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イギリス政府、住民反対で新イギリス・フランス海底ケーブル事業の認可拒否。

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ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年01月24日に、イギリスのビジネス・エネルギー・産業戦略省は2022年01月20日に、イギリス・フランス海峡(English Channel)に新たな海底送電ケーブルを敷設する民間プロジェクトを阻止する決定を下した。

同ケーブルのイギリス側の上陸点となるイングランド南部ポーツマス(Portsmouth, England)で住民が反対運動を展開しており、その主張を認めた。

プロジェクトを運営するアクインド(Aquind)は同決定を不当とし、法的手段を検討する意向を示した。
最後は、法の決定に委ねる。

民主主義の国は、この2ステップによる決定が必要である。

政府がごり押しする決定は、民主的ではない。

https://time-az.com/main/detail/76090

地元住民はかねて、送電ケーブルの敷設に伴い、主要道路の交通に支障が出ると批判。また、これにより、市内の歴史的な建造物やスポーツ施設などにも影響が及ぶとし、プロジェクトの撤回を要求してきた。政府は今回、アクインドのプロジェクトは人口密度の高い都市部に悪影響を及ぼす可能性があるとし、認可を見合わせた。

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アクインドが計画していた海底ケーブルの送電容量は最大2,000メガワット。完成すると年間送電量は16テラワット時に及び、イギリス内の電力需要の5%に相当する。アクインドはフランスからの電力輸入が拡大すれば、2050年までに炭素排出量を実質ゼロ化するイギリス政府の目標達成に寄与するほか、エネルギーの価格高騰を抑制できると主張している。

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報道によると、イギリスの送電会社は35年までに全電力をクリーンエネルギーに切り替える取り組みの一環で、近隣諸国と電力の相互接続を進めている。イギリス本島は既に、フランスやベルギー、ノルウェーなどと海底送電ケーブルで接続されており、電力需要の10%を輸入で賄う。開発・建設中の海底ケーブルが開通すれば、26年までに電力輸入量は倍増する可能性もある。

アクインドを巡っては、与党・保守党に総額£150万の献金をしてきたことが取り沙汰されている。また、共同設立者はいずれもイギリス籍を取得しているものの、ロシアとつながりがある。

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うち、ウクライナ出身の実業家アレクサンダー・テメルコ(Ukrainian-born British businessman Alexander Temerko)は、ロシアの石油会社ユコス(Yukos)の元トップ。ロシア出身のビクトル・フェドトフ(Victor Fedotov)も石油業界の実力者として知られる。

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