「世界終末時計」のビジュアルストーリーテリングベスト地図、写真、図鑑。

2023年1月7日 17:33

トーマス・ゴールキン(Thomas Gaulkin)は2022年12月29日に、地球最後の日までの残り時間を概念的に示す「世界終末時計」を発表している米国科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(Bulletin of the Atomic Scientists)」は2022年10月20日に、会報誌のビジュアルストーリーテリングベスト地図、写真、図鑑を紹介した。

2022年02月23日に、世界の核兵器を隔月で評価する「核の手帳」の最新号を発行した。

見出しは「2022年、ロシアの核兵器は何発か？(How many nuclear weapons does Russia have in 2022?)」。

答えは「約4,477発」である。

その翌日、ロシアはウクライナに侵攻した。プーチンは2022年02月24日に、「特別軍事作戦」を宣言する演説で、核のサーベルを鳴らし、侵略そのものと同様に世界を驚かせた。
「2022年にロシアは何発の核兵器を使用するのか？」

しかし、ロシアの侵攻はウクライナの人々に残忍な犠牲を強い、歴史上のどの戦争よりも徹底的にリアルタイムでオンライン上に記録されている。侵攻から数時間後、Bulletinはソーシャルメディア上で共有され、戦車やヘリコプターの進入、アパートや原子力発電所へのミサイル攻撃、地下シェルターに身を隠す恐怖の映像などを収集した。

戦争が続く中、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(Ukraine’s president Volodymyr Zelensky)は、ソーシャルメディアへの投稿や世界各国政府へのスピーチで、降伏を拒否する発言を連発した。

かつておどけたコメディアンだったゼレンスキーは、世界で最も有名な国家元首に変身し、Instagramのフォロワーから数百万のシェアを集め、外国の軍隊から US$数百万の支援を受けるようになった。

プーチンは2022年09月30日の演説で、米国による広島と長崎への原爆投下が「前例となった」と述べ、その後、ロシアの核政策が先制攻撃を含むものに移行する可能性があることを示唆した。

専門家の間では、戦術核やウクライナ周辺への示威攻撃のシナリオや可能性が議論され、プーチンが「核のタブー」を破ることへの不安は、キューバ・ミサイル危機から60年の節目を迎えてピークに達している。

そのキューバ・ミサイル危機を主導したのは、ウクライナに近いロシア連邦南部のクルスク県カリノフカ村の炭鉱夫の家庭に生まれ、ウクライナ語の名前でも知られるニキータ・フルシチョフ(Nikita Sergeevich Khrushchyov/ики́та Серге́евич Хрущёв/Мики́та Сергі́йович Хрущо́в)共産党書記長が有名で、さらにウクライナ出身のソ連共産党書記長では、製鉄労働者の家庭に生まれたレオニード・ブレジネフ(Леонід Ілліч Брежнєв/Leonid Il'ich Brezhnev)がいる。

ウクライナ出身のソ連共産党書記長では、製鉄労働者の家庭に生まれたレオニード・ブレジネフ(Леонід Ілліч Брежнєв/Leonid Il'ich Brezhnev)また、ウクライナ出身の母と妻を持つゴルバチョフは「帝国主義者」として、ウクライナ市民は批判的で、ゴルバチョフはソ連崩壊の引き金を引き、ウクライナを含む15の独立国が誕生するきっかけをつくった。

ウクライナ人が批判的な「帝国主義者」のアメリカから支援を受けてウクライナは、ロシアと戦っている。

核攻撃は地球を永久に破壊しかねないという現実を訴えるため、副編集長のフランソワ・ディアス＝モーリン(Francois Diaz-Maurin)と私は、数十年にわたる大気・気候・農業科学の研究をもとに、小規模な核戦争でさえ終末的な影響をもたらすことを詳細な年表にして発表した。この記事は数日で50万回の閲覧を記録したが、その中に世界の9つの核保有国を動かしている人々の机の上にあったものがいくつかあったことを願うばかりである。

今年の会報「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(Bulletin of the Atomic Scientists)」は、データグラフィックと地図を使ったストーリーテリングに重点が置かれた。Bulletinが地図にしたトピックは数多くありる。ロシアの放射能汚染、米国の石炭火力発電所の驚くべき寿命、アフリカの角で起きている食糧危機における気候変動と地政学の交わりなどです。

2022年における最も大規模な地図製作は、年末に行われたGlobal Biolabsの地図プロジェクトの再開から始まった。Bulletinの新しい副マルチメディア編集者であるエリック・イングリッシュ(Erik English)は、バイオセキュリティの専門家と協力して、世界中の最も安全なバイオ研究施設の位置と活動を詳細に示すこの永久保存版資料を改良し、発表した。これらの施設は、新たなパンデミックを食い止める、あるいは引き起こす可能性のある場所であり、誰もがその場所と活動内容を知っておく必要がある。

エリックはまた、オランダで発生した鳥インフルエンザの脅威に関するポール・タリス(Paul Tullis)の優れた調査を扱い。Bulletinのマルチメディア・ストーリーテリングを前進させることにも貢献した。豊富な写真、ダイナミックなグラフィック、地図をエレガントなレイアウトで組み合わせたこの作品は、ビジュアルで雑誌並みの質の高いストーリーテリングがBulletinに存在することを明らかにした。

この夏、未曾有の熱波が世界を駆け巡ったとき、気候エディターのジェシカ・マッケンジー(Jessica McKenzie)は、異常気温による致命的な影響に対処するための科学についての連載をまとめた。オリジナルの地図、チャート、イラストを駆使して、過熱する地球の未来を生き抜くためのストーリーを展開した。

巨大な地熱発電システムと絶滅危惧種の対決を描いたネバダ州の特報。この記事は、地球上のユニークな場所と、再生可能エネルギーが直面するいくつかの課題について、ジェシカのレポートが鮮やかな写真、図、表を織り交ぜながら展開していきます。この小さなヒキガエルの物語には、大きなビジュアルパンチがあった。

しかし、2022年の最後の数カ月間に起こったAIアートや言語システムの台頭は、映像の仕事を生業とする多くの人々に喜びと絶望を両義的に混在させた。その出現の深刻さを真摯に評価するために、Bulletinの破壊的技術編集者サラ・グダージ(Sara Goudarzi)は、「知的機械が生み出す芸術の倫理的、経済的、芸術的意味」について専門家の視点を集めた。パッケージのリード画像は、OpenAIのDALL-Eで生成した。AIが生成した絵のクオリティは、いつまでも見る人の目に映るかもしれないが、AIが社会にもたらす脅威は、早急に人類のコンセンサスを得る必要があるように思えたと述べている。

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