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イギリスのシェル、油田開発で方針転換。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年03月23日に、BBC News電子版は2022年03月22日に、イギリスの石油大手シェル(Shell)は、イギリス領北海に浮かぶシェトランド諸島(沖のカンボ油田開発プロジェクト(Cambo oil field development project off the Shetland Islands)からの撤退を見直しているようだと伝えていると報告した。

https://time-az.com/main/detail/76495

ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の高騰や、エネルギー自給率を上げるための政府の方針転換が背景にあるとみられる。

シェルは2021年12月に、カンボ油田への投資が経済的な強みに欠けるとし、撤退を発表した。だが、保有する権益30%はまだ売却していなかった。

関係者によると、シェルの公式見解は変わっていないが、経済や政治、規制を巡る環境が昨年とは大きく変わったことを認識しているという。2021年12月の原油価格は1バレル当たりUS$70前後だったが、2022年03月に入りその2倍の水準まで達し、現在はUS$100超で推移している。

イギリス政府はウクライナ危機を受け、ロシアへのエネルギー依存を減らすためのエネルギー戦略を模索している。

イギリスのクワシ・クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相(Minister for Private Enterprise, Energy and Industrial Strategy, Kwasi Kwarteng)は先に、安価でクリーンなエネルギーへの移行期には、北海の石油・ガスに再び頼る必要があるとの見解を示した。

カンボ油田はシェトランド諸島の西方125kmに位置し、当局の承認が下りれば今年にも掘削が開始される見通しだった。25年の運営期間で、生産量は最大1億7,000万石油換算バレル、ガスは535億立方フィート(15億1,500万立方メートル)に上ると見込まれている。

ただし、その高値がいつまで続くかである。

2022-03-08---ロシア依存が少ないイギリスと米国は、ロシア産原油の禁輸決定。

2022-03-03---ロンドン証券取引所、ロシア27社の取引停止。

2022-02-28---ロシアのウクライナ侵攻受け、シェル、ロシア合弁から撤退へ。

2021-12-10---シェル本社移転、社名も変更を株主が承認。

2021-11-15---イギリスのシェル本社一本化で、社名から「ロイヤル・ダッチ」削除。


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