ワクチンを2回接種した人が、変異株「デルタ株」に感染するリスク。

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Forbes JAPANは2021年08月09日に、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームが主導し、イギリス国内の感染状況についてモニタリングする「REACT1プログラム」が公表した新たな調査結果(査読前)によると、PCR検査で陽性と判定された9万8000以上の検体(2021年06月24日~07月12日に採取)を分析したところ、このうち接種を完了していた人の検体の数は、未接種の人の3分の1だったと報告した。

https://time-az.com/main/detail/74966

また、感染者の濃厚接触者になった場合に感染する可能性があるのは、接種を完了した人の場合は26人に1人とみられる一方、ワクチン未接種の場合、13人に1人と考えられるという。

その他、この研究結果では、接種を完了した後に感染した人は、未接種の人に比べて重症化する可能性が低く、検体に含まれるウイルス量も少なくなるとみられている。

つまり、他の人に感染させにくくなるということである。

一方、「REACT1プログラム」の研究チームは、2回のワクチン接種によるデルタ株の感染予防効果について、有効性は49%との見方を示した。

イスラエル保健省が2021年07月下旬に発表した結果に近く、それ以前に公表されていた数値をはるかに下回っている。

研究チームは、「デルタ株に対する有効性が低下したということは、この株に対応するワクチンの開発が必要かもしれないということだ」と説明した。

これは、米国でも同様に指摘されている。

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Forbes JAPANは2021年08月08日に、米国で新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した人たちの大半は、国内各地で新たな変異株の「デルタ株」に感染する人が急増していることについて、「接種を受けない人たちに責任がある。」と考えていることが分かった。

米国のニュースサイトのアクシオス(Axios)と調査会社イプソス(Ipsos)が国内の成人999人を対象に実施し、発表した世論調査の結果によると、ワクチン接種を2回受けた人の80%近くが、こうした考えを示している。

一方、ワクチン接種を受けていない人たちの間では、「原因」に関するコンセンサスは得られていないもようで、伸び悩むワクチンの接種率を早急に引き上げたい当局が、問題に直面していることを明確に示すものといえる。

ただ、ワクチン接種率の上昇により、感染者の増加は必ずしも、重症者と死者の増加に直結するものではなくなっている。

感染者の増加が続く中で、専門家らが警告するのは、後遺症のリスクである。子供に後遺症が残る可能性は成人より低いとの調査結果が発表されたところだが、感染した際の症状の程度は、後遺症の可能性とは無関係だとみられている。

ワクチン接種によって感染の危険性が低くなることは、リスクがゼロになることを意味するわけではない。そのためCDCは、接種を完了した人に対しても、特定の場所ではマスクを着用することを推奨している。


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