LVMH & カンパリ共同事業、前年比82%売上増。

画像1

Forbes JAPANは2021年10月13日に、LVMH(Moët Hennessy ‐ Louis Vuitton/モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループのモエ ヘネシー(Moët Hennessy)、カンパリグループ(Campari Group)という二大巨塔が、ワイン及びスピリッツのeコマース事業を共同で立ち上げると報告した。

画像2

公式発表によれば、カンパリグループは、ワイン・スピリッツのEC事業タンニコ(Tannico)の持ち株を、新規ジョイントベンチャーに移行する。
また、カンパリグループは、タンニコの株式49%を保有し、以前からすでにワインのeコマースでは重要なポジションを確立している。

2020年の売上高約48億円、前年比82%売上増

画像3

新企業のトップには、タンニコ現CEOマルコ・マニョカヴァッロ(Marco Magnocavallo)が就任し、引き続き少数株主に留まる。

https://time-az.com/main/detail/75381

よって、2012年にeコマース事業タンニコを立ち上げた彼が、今後も経営のトップを担う。事業の成長は目覚ましく、2020年は€3700万(約48億706万円)の売上高を記録し、前年の2019年に比べ82%の売り上げ増となった。

画像4

さらにタンニコは、2021年初めから、高級ワイン及びスピリッツ類のフランス版電子商取引プラットフォーム「Venteàlapropriété」の過半数株式を保有している。

画像5

新会社の株式の50%は、LVMHグループ傘下のモエ ヘネシーが保有することで合意し、金額にして€2560万(約33億1778万円)に相当。この提携により、タンニコはコロナ禍に記録した成長を、新規ジョイントベンチャーでも継続することになる。

画像6

名だたる重鎮たちが参画

画像7

今回の事業提携は、フォーブスの資産家長者番付に名を連ねる重要人物が関わっているという。まず、LVMHグループ会長兼CEOベルナール・アルノー(Bernard Arnault)。長者番付第3位で、総資産はUS$1500億(約16兆4889億5240万円)。莫大な資産のなかには、ルイ・ヴィトン、セフォラ(Sephora)、ティファニー(Tiffany)など70以上の名だたるブランドが含まれ、ティファニーについてはUS$158億(1兆7239億1430万円)という記録的金額で買収し、ハイブランドの買収総額としては過去最高であった。

画像8

もうひとりは、会長としてカンパリグループを率いるルーカ・ガラヴォッリャ(Luca Garavoglia)。総資産US$49億(約5347億1250万円)に加え、アルコール飲料の世界的企業に名を連ねるカンパリグループの株式27%を保有。亡き父ドメニコ(Domenico Garavoglia)は、カンパリ一族最後の後継者が同氏に企業を引き継ぐまで、長らく一社員として働いた。

今回のジョイントベンチャー誕生にともない、二大グループは「タンニコ」をヨーロッパにおける、ワインのEC事業牽引役にすることを目指すという。

ファッションより巨額ビジネス。

ベルナール・アルノーとルーカ・ガラヴォッリャは、マネー・ゲーマーではない。商売人である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?