簡単に、誰でもできる「迅速抗原検査」が注目を集めている。

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Forbes JAPANは2021年06月05日に、PCR検査によるフォローアップや接触追跡を含む包括的な検査体制として、各国で「迅速抗原検査」の活用が広がっていると報告した。

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オーストリアも最近、「迅速抗原検査」の検査キットを購入する方針を示し、カナダでは職場でのスクリーニング向けに検査キットを提供する計画が動き出したと伝えている。

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これまでいつも遅れ気味だった日本も、最先端の体制を求められることになる。

ただし、最新の研究では、PCR検査によるフォローアップや接触追跡を含む包括的な検査体制がなければ、新型コロナを抑制する方策としては不十分なことが裏づけられている。

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https://time-az.com/main/detail/74541

イギリスのイングランドで、新型コロナ全国サーベイランスの一環として、のどや鼻から綿棒で採取した検体から抗原の有無を検出する「LFD(Lateral Flow Device/ラテラル・フロー・デバイス)」の性能を調べた研究を報告した。

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新型コロナウイルスに感染していると、LFDで新型コロナの抗原があることを示す陽性反応が出る。

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今回の調査では、イングランドのコミュニティーや病院でのPCR検査のデータと、2020年09月01日から2021年02月28日までの接触追跡のデータを組み合わせ、「LFD」の検査結果との関係を探った。

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研究チームは、「LFD」がPCR検査で陽性となる接触者をどのくらいの割合で検出するかを検証するシミュレーションを実施した。その結果、「迅速抗原検査」査では、その後の伝染につながる感染例の83〜89.5%を検出できることがわかった。

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今回の研究には限界もあるものの、得られた結果は、「迅速抗原検査」はほかの対策と組み合わせた場合には有効であること示している。
裏を返せば、「迅速抗原検査」はそれだけで使えるほどの精度はなく、必要なフォローアップが可能な場合のみ使用が推奨されるということであった。

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新型コロナのパンデミック(Pandemic/世界的大流行)が始まって以来、効果的な検査・追跡・隔離システムを運用してきたシンガポールは、最近の感染急増を受けて、接触追跡のスピードをさらに上げるため「迅速抗原検査」を導入した。

シンガポールのように、検査・追跡・隔離にさらに予防を組み合わせた取り組みが、今後ほかの国にも広がってくると予測している。

「迅速抗原検査」は、感染力の強い感染例を見つけ出し、その後の伝染を防ぐ目的で、毎週実施する検査には向いている。
陽性の場合はPCR検査で確認し、14日間隔離する。
さらに接触者を追跡し、その人も少なくとも10日間隔離する。
隔離の解除はPCR検査で陰性となった場合のみ認められるという流れを構築することで、予防対策を実施する。

「迅速抗原検査」は、PCR検査の代わりになるほどの信頼性はないものの、新型コロナ対策を優位に進めていけるようにする必須の予防ツールである。

政府に検査・追跡・隔離・予防プログラムを採用できるリソースがある場合には、LFDは人々の外出をより安全にするための追加手段として活用できる。

一時期、「迅速抗原検査」をPCR検査の代わりとして売り出した会社や研究者もあったが、あれはさほど効果がない。

形も色々売られているが、基本的にはケースの違い程度である。

妊娠検査用デバイスも同じであるが、試薬が違う。

もちろん、妊娠検査用デバイスでは、COVID-19は検査できない。

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