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沈み込む地殻プレートの運命が判明.。

米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年12月02日に、私たちの世界は、地殻変動によって新しいプレートが生まれ、また別のプレートが沈み込んでいく、いわばそれが、ごちゃまぜの構造になっている。この循環が大陸を動かし、地球上の生命を育んでいる。しかし、あるプレートが地球の内部に消えてしまったらどうなるのだろうか?

従来の常識では、沈み込む地殻変動プレートは、その背後にある部分を引っ張り続けるために無傷のままでなければならないとされてきたが、地球物理学的証拠によれば、プレートは破壊されてしまう。

https://time-az.com/main/detail/75994

今回、科学者たちは、『ネイチャー(Nature)』誌に掲載された研究において、この2つのストーリーを調和させる答えを見つけたと発表している。プレートは沈下するにつれて著しく弱くなるが、完全に破壊されるほどではない。

この発見は、NSFが支援するもので、科学者たちがコンピューターで作成した地質学的破壊力の試練を地殻変動プレートに課した結果得られたものである。
このモデルによると、プレートがマントルに入り込むと、下向きに急激に曲がり、冷たくてもろい背中にひびが入る。同時に、この曲げによって、プレートの下にある岩石の微細構造が変化し、岩石が弱くなる。その結果、プレートはほとんど無傷のまま、まるで蛇のように分断されてしまったのである。

つまり、プレートは折れ曲がったり歪んだりしながらも、下に引っ張られ続けているのであった。

NSFの地球科学部門のプログラムディレクターであるロビン・ライヘリン(Robin Reichlin, a program director in NSF's Division of Earth Sciences)は、「この研究は、地球内部の動的プロセスに関する計算モデルに、観測と実験の結果を組み合わせることの威力を示している.」と語った。

研究者によると、このモデルは日本の観測結果と一致するシナリオを予測したと言う。
太平洋プレートが日本の下に潜り込んでいる地域を調査したところ、プレートが下向きに曲がっている部分に大きな亀裂が見つかり、その下に弱い物質があることが判明した。
また、テキサス大学オースティン校のスティーブ・グランド教授(The University of Texas at Austin's Steve Grand)が行った深部地震観測(Deep seismic imaging)により、日本の地下にあるマントルの地殻変動が明らかになり、その形状がモデルの蛇に近いことが分かった。

テキサス大学ジャクソン校地球科学科のトーステン・ベッカー教授(Co-author Thorsten Becker of UT’s Jackson School of Geosciences)は、「この研究は、沈み込むプレートに何が起こるかについて必ずしも解明したわけではないが、いくつかの重要な地質学的プロセスを説明する有力な事例を提供するものである。」と述べている。

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Extended Data Fig. 1: Initial conditions for two types of subduction model explored in this study.

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Extended Data Fig. 2: Influence of faults weakening and grain size evolution on subduction dynamics.

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Extended Data Fig. 3: Influence of model parameters on subduction dynamics in models with standard grain size evolution.

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Extended Data Fig. 4: Influence of grain size evolution and faults weakening on subduction dynamics.

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Extended Data Fig. 5: Influence of pre-existing faults in the subducting plate on slab segmentation and subduction dynamics.

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Extended Data Fig. 6: Gradual development of large-offset normal faults in the reference model (Fig. 1).

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Extended Data Fig. 7: Positions of five along-dip seismic tomography profiles (blue solid lines with circles) for the Japan slab analysed in Fig. 4c, d and Extended Data Fig. 8.

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Extended Data Fig. 8: Tomographic images for five analyzed (Fig. 4d, Methods) seismic tomography profiles of the Japan slab (Extended Data Fig. 7).

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