS選手はガレージを取りに来た敵を裏から倒す考えと 見て取れるが、敵のローリングサンダーを把握できていたのなら、ローリングサンダーを食らわない、サイトに近い位置にいればカバーがすぐにできた。

この後のATKは、サイトには入るもオーディンがいるせいで人数不利から始まったり、エリアをとれずに結果4-8での折り返しとなった。

FCSのDEF

FCSはDEFを確実に取りきり、13-12で勝利した。
RVが設置成功させたラウンドは9/13(サドンデスを含む)で、FCSのリテイク成功率は78%(7/9)、そしてFCSの人数有利から始まったリテイクは44%(4/9)、その成功率は100%(4/4)であった。さらに、人数イーブンでのリテイク成功率も100%(3/3)だった。

15R、相手のフルバイラウンド。人数不利でのリテイクで、maruco選手は耐えモクをたいていて、相手のサイト奥への進行を抑えていた。しかし、敵アストラのネビュラでCTの射線を切られてしまい、ダブルピークで倒されてしまった。相手の武器を削る意味合いでも、サイト内に入って行けば、サイト奥に来た敵を倒せる確率も上がるうえに、奥に来なかったら相手のエリアを限定したうえでフォーカスを合わせて打ち合うことができるので、先にサイトに入って戦う必要があったといえる。


敵ネオンの2キル(パラノイア以外のスキルは敵スキル)


24R、ガレージC挟みでサイトに進行を許した。ここで、maruco選手はガレージにパラノイアを打ち、ステージ裏にTPを使った。しかし、敵ネオンには入っておらず、1v1を強いられ、倒されてしまった。さらに、カバーでCTのモクに入っていたZan選手もモク抜きで倒されてしまった。最速での進行だったので、HoS選手とKomIkku選手はCサイトに寄れていなかった。
この時、パラノイアは入っていなかったとしても、TPする時間はあった。さらに、人数イーブンでのリテイクの勝率が100%というデータを基に考えると、CTにTPし、味方の寄りを待ってからリテイクをした方が勝率が上がったと考えられる。
または、敵ネオンのみ先にサイトに来ていたので、Zan選手があえてモクからピークすることで、最悪でもトレード、良ければcitrous選手もサイトに入って人数有利を作りやすくなる。このようなシーンではこの二択だといえる。


HoS選手のカバーピーク

サドンデスラウンド、20Rに相手がやってきたスタンフラッシュを対策し、単独キルに成功した。


1ピック後の配置

人数有利を作り出したFCSは、トレードマークにAを任せて、カバーが取れる配置を取った。

リテイク時の配置

リテイク開始。RVのA1tmaN選手は、遅めのラークを決行した。こうなると、時間を稼がれると勝率が下がってしまう。しかし、ロングをトレードキルした後、解除音でショート2が確定した。これが時間を稼がせなかった1番の要因である。A1tmaN選手のラークは間に合ったものの、最後は1v1を制してFCSは勝利。この場合、ラークしている情報がないので、明確な対策は提案できないが、以下が考えられる。

打ち合い開始時の配置


提案される配置

・Zan選手はロングを見ていた。しかし、CTの入り口から見えている位置だった。なので、ヘブン下のロングからしか見えない位置にいた方が、先にcitrous選手が倒されても、クリアリングしない可能性が出てくる。
・citrous選手はショート左側を見ていた。しかし、KomIkku選手は右を見ているので、最悪の場合、1v1に二回とも負けていた可能性もあった。なので、citrous選手はCT入ってすぐの右角でショート左を見れば、正面と打ち合っていても、Zan選手が倒されて背後からフリーキルではなくなるので、報告次第で対応できる可能性が生まれる。これが情報がない中での対策になると考える。

さいごに

このような機会を与えていただき、ありがとうございました!戦術に関してはセットなどわからない部分が多かったので、配置やチームでの動きの対策をメインにまとめました。また、画像を用いた対策だけでなく、散布図やグラフを使ってデータが示していることを視覚化するように工夫しました。


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