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2023年度第1回デジラボ(後半):Rhino/Grasshopperによるスタジアムの環境解析

こんにちは。北九州市立大学大学院M2の奥薗と遊佐、北九州市立大学B4の森田と藤﨑です。

今回は、スタジアム内の音環境の可視化を行います。
前半に引き続き、武道館をモチーフにしたスタジアムのデータをもとに、音環境の可視化シミュレーションします。モデルデータは前半のnoteを参照してください。

具体的には、音が発生してから吸収されるまでの粒子モデルを作成し、どのようにして音が拡散、収束するのかを可視化したいと思います。

音の可視化を行うために、Rhino/GHのプラグインである「Pachyderm」と「Pufferfish」を使用します。
これらのプラグインをまだインストールされていない方は、下を参考にインストールしてください。

Pachydermのインストール

以下に、Pachydermのインストール方法を記します。

Pachydermは下のリンクからダウンロードしてください。Pachyderm Acoustical Simulation | Food4Rhino

インストーラを開いたら指示に従って画面を進めてください。

Rhino/GHを開き、「Acoustics」というタブが出ていたらPachydermのダウンロード完了です。

Pufferfishのインストール

以下に、Pufferfishのインストールを記します。

Pachydermは下のリンクからダウンロードしてください。
Pufferfish | Food4Rhino

インストーラを開いたら指示に従って画面を進めてください。

Rhino/GHを開き、「Pufferfish」というタブが出ていたらPachydermのダウンロード完了です。

今回のモデリング

今回のモデルを作ったghファイルで共有します。
動画内でモデルの説明はしていますので、ここではポイントとなるコンポーネントをいくつか説明します。

Polygon Scene:音響モデルの表現をしています。


入力パラメータ
RG(Rhino Geometry):Rhinocerosのモデルからジオメトリを取得するかどうか
GG(Grasshopper Geometry):Grasshopperのジオメトリを追加する
GL(Grasshopper Layers):
VG(Voxel Grid Depth):
出力パラメータ
S(Scene):完成したシーン

GeodesicSource:音源の情報を設定しています。


入力パラメータ
Or(Point):音源位置の指定
P(Number):周波数の指定。今回は設定しません。
D(Number):音源の遅れを設定。今回は設定しません。
出力パラメータ
Src:音源のデータ


Vector Star:音源ベクトルの設定をしています。


入力パラメータ
PL(Plane):音源ベクトルの向きと位置を定義
N(Steps):再帰的な分割ステップ数の設定。
精密さを調整するパラメータであり、具体的な分割数を指定することで、音響シミュレーションのニーズに合わせた分割が行えます。動画では”0<50<100”のスライダーを入力しています。
T(Subdivision Type):分割方法の設定。今回は設定しません。
D(Dimensionality):今回は設定しません。
出力パラメータ
V(Vector):分割された結果がリストとして表現されます。
L(Lines):ベクトルの線が表現されます。

PachVisRays:光線経路の可視化を行います。


入力パラメータ
Room(Room Model)
:音響ルームのモデルを読み込みます。
Src(Source):音源データを読み込みます。
Dir(Ray Directions):各光線の初期方向を読み込みます。
_X(Terminating Surface):終端面。今回は設定しません。
Bs(Number of Bounces):光線が終了する前に反射する回数をスライダーで設定します。動画では"0<5<10"のスライダーを入力しています。
出力パラメータ
RC(Ray Curves):ポリラインとして返される光線
X.(End Points):各光線の終了点
t(Arrival Time Delay):遅延

B(Number Slider):スライダーを0から1へ動かすことで、音の反射の変化が見られます。


動画

下の動画では、今回の音響のモデル作成のコンポーネントのつなぎ方や、その他のコンポーネントの説明を行っております。ぜひご視聴ください。


終わりに

 今回はスタジアムの音環境と視環境のシミュレーションを行いました。音環境の反響時間などを計測・解析することで、より興味深い解析や最適化が可能となると思うので、これからの課題として挑戦したいと考えています。
 今回のデジラボは以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。


参考にさせていただいたサイト


Simulating Accoustics with Rhino and Grasshopper (AAHN15 2021-3) - YouTube
Calculate sound with Rhino and Grasshopper - YouTube


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