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「ディグディガ」元ネタ紹介:12.5話

これは、漫画「ディグインザディガー」12.5話公開に際して、原作の栄免建設と漫画担当の駒澤が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。

前半:栄免建設(原作)

T.I. - Live Your Life ft. Rihanna

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King Of South、T.I.が恋のマイアヒをサンプリングした大ヒットシングル。

T.I.はアトランタ出身のサウスヒップホップを代表するアーティスト。2ndアルバム名が「Trap Muzik」からも分かるように、Hiphopのサブジャンルであり、現行のクラブミュージックの人気ジャンルの一つでもある「Trap」のパイオニア的存在だ。

せっかくなのでTrapの話をしよう。この曲は昔のTrapを聴き比べると今とはすこし違うと思う部分もあるかもしれないが、使用されているのはCrunkなどの影響を受けた808系のBeatと重厚なシンセサウンド。というのも、個人的に00年代のTrapでまず思い浮かぶプロデューサーとしてDJ TOOMPがいて、彼の特徴と言えば、この T.I 「What You Know」やYoung Jeezy 「I Luv It 」なんかが、 "Trap" と聞くとまず思い浮かぶのである。

2010年代になっても人気は衰えず、メインストリートのHiphopとして高い人気を誇るように。最近はネットミームとして大流行したBaauerの「Harlem Shake」など、もはやHiphopの枠を超えクラブミュージックの一つととして支持を集めるようにもなってきたように思える。

「Live Your Life」は6thアルバム『Paper Trail』からの2ndシングル。客演には最近A$AP Rockyとのとの第一子を妊娠が発表されたRihanna、そしてプロデュースは00年代を代表するプロデューサーJust Blaze。前述のとおり、「恋のマイアヒ」こと「Dragostea Din Tei」が大胆にサンプリングされている。日本では「マイアヒライフ」なんて邦題(?)がついていたり。

同曲は1stシングル「Whatever You Like」が数週にわたってチャート1位を取っているなかリリースされ、そのままチャートの1位2位がT.I.の楽曲になった。改めて、当時の彼の人気の高さがうかがえる。

今回は恋のマイアヒを題材にした話だったこと、Youtubeのサムネイルがパロディするのに面白かったという理由で、こちらを選んでみました。

「恋のマイアヒ」は、日本だとが空耳の影響か若干ネタ感があるが、歌詞自体は《人生、生き方》をテーマにしており、当時イラク戦争の戦場にいる兵士に向けたのリリックである。気になった方は、是非和訳を読んでほしい。

◆O-Zone - Dragostea Din Tei (Ma Ya Hi)

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「恋のマイアヒ」でお馴染み、O-Zoneの世界的人気ソング「Dragostea Din Tei」のRemix入りEP。世界的に大ヒットした曲で、日本ではFlashの空耳動画が爆発的にヒットしたことで、ネットのみならず社会現象としてブームに。

2018年に新作バージョンが公開。SNSでも根強い人気があり、未だにちょくちょく取り上げられている。

アナログも非常に多くのバージョンが存在しており、今回登場したのはUltra Recordsからリリースされたもの。12話の舞台、ココナッツディスク池袋店にて購入。1曲目はLucas Prataを客演に招いたバージョン。サビでがらりとメロディが変わるので、初めて聞いた時はかなり驚いた。今回、ぜひこのバージョンを聴いてほしくて漫画で取り上げたのもあります。(と書きましたが、サブスク見つからないのでおま国かもしれません)

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他にもイタリア語版、DJ RossのRemixなど収録。日本でお馴染みのバージョンも「Original Romanian Version」として入っています。

そしてマイアヒと言えば、RYOKO2000のメンバー、ピアノ男が様々な「恋のマイアヒ」をMEGAMIXした動画を公開しているので是非見てほしい。

後半:駒澤零(漫画)

Apple Musicで個人的に「マイアヒ」というプレイリストを作っている程度には個人的にマイアヒブームを経験している人間だったので、ネタ出しの時間が非常に楽しかったです。私もリアタイではないですがニコ動キッズだったので今の20歳はどうやって知るんだろう~とフォロワーに聞いたら「うごメモですね」と即答されました。協力してくれてマジありがとう!

◆2moro - Shabu Shabu

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2moroは双子のボーイズユニット。メンバーのAnthony Guo(郭彥均)とAngus Guo(郭彥甫)は1981年の大晦日生まれ。実の一卵性双生児です。

デビューのきっかけは、広告会社がスポーツウェアのCM撮影のためによく似た2人のモデルを探していた時。当時台北体育大学の3年生だった彼らは、CMをきっかけに一気にブレイクし、映画、ドラマに起用されるように。

流れるように歌手デビューし、2006年1月6日、1stアルバム『双子のファーストディスク(雙胞胎的初回盤)』をリリース。オリジナル5曲の他にリミックス、インストゥルメンタルが収録されたEPで、収録曲「Holding Your Hand(牵着你)」はシンガポールのチャート入りも果たした。

今回紹介したマイアヒの中国語カバーも、このアルバムに収録されている。アイドル感たっぷりのMVもキラキラしてて楽しいのでよければ是非。

◆郭美美 - 不怕不怕

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郭美美(Guo Meimei)は、シンガポール出身の歌手。2004年、シンガポールのオーディション番組「全民偶像星登場」で優勝し、2005年5月に歌手デビュー。ワーナーミュージック台湾と契約すると、翌年1月に1stアルバム「不怕不怕」で台湾デビューを果たした。

当初は顔出しNGの謎めいた存在だったが、台湾デビューを期に顔出しを解禁。

中国では同姓同名のインフルエンサー “郭美美Baby” が違法賭博と詐欺罪で有名だったこともあり、余計にその名が広まることとなった。

こちらの「郭美美」は自らを「赤十字商会」という企業の本部長だと名乗り、200万人近いフォロワーがいるアカウントに贅沢なライフスタイルを投稿していたアカウント。

2011年、横領された赤十字の資金を受け取っているのではないかと炎上。そして2014年、W杯ブラジル大会の期間中に違法賭博を行った容疑で逮捕。このとき債務として2億6000万を負っていたと発覚し、ギャンブルや性的人身売買への関与を認め、「赤十字商会」の肩書きも架空だと自白した。2019年の出所後も、ダイエットサプリの詐欺罪などの疑いが多数かけられているお騒がせインフルエンサーである。

話を歌手の方の郭美美に戻そう。

個人的にちょっとびっくりしたのが、そもそもデビュー曲で「老鼠愛大米」のカヴァーをしていること。

これは中国のインターネットミームで、父親がなぜか一時期よく歌っていた影響で(おそらく頻繁に中国出張をしていたため?)、小学生のわたしがよく口ずさんでいた曲なのだ。オリジナルは杨臣刚で、香香という女性歌手のバージョンが一番有名な気がする。

日本でもカヴァーされており、本人歌唱の日文版(日本語版)のほか、「ねずみは米がすき」というタイトルでEテレの人気番組「みんなのうた」でも流れていた。ほかにも歌手、下川みくにのカバー、韓国語、カンボジア語でのカヴァーもある。

◆Hyun Young(현영) - Sister's Dream(누나의 꿈)

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ヒョンヨン(Hyun Young、현영)は韓国の女性タレント。漫画のような声で知られる。以下の動画でバラエティーに出演する様子が見れる。

マイアヒをカバーしたのは2006年で、「ヌマヌマ(のまのま)」というサビの歌詞を「ヌナヌナ」として歌ったものが爆発的にヒットした。「ヌナ」というのは、韓国語で男性が年配の女性を呼ぶ際に使う言葉である。

「ヌナヌナ」ダンスと呼ばれるダンスが特徴で、韓国系音楽専門チャンネルの「M.net」ではこのMVが2006年の最大視聴回数を叩き出したらしい。

ちなみにこの人、次のシングルでモーニング娘。の「恋愛レボリューション21」のカバーもしている。

◆Antonia aus Tirol - Wenn der Hafer sticht

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Antoniaは1980年生まれ、オーストリア出身の歌手。表記は混在しており、主に「Antonia aus Tirol」(チロルのアントニア)という名前で活動している。

キャリアのスタートは14歳。チロル地方出身のシンガー/DJ、DJ Ötziのヒット曲「Anton aus Tirol」を本人と一緒に歌ったことでブレイク。同曲は現在に至るまで、オーストリアのシングルで最も売れた曲の座をキープしている。きっかけはDJ Ötziのスタジオ練習中に、隣の部屋でAntoniaがABBAのコピバンをしていたこと。DJ Ötzi自体もカラオケ大会からの抜擢でのデビューなので、近しいものを感じたのかもしれない。

その後も全世界ツアーをしながら着々とヒットを飛ばし、合計5回アマデウスオーストリア音楽賞にノミネート。これは、アメリカのグラミー賞やドイツのエコー賞のオーストリア版にあたります。

音楽以外にも社会貢献で知られており、様々な赤十字のキャンペーンに参加したり、ガンを患う夫のPeter Schuttiと、ガンに苦しむ全ての人々のための協会「Wunschengel」を設立したりしたそうな。

今回のプレイリストはこちら。

以上、ディグディガ12.5話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!



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