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天文学史の大発見!世界で最初のヒッパルコスによる星座早見盤が発見された。

世界初の古代ギリシャの天文学者ヒッパルコス(Hipparchus)による星座早見盤。


この星座図は、中世の羊皮紙に隠された世界初の古代ギリシャの天文学者ヒッパルコス(Hipparchus)による星座早見盤で、失われたものと考えられていた。

イギリスの科学誌ネイチャー(Nature)は2022年10月18日に、エジプトの修道院から出土した中世の羊皮紙から、その驚くべき宝物が発見された。

学者たちは、何世紀にもわたってヒッパルコスのカタログを探してきた。

ワシントン州タコマにあるピュージェット・サウンド大学の天文学史家であるジェームス・エヴァンス(James Evans, a historian of astronomy at the University of Puget Sound in Tacoma, Washington)は、この発見を「珍しい」「驚くべき」と評している。この抄録は、今週『Journal for the History of Astronomy』誌のオンライン版に掲載される1。

ジェームス・エヴァンスによれば、この発見は、古代ギリシャで最も偉大な天文学者と考えられていたヒッパルコスが、他の既知の試みよりも何世紀も前に本当に天球図を作成したことを証明するものだという。また、天文学者が単に空に見える模様を記述することから、それを測定し,予測することに移行した、科学の誕生における決定的な瞬間を明らかにするものでもある。


この写本は、エジプトのシナイ半島にあるギリシャ正教会の聖カタリナ修道院(the Greek Orthodox St Catherine’s Monastery in the Sinai Peninsula, Egypt)にあったものだが、その146枚の葉(フォリオ)のほとんどは、現在ワシントンDCの聖書博物館(the Museum of the Bible in Washington DC.)が所蔵している。このページには、10世紀から11世紀にかけて書かれたシリア語のテキストを集めた「Codex Climaci Rescriptus」が収められていrる。しかし、この写本はパリンプセスト(palimpsest)であり、写字者が古い文章を削って再利用できるようにした羊皮紙である。

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