暑い夏!NSFは、北極圏に生息するウーリーマンモスの生涯の旅を再現した。

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米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年08月24日に、1万7,000年前のマンモスの生活をこれまでにない形で覗くことがで来たと報告した。

科学者たちは、アラスカ大学北方博物館が所蔵する1万7,000年前の化石を分析することで、マンモスの生涯についてこれまでにない詳細な情報を得た。研究者たちは、マンモスの牙の同位体データを生成して研究することで、マンモスの動きや食生活を、この地域の同位体マップと一致させることができた。

https://time-az.com/main/detail/75069

ウーリーマンモスの生活や行動については、これまでほとんど知られていなかったが、今回の研究により、マンモスが長距離を移動していたことが初めて明らかになった。マンモスの生活の概要は、学術誌「Science」に詳しく掲載されている。

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REPORT
Lifetime mobility of an Arctic woolly mammoth
View ORCID ProfileMatthew J. Wooller1,2,*,†,
View ORCID ProfileClement Bataille3,4,*,†, Patrick Druckenmiller5,6, Gregory M. Erickson7,
View ORCID ProfilePamela Groves8, Norma Haubenstock1,
View ORCID ProfileTimothy Howe1, Johanna Irrgeher9, Daniel Mann8, View ORCID ProfileKatherine Moon10,11,
View ORCID ProfileBen A. Potter12,
View ORCID ProfileThomas Prohaska9,
View ORCID ProfileJeffrey Rasic13,
View ORCID ProfileJoshua Reuther5,
View ORCID ProfileBeth Shapiro10,11, View ORCID ProfileKaren J. Spaleta1, Amy D. Willis14
See all authors and affiliations
Science 13 Aug 2021:
Vol. 373, Issue 6556, pp. 806-808
DOI: 10.1126/science.abg1134

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An adult male woolly mammoth navigates a mountain pass in Arctic Alaska, 17,100 years ago.
An adult male woolly mammoth navigates a mountain pass in Arctic Alaska, 17,100 years ago.
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論文の共同執筆者であるアラスカ大学フェアバンクス校の研究者マシュー・ウーラー(University of Alaska Fairbanks researcher Matthew Wooller, co-lead author of the paper.)は、「季節的な移動をしていたかどうかは明確ではありませんが、かなりの範囲をカバーしていました。「生涯のうちにアラスカの多くの地域を訪れており、その面積の大きさを考えると非常に驚くべきことです」と述べている。

ウーラーが所長を務めるAlaska Stable Isotope Facilityでは、NSFから資金提供を受けた科学者が、6フィートの牙を縦に分割し、レーザーなどを用いて約40万点の微細なデータを作成したという。

NSFの生物学的インフラ部門のプログラムディレクターであるロバート・フライシュマン(Robert Fleischmann)は、「この研究は、NSFが米国内のあらゆる地域のインフラや機器を継続的に支援していることの重要性を示しています。」と述べている。NSFの生物学的インフラ部門のプログラムディレクターであるロバート・フライシュマンは、 「NSFの支援のおかげで、科学者たちはこのウーリーマンモスの驚くべき旅を記録することができました。今回の結果は、最古の哺乳類の住人の生涯にわたる移動パターンについての洞察を与えてくれるでしょう。」と述べている。

科学者たちが行った詳細な同位体分析は、マンモスの牙の成長方法によって可能になった。
マンモスは一生の間、毎日のように着実に新しい層を増やしていった。
マンモスの牙を縦に割ってサンプルを採取すると、これらの成長バンドはアイスクリームコーンを重ねたような形をしており、マンモスの一生を年代順に記録することができる。

「古生物学者で、UA北方博物館の館長であるパット・ドラッケンミラー氏は、「マンモスは、生まれた瞬間から死ぬまで、自分の牙に書かれた日記を持っています。「母なる自然は通常、このような便利で生涯にわたる個人の人生の記録を提供することはありません」。

-- NSF広報、Researchnews@nsf.gov

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