鉄道は、ほぼ全て電動化された。次の問題は電気代!送電ロスをなくす!
日経 xTECH(クロステック)は2024年06月24日に、現在、鉄道で使用されている金属ケーブルは電気抵抗がゼロではないため、送電の途中で電力の一部が熱となって失われる送電ロスが発生する。送電網での送電ロスは先進国で数%であり、日本でも5%程度とされるが、新興国では10%を超える例がしばしばあるといわれると報告した。
私がカンボジアの夜に送電線を走る火花を見た。
あれがなくなれば、カンボジアは膨大なお金で買う電気代がかなり減ることだろう。
インターネットの普及、農園の拡大で、送電ロスをなくすことは、重要な議題である。
国家予算として、多くの国の指導者は未来のために「超電導送電(Superconducting Power Transmission)」を考えるべきである。
日本のODA(Official Development Assistance/政府開発援助)を利用すれば、さらに安くなる可能性がある。
日本は、世界中の国で、お金と技術を支援する。
そこで登場するのが、電気抵抗がゼロになる超電導ケーブルで電力のロスをなくす送電方法である「超電導送電」である。
数%の削減でも、超電導ケーブルを冷却して超電導状態を維持するコストよりもメリットが上回る可能性がある。例えば、鉄道総合技術研究所(Railway Technical Research Institute/鉄道総研、東京都国分寺市)が中心となって進めている直流電化の鉄道への応用が有望と見込まれている。鉄道以外でも、液体窒素を扱う工場などでケーブル冷却のコストを抑えてメリットを得る試みが進む。
鉄道総研が2024年3月に伊豆箱根鉄道と共同で実施した実証実験では、電車が走る電力を超電導ケーブル経由で終日供給した。不具合などは見られず、鉄道総研は実用に適する信頼性を確立できたと位置付けている。始発前や終電後に旅客を乗せない列車での検証は、2015年以来複数の線区で実施されてきたが、終日の実施は初めてとなる。
直流電化の鉄道が超電導送電に向くのは、送電ロスが生じやすい状況にあるため。架線電圧が600Vや1500Vなどであり、電力網の超高圧(50万V、27万5000Vなど)や交流電化の鉄道(2万V、2万5000Vなど)よりもはるかに低い。低い電圧で電車を動かすには電流を増やさなければならず(数kA)、電流の大きさに比例して送電ロスが大きくなる。
鉄道総研の試算によると、列車本数が比較的多い繁忙線区ならば初期コストや冷凍機の運用コストを差し引いても、ケーブル長が1km程度以上あればメリットのほうが大きくなるという。導入当初は既存の送電線へ並列に接続すれば、電流は自然に超電導ケーブル側を通り、トラブル時には元の送電線を使えるため、スムーズな移行が可能とされる。
さらに、変電所の削減によって設備と保守のコストを大きく削減できる。
超電導送電ケーブルには、ビスマス系やイットリウム系の高温超電導体を使う。ケーブルの中にこれらの通電層と、冷却のため液体窒素を流す空隙層を設け、さらに外側を断熱層とする。空隙層は2層設けて、液体窒素をケーブルの一端から送り込み、反対側の端で折り返して往復させる場合が多い。
最後に残る課題は、実導入に即した設計検討が残る。どの地点に超電導ケーブルを導入するかで冷凍機の規模、ケーブル敷設方法などが変わってくるため、現場が確定しないと詳細の検討に進めない。メリットを評価して鉄道会社が導入へ踏み切れるかがポイント、といえる段階になっている。
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https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02705/061200022/?n_cid=nbpnxt_mled_dmh
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