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中道の与党連合の単独過半数割れで、フランス大統領、野党との協議開始。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年06月22日に、2022年フランス国民議会(下院、定数577)選挙で単独過半数の夢が破れ、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領率いる中道の与党連合の議席数が過半数を下回ったことを受け、マクロン大統領は2022年06月21日に、野党各党の党首との協議を開始した。政権運営の安定に向け、協力を仰ぐ狙いで、中でも中道右派LR(Les Républicains/レ・レピュブリカン)からの支持獲得を目指しているとみられる。

マクロン大統領率いる再生(Régénération/Regeneration/旧共和国前進/formerly la République en marche/Republic Forward)などの与党連合は245議席を獲得し、第1党に立ったものの、単独過半数ん289議席には届かなかった。この結果、連立政権を組むか、少数政権として法案ごとに野党の支持を取り付ける必要に迫られている。

https://time-az.com/main/detail/77137

マクロン陣営は左右両派の穏健派からの協力に期待をかけているとされる。選挙で躍進し2位につけた左派連合を率いる極左政党「不屈のフランス(La France indomptable/Indomitable France)」のメランション(Jean-Luc Mélenchon)党首は、マクロン大統領との協議を拒否している。一方、議席数を10倍以上に伸ばし3位に躍り出たルペン(Le Pen)率いる極右政党・国民連合(Coalition nationale/National Coalition)は、マクロン氏との協議には応じているが、同党との連立が実現する見込みは薄いという。

Jean-Luc Mélenchon

マクロン大統領2022年06月21日日朝にまず、中道右派LR(Les Républicains/レ・レピュブリカン/共和党)のクリスチャン・ジャコブ(Christian Jacob)党首と会談。ロイター通信によると、共和党はかねて連立政権への参加を拒否する姿勢を示しているが、同党首は法案ごとの協力には応じる可能性を示唆している。同党首はこの日、1時間にわたりマクロン大統領と会談した後、「共和党への信頼を示した有権者を裏切ることはしない」とし、安易に連立交渉に応じるつもりはないとあらためて強調した。

christian_jacob

マクロン大統領はその後、中道左派・PS(Le Parti socialiste/社会党)のオリビエ・フォール(Olivier Faure)党首とも会談。夕方には極右政党・国民連合のル-ペン党首および共産党のルーセル全国書記(Parti communiste
Roussel Secrétaire national du parti communiste_とそれぞれ協議を行った。

Olivier Faure
Le Pen
Roussel Secrétaire

なお、エリザベス・ボルヌ首相(Premier ministre de la France, Élisabeth Borne)は選挙結果を巡る一部からの非難を受け、この日に辞表を提出したものの、マクロン大統領は受理しなかった。

Elisabeth Borne

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