やっぱり起こった車載半導体に買いだめの動き。

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アジア経済ニュースNNA ASIAは2021年10月06日に、米国のTIMEの取材にファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手「TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Limited/台灣積體電路製造公司/台湾積体電路製造)」の劉徳音(Dr. Mark Liu)董事長は応じ、「車載半導体のサプライチェーン(調達・供給網)で、買いだめをする動きがある」と指摘した。

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半導体供給不足の影響で自動車各社の生産台数が減少する中、劉董事長が買いだめについて言及したのは初めてとされる。

https://time-az.com/main/detail/75329

必要な顧客への供給を優先するため、検証を行っていることも明らかにした。

複数の台湾メディアが米国のTIMEを引用して伝えた。

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劉董事長は自動車メーカーから半導体供給不足の矛先にTSMCが挙げられていることに関して「あなたたちはわれわれの顧客の顧客の顧客だ。半導体を供給しないわけがない」と述べて反論した。

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劉董事長は買いだめの問題を解決するため、半導体を本当に必要としている顧客と買いだめをしている顧客とを判別するよう従業員に指示したと説明した。

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緊急の需要ではないと判断された企業からの受注を先送りするという難しい判断を迫られる。「一部の顧客は不満を抱くかもしれないが、われわれは最善を尽くさなければならない」と理解を求めた。

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TSMCはこれまでに車載半導体の供給不足に対応する姿勢を示している。
2021年05月には、今年の車載用MCU(Microcontrollers/マイクロコントローラー)の生産量を前年比60%増とする計画を明らかにした。MCUはTSMCの車載半導体の主力製品。

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一方、車載半導体の供給不足は自動車各社の生産の足かせになっている。
共同通信によると、自動車の日本国内大手8社が発表した8月の世界生産台数は、前年同月比17.4%減の計154万3,413台となり、新型コロナウイルス感染拡大で低調だった前年の水準を2カ月連続で下回った。東南アジアでのコロナ流行で部品調達が停滞したほか、半導体の供給不足の影響も引き続き重荷となった。

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劉董事長は米国のアリゾナ州で計画している工場建設に関連し「米国のコストは想定よりはるかに高い」と述べた。3年間でUS$1,000億(約11兆1,200億円)としている資本的支出(研究開発や設備投資などに投じる費用の総称)については、不足する恐れがあるとの見方を示した。

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TSMCは2020年05月、約US$120億を投じてアリゾナ州に新工場を設ける計画を発表した。劉董事長は2024年第1四半期(01~03月)から5ナノメートルプロセスの製造を始めると説明。ウエハーベースで毎月2万枚を製造する予定としている。

台湾の半導体産業を巡っては、台湾経済部(経済産業省)の王美花部長(経産相)が海外メディアに「半導体の供給を維持するために、各国は台湾海峡の安全により一層の関心を持つべきだ」と呼び掛けた。

王部長は「台湾は世界の半導体サプライチェーンにおいて信頼できるパートナーとしての役割を果たしている」と指摘した。中台情勢が半導体サプライチェーンに及ぼす懸念に関し「(台湾が安定して半導体を供給できるよう)台湾の安全をより重視するべきだ。」と述べた。

台湾に半導体産業が集中していることをリスクとする見方には反論した。

台湾国防部(国防省)によると、中国軍の戦闘機など56機が2021年10月04日に台湾の防空識別圏に進入した。
共同通信によると、国防部が2020年09月に中国軍用機の進入情報を公表して以来、1日に入った機数として最多だった。

劉董事長は世界中に訴えている。
努力はするが、私たちではできないこともある。
馬鹿げた考えを捨てて、世界中で私たちを助けて欲しい。
未来のために!

わかるよ〜その気持ち。

2021-10-01---中国軍、記録的な数の軍用機を台湾の防空実験に投入。
2021-05-05---TSMC、米国への生産移管で、巨大問題を指摘。
2020-05-08---TSMCの2020年04月売上高、04月の過去最高に!
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