ブラックワームの絡み合った「ブロブ」が集団の動きを示す。

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米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年10月28日に、クロミミズ(Lumbriculus variegatus)は、ミミズの遠い親戚である。
通常は欧米の浅い湿地や池、沼などに単体で生息し、微生物やゴミなどを食べているという。クロミミズは乾燥から身を守るために、数匹から数百匹の個体が絡み合って形を変える「ブロブ(blobs)」と呼ばれる集団を形成することがある。
ちょうどハチの群れやヒアリの筏、ムクドリの群れのように、クロミミズの群れは集団で動くことができる。

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今回、NSFの支援を受けた科学者たちは、物理学に基づいたコンピュータモデルを用いて、条件が整ったとき、特に個々のクロミミズの活動と「粘着性」のバランスがとれたときにのみ、クロミミズの塊に集団的な動きが現れることを示したと報告した。

https://time-az.com/main/detail/75502

研究チームは、この成果をFrontiers in Physics誌に2021年09月30日に発表した。

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NSFのIntegrative Organismal Systems部門のプログラムディレクターであるジョン・ロン(John Long)は、「鳥の群れや魚の群れのように、お互いに避けながら移動する個体の集団とは異なり、ミミズは触ったり絡んだりして集団の動きを調整している。」と述べている。

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この研究者たちの巧妙なコンピュータ・シミュレーションによると、ミミズは、それぞれの個体が2つの物理的な力の適切なバランスを見つけることで、ユニットとしてうまく機能することがわかった。

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「これらの物理的ルールは、人間の技術者が、柔軟で自走可能なケーブルや繊維、あるいはワームのようなロボットの絡み合った動きを調整したいと思うあらゆる状況に適用できるかもしれない」と言う。

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個々のブラックワームの相互作用は、それらが「ブロブ」として動くときに、予想外の新しい特性をもたらすことがある。このような特性は、タンパク質から多細胞生物、生態系まで、階層的に組織化された生物システムの特徴である。したがって、このブロブは、小さすぎたり大きすぎたりして簡単に観察できない類似のシステムのモデルにもなりうる。

共同執筆者であるジョージア工科大学のサード・バムラ教授(Saad Bhamla of the Georgia Institute of Technology)は、「活性バイオポリマー(Active biopolymers)やアクチンフィラメント(actin filaments)は、ロボット工学や材料科学で注目されている、いわゆる『絡み合った活性物質の集合体』の好例です。」

「今回の成果は、個々のソフトで柔軟なロボットが絡み合って一体となって動く、新しいロボットシステムの設計に応用できると期待しています。また、修復や環境への対応のために自らを再編成できる自律的なユニットで構成された建材や布地などの「人工生体材料」への応用も考えられます。」と述べている。

早稲田のロボット研究所では、あらゆるものを模倣してロボットを開発していたが、ミミズがあったかどうかは記憶していない。

ミミズが絡み合うのは、魚釣の餌として購入した時、ミミズやゴカイが絡み合ったのを見ている。また、自動コラボレーション・ロボット・システムも見ているので、近いものが既にあるかもしれない。


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