バイオメディカルエンジニア、深部静脈血栓症の治療法となる画像技術を発見。

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DVT(Deep vein thrombosis/深部静脈血栓症)とは、深部静脈に血栓ができる病気。

米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年07月27日に、ペンシルバニア州立大学の生物医学エンジニア(Biomedical engineers at Penn State)は、深部静脈内の血栓を特定して画像化する技術の開発に着手した。その結果、血栓を特定するだけでなく、治療も可能になるかもしれないことが判ったと報告した。

https://time-az.com/main/detail/74897

NSFから資金提供を受けたスコット・メディナ(Scott Medina)率いるチームは、この成果を『Advance Healthcare Materials』誌に発表した。

Ultrasound-Responsive Nanopeptisomes Enable Synchronous Spatial Imaging and Inhibition of Clot Growth in Deep Vein Thrombosis
Janna N. Sloand, Eric Rokni, Connor T. Watson, Michael A. Miller, Keefe B. Manning, Julianna C. Simon, Scott H. Medina
First published: 16 June 2021 https://doi.org/10.1002/adhm.202100520

メディナは、「深部静脈血栓症は、深部静脈(deep veins)に血栓(blood clots)ができる病気で、典型的には足にできます。」「DVTを放置すると、血栓が肺に到達して動脈を塞いでしまう肺塞栓症(pulmonary embolisms)を引き起こす可能性があります。DVTを管理し、このような命に関わる合併症を防ぐためには、DVTを迅速に発見し、監視し、治療することが重要です」と述べています。

メディナによると、現在の画像診断法では、血栓の温床となりうる場所を正確に特定し、リアルタイムで血栓を監視するために必要な解像度が不足していることが課題となっています。DVTは足の腫れや痛みを伴うことがありますが、その場合は超音波(ultrasound)で検査する。

メディナは,「超音波検査はDVTの診断には適していません」という。
「しかし、超音波検査はDVTの診断には向いていませんが、体液が流れている部分が見えることがあり、それは血栓に関係しているかもしれませんが、そうではないかもしれません。血液検査で特定の要因を調べることで、血栓の診断ができるかもしれません。」

血栓の位置、組成、大きさをより正確に把握し、治療方法につなげるために、メディナのチームは粒子を使ったアプローチを採用した。ナノペプチソーム(NPeps)と呼ばれるこの粒子は、フッ素系オイルの液滴の周りを覆うシェルで構成されており、液体テフロン(liquid Teflon)のようなもので、シェルの表面には、血栓の主要な細胞構成要素である活性化した血小板の表面にあるタンパク質を見つけて結合させる分子がある。

「粒子が血栓の表面に結合した後、超音波を照射すると、液滴は気体に変わり、シェルの下で気泡を形成します。」とメディナは言う。メディナは「これにより、イメージングに優れたコントラストが得られます。気泡は、血栓が形成されている場所に正確に現れます。」と述べている。

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