戦火に巻き込まれた自分は

東欧で辛く悲しく惨めな戦争が始まった。今は対岸の火事だけど、この戦火は世界中に飛び火するかもしれない。ひょっとしたら人類文化を燃やし尽くす業火になるかもしれない。

なので、自国が戦争に巻き込まれた、あるいは戦争を起こしたときに、自分がどう行動するか、思考実験をしてみようと思う。


・自国が攻め入られた場合。

日本の安全保障やら隣国の事情やらはひとまず棚に上げて……。
日本が攻め入られた場合、たぶん私は家族を疎開させて銃を取ると思う。
攻めてくる国がGHQみたいな理想主義者の集団とは限らない。敵国が日本国民に憎しみを抱いている場合、日本が負けると家族の安全は保障されない。であれば戦う以外に成す術が無い。徴兵か志願かはわからないけど、かくして私は銃を取り兵士となった。
しかし、私は若くないし、どちらかといえばどんくさい部類の人間なので、すぐに戦死(あるいは事故死)するだろう。敵兵を前に引き金を引くことを躊躇して殺されるかもしれないし、火器の扱いにマゴついて銃が暴発して死ぬかもしれない。どちらの場合も敵兵を一人も殺せず、自軍からしたら居ないほうがマシなくらいの無能だ。
私は死の直前に「どうか家族に遺族年金が支払われますように」と祈るだろう。戦果を残せなかった自分を棚に上げて……。


・自国が隣国に侵攻した場合。

日本は島国なので想像しにくい状況だけどひとまず棚に上げて……。
私は兵士ではないので、家で自国の行いを深く恥じるだろう。政府の愚行・暴走を止められなかったことを深く深く後悔するだろう。
ただ、それを行動に移せる自信がない。反政府デモや反政府組織に参加して、自国の暴走を食い止める勇気が、私には無い。
隣国に攻め入るような政府は、自国の国民に対しても残酷にふるまう。デモを起こせばたちまち拘束され投獄されるだろう。ひどい場合は拷問を受けるかもしれないし、家族にも危害が及ぶかもしれない。
そんな状況下で、声を上げる勇気が、今の私にはもう無い。
硬く口を閉ざし、目と耳も塞いで泣き暮らすしかない。


いずれの場合も私は無力で、国に対しても世界に対しても、髪の毛一本ほどの影響力も持たない。
今こうしているみたいに、想いを文字にまとめてネットワークの海に流し続けることで、私のミームがどこかの誰かの心を動かすことを祈るしかない。
届かないと思うけど、どこかの国の独裁者に届いてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?