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ユーロ圏経済、ロシア侵攻影響で、2.7%の拡大に下方修正。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年05月17日に、EC(European Commission/欧州委員会)は2022年05月16日に発表した春季経済見通しの中で、今年のユーロ圏のGDP(Gross Domestic Product/実質域内総生産)が前年比2.7%拡大するとの見通しを示した。

ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰や供給網のさらなる混乱を受け、2月に示した冬季見通しでの予測4%から大幅に引き下げている。

ECは、エネルギー価格の高騰がヨーロッパ経済にとって、最大の打撃となると指摘した。また、供給不安による食品や必需品・サービスの価格高騰が家計支出を押し下げると予想する。

https://time-az.com/main/detail/76883

2023年の成長率は2.3%と、こちらも前回予測から0.4ポイント引き下げた。
EU(European Union/欧州連合)加盟27カ国のGDP成長率も、今年は2.7%、来年は2.3%になると見込む。

今年の予測を国別に見ると、ドイツは1.6%と、冬季見通しから2ポイントの大幅な下方修正。
フランスは0.5ポイント引き下げ、3.1%とした。
イタリアは1.7ポイント引き下げ2.4%と予測。
スペインの見通しは、前回の5.6%から4%に引き下げた。

ユーロ圏の今年のインフレ率の見通しは6.1%と、冬季見通しの3.5%から大幅に引き上げた。インフレ率は第2四半期(4~6月)に6.9%でピークに達した後、徐々に減速すると予想した。
2023年は2.7%に低下するとみている。

EU全体の今年のインフレ率は6.8%、来年は3.2%と予想している。

ECは今回の見通しについて、ウクライナ危機の今後の展開に大きく左右されると指摘した。
特に、ロシア産天然ガスの供給が直ちに打ち切られた場合、ユーロ圏の今年のGDP成長率は2.5ポイント押し下げられ、0.2%にとどまると予想。

来年の成長率もベースライン予測より1ポイント低い1.3%になるとみている。

一方、今年と来年のインフレ率見通しは、それぞれ3ポイント、1ポイント超、押し上げられると見込んでいる。

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