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米国エネルギー省長官、核融合の突破口を発表。

CNNは2022年12月14日に、CNNのアドリアン・ヴォクト(Adrienne Vogt)、マイク・ヘイズ(Mike Hayes)、エラ・ニルセン(Ella Nilsen)、エリス・ハモンド(Elise Hammond)によるレポートとして、米国のエネルギー省長官をはじめとする科学者たちは、「星と太陽にしかない条件(only found in the stars and sun)」を再現したと報告した。

ジェニファー・グランホルム米国エネルギー省長官(US Energy Secretary Jennifer Granholm)は、2022年12月13日火曜日の朝、米国の科学者が行った核融合実験が、「星と太陽にしかない特定の条件」を再現したと述べた。

「イグニッションによって、星と太陽にしかないある条件を初めて再現することができました。このマイルストーンは、炭素ゼロの豊富な核融合エネルギーが私たちの社会を動かす可能性に、大きく一歩近づけるものです。」と彼女は述べた。
グランホルムは、「これこそアメリカがリードする姿であり、私たちはまだ始まったばかりです。」
「核融合エネルギーをさらに進展させることができれば、クリーンな電気、輸送燃料、電力、重工業、その他多くのものを生産するために利用することができます。」と続けた。

米国エネルギー省は2022年12月13日火曜日に、アメリカの科学者が初めて、核融合から得られるエネルギーが、実験に使われるレーザー・エネルギーを上回ったと、核融合における歴史的な快挙を発表した。

いわゆる「エネルギー純増(net energy gain)」は、2つ以上の原子が融合したときに起こる核融合反応から、クリーンで無限のエネルギーを得るという数十年にわたる試みにおける主要なマイルストーンとなるものである。

日本経済新聞 電子版は2022年12月14日に、核融合は太陽と同じ反応を地上で再現することから「地上の太陽」と呼ばれる。水素の仲間同士の原子核が融合する際に発生する大きなエネルギーを熱として発電などに有効利用する。理論上は1グラムの燃料から石油8トン分のエネルギーが出る。脱炭素の切り札になると期待の声が高いと報告している。

この実験では、2.05メガジュールのエネルギーをターゲットに投入し、3.15メガジュールの核融合エネルギー出力が得られた。これは、投入したエネルギーよりも50%以上多いエネルギーであり、実験が意味のあるエネルギー増加につながったのは初めてのことである。

「この記念碑的な科学的ブレークスルーは、クリーンエネルギーの未来にとって画期的なことです。」と、カリフォルニア州の民主党上院議員アレックス・パディラ(Democratic Sen. Alex Padilla of California)は述べた。

この突破口は、カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所の国立イグニッション施設(Lawrence Livermore National Laboratory’s National Ignition Facility in California)で、2022年12月5日に科学者のチームによってもたらされた。

ジェニファー・グランホルム長官は声明で、このブレイクスルーを「画期的な成果(landmark achievement)」と呼んだ。

グランホルム長官は声明の中で、リバモアをはじめとする国立研究所の科学者たちは、米国が「気候変動と戦うためのクリーン電力の供給や、核実験をせずに核抑止力を維持するなど、人類の最も複雑で差し迫った問題を解決するための研究を行っている。」と述べている。

リバモアの所長であるキム・ブディル博士(director of Livermore, Dr. Kim Budil)は、研究所で核融合イグニッションを実現しようとする科学者の試みを「人類がこれまでに取り組んだ最も重要な科学的課題の一つ」と呼び、彼女の研究所の科学者の仕事に声援を送った。

「これを達成することは、科学、工学、そして何よりも人々の勝利です。」「この閾値を超えることこそ、60年にわたる献身的な探求の原動力となったビジョンです。これらは、米国の国立研究所が解決するために作られた問題なのです。」と、ブディル博士は声明で発表した。

核融合発電は、最終的にどのように家庭の電気をつけることができるのか?

カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所にある国立イグニッション施設で、米国の科学者が正味のエネルギー増加につながる核融合反応の生成に成功したと、このプロジェクトに詳しい関係者がCNNに確認した。

これは、科学者が過去の実験のように収支を合わせるのではなく、正味のエネルギーを得る核融合反応の生成に成功した最初の例です。

商業的に成功するまでにはまだ多くの段階はあるが、科学者にとっては、当初より多くのエネルギーを作り出せることを示すことが重要である。そうでなければ、開発する意味がない。

カーボン・ダイレクト社の主任科学者で、ローレンス・リバモア社の元主任エネルギー技術者であるジュリオ・フリードマン(Julio Friedmann, chief scientist at Carbon Direct and a former chief energy technologist at Lawrence Livermore)はCNNに、「エネルギーの観点からは、投入したエネルギー以上のものが出てこなければ、エネルギー源とはなり得ないので、これは非常に重要です。」と語っている。「先行するブレークスルーとしては重要ですが、いつかより大規模に使用できるエネルギーを生成することとは別物です。」

最終的に電気をつけて、化石燃料への依存を終わらせることが目的である。

世界のレポートを紹介する「VICE」は2022年01月12日に、新年を前に、中国の国営通信の新華社(新华社/Xinhua News Agency)からの情報として、中国が「人工太陽(Artificial Sun)」を使って、華氏1億8500万度の核融合反応を17分以上持続させ、クリーンエネルギーの記録を打ち立てたと報告した。

これは人類の豊富なクリーンエネルギーの未来にとってエキサイティングなニュースだが、もしあなたがこの1週間、インターネット上で時間を過ごしたなら、中国が実際に空に向かって、「人工太陽」を打ち上げたと信じてもおかしくはないだろう。

2022-01-12---中国が「人工太陽」を空に打ち上げたと考える人々。


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