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「BA.2」型がさらに増え、「BA.1」と入れ替わりはじめている。

イギリスの新聞「ガーディアン(The Guardian)」が2021年12,月07日に初めて報告した「ステルス・オミクロン亜種(Stealth Omicron subvariant)」とも呼ばれる「BA.2」型がさらに増えている。

また、2022年02月12日にイギリス保健当局が、医学専門家によって、新しいCOVID-19の変種デルタクロン(Deltacron/急速に拡散するオミクロン株Omicron variantとデルタ株Delta variantの組み合わせ)が発見され、DeltaとOmicronのハイブリッド型COVID-19を追跡中と報告された。

日本経済新聞 電子版は2022年02月28日に、「ステルスオミクロン」と呼ばれるこのウイルスは、国際的な分類法では「オミクロン型(B.1.1.529)のBA.2系統」という名称で、従来の「オミクロン型(BA.1系統)」よりも感染力が強く、そしておそらく高い免疫回避能力を備えている。そのため、専門家は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)をさらに長引かせるおそれがあると懸念していると報告した。

多くの国で「BA.2」は、「BA.1」と入れ替わりはじめているという。

2022年01月末から1日の新規感染者数が5万人を超える日も出てきたデンマークでは、現在「BA.2」系統が優勢だと伝えている。

インドとフィリピンの一部でも、「BA.2」がオミクロン型の主流になっているようで、米国ではすでに半数以上の州で約250人の感染者が確認されている。

https://time-az.com/main/detail/76354

WHO(World Health Organization/世界保健機関)はまだ「BA.2」を明確な「懸念される変異型(VOC)」とは考えていないが、その広まりを引き続き監視している。

スイス、バーゼル大学バイオセンターのバイオインフォマティクス研究者であるコーネリウス・レーマー(Cornelius Lehmer, bioinformatician at the BioCentre, University of Basel, Switzerland)によると、「BA.2系統」は「BA.1系統」と同時期に共通の祖先から生じた可能性が高く、「子孫」ではなく「兄弟」であるという。

つまり、一時期に2種類の亜種が誕生したという。

これもまた、別の意味で脅威である。

米国のフレッド・ハッチンソンがん研究センターの進化ウイルス学者で、米ハワード・ヒューズ医学研究所の研究員でもあるジェシー・ブルーム(Jesse Bloom, an evolutionary virologist at the Fred Hutchinson Cancer Research Center in the US and a research fellow at the Howard Hughes Medical Institute in the US)は、「『BA.1』が先に優勢になったのは先に広まったからにすぎず、ここにきて『BA.2』が追いついてきたということでしょう。」と推測すると伝えている。

また、「BA.2」が「ステルスオミクロン」とも呼ばれるのは、一部の国でオミクロン型とデルタ型などを見分ける目印にしていたスパイクタンパク質の変異がないからだという。「BA.1系統」ではスパイクタンパク質から2個のアミノ酸が失われた部分があり、比較的検出しやすい変異のためデルタ型と区別するのに使っていた国があった。

だが、「BA.2系統」ではこの変異が生じていない。ゆえに「ステルス」であり、「BA.2」が注目されてこなかった理由の1つかもしれないという。

オミクロン型の「BA.1系統」と「BA.2系統」との進化的隔たりは、もとの新型コロナウイルスと最初のVOCであるアルファ型との隔たりよりも大きい。

進化遺伝学者でイスラエル、中央ウイルス学研究所の顧問であるシャイ・フレイション(Shai Freyshon, evolutionary geneticist and advisor to the Central Institute of Virology, Israel)は、「『BA.2』には『BA.1』と共通の変異が30カ所以上ありますが、独自の変異も28カ所あります。」と説明する。

このことは、「BA.1」と「BA.2」の共通の祖先がかなり前から広まっていて、別々の系統に進化した後、たまたま「BA.1が先に発見されたことを示唆している。

従来の系統とはどこが違う?

「BA.1系統」と「BA.2系統」の違いの多くは、ウイルスがヒトの細胞に結合して感染するために使うスパイクタンパク質という部分にある。

デンマーク国立血清研究所(Danish National Serum Institute)が発表した初期の推定では、「BA.2」の感染力は「BA.1」よりさらに約33%強いとされている。

この研究では、2021年12月下旬から2022年01月上旬にかけて8541世帯で新型コロナの家庭内感染の状況を調べた。結果、そのうちの約4分の1が「BA.2系統」に感染していて、ワクチン接種を済ませた人でもBA.1系統よりもBA.2系統に感染しやすいというデータが示された。なお、この結果は1月30日付けで査読前の論文を投稿する「medRxiv」にも発表されていた。

UKHSA(United Kingdom Health and Safety Executive/イギリス健康安全庁)もデンマーク同様、「BA.2系統」の感染力は「BA.1系統」より約30%強いという推定を2022年01月28日付けで発表している。

ただし、専門家は、BA.2が重症患者を急増させる可能性は低いと推測している。

また、最も危険と言われていた新しいCOVID-19の変種デルタクロン(Deltacron/急速に拡散するオミクロン株Omicron variantとデルタ株Delta variantの組み合わせ)については報告されていなかったが、フランスの新聞「Le Télégramme」が20220年3月01日に、フランスでDeltacronが検出されたと報告している。

Deltacronはフランスで10例確認され、パスツール研究所(l’Institut Pasteur)の2人の職員が、「しかし、その深刻さと拡散に関する最初の要素は安心できるものである。」と述べている。

確かに、毎日のCOVID死者数は、減り始めている。

2022年01月31日---9,749

2022年02月01日---12,706

2022年02月02日---11,502

2022年02月03日---10,852

2022年02月04日---12,957

2022年02月05日---不明

2022年02月06日---5,472(Sunday)

2022年02月07日---10,626

2022年02月08日---12,640

2022年02月09日---12,896

2022年02月10日---10,961

2022年02月11日---11,759

2022年02月12日---8,177

2022年02月13日---4,831(Sunday)

2022年02月14日---10,441

2022年02月15日---10,201

2022年02月16日---12,517

2022年02月17日---12,129
2022年02月18日---10,082

2022年02月19日---7,966

2022年02月20日---5,167(Sunday)

2022年02月21日---7,180

2022年02月22日---9,130

2022年02月23日---11,965

2022年02月24日---10,321

2022年02月25日---9,110

2022年02月26日---6,218

2022年02月27日---4,268

2022年02月28日---不明(Sunday)

2022-02-12---イギリス保健当局がDeltaとOmicronのハイブリッド型COVID-19を追跡中!?

2022-01-26---イングランドで、感染者の6割強は再感染!?


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