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COP28、「損失と被害」基金立ち上げ、総額US$4.2億拠出。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2023年12月04日に、UAE(United Arab Emiratesアラブ首長国連邦)のドバイ(Dubai)で2023年11月30日に開幕した国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、気候変動の影響を受ける途上国の「損失と被害(Loss and Damage)」を補償する基金が正式に立ち上げられたと報告した。

UAEやドイツ、日本など5カ国とEU(European Union/欧州連合)が、総額約US$4億2,000万の資金を拠出することを約束している。

拠出の内訳は、UAEとドイツがそれぞれUS$1億、英国が約US$5,000万、米国がUS$1,750万、日本がUS$1,000万となる。フィナンシャル・タイムズによると、EUはUS$1億4,500万を拠出する方針を示しているほか、ドイツ以外のEU加盟国からも資金拠出が見込まれている。

「損失と被害」基金は、異常気象による洪水や干ばつ、海水面上昇などの影響を受ける途上国への支援を目的とする。昨年のCOP27で設立が決まったものの、その後の交渉が難航し、COP28で立ち上げにこぎ着けられるかが焦点となっていた。

交渉で開発途上諸国の代表を務めたバルバドスのアビナッシュ・ペルサウド気候特使(Climate Envoy Avinash Persaud of Barbados)は、基金創設が決まったことについて、「苦しい戦いの末に勝ち取った歴史的合意だ」とコメント。「気候変動の損失と被害が遠い先のリスクではなく、世界人口の約半分にとって現実の一部であることが認識されたことを示すもの」と話している。

なおロイター通信によると、UAEはCOP28でUS$300億規模の気候ファンドも立ち上げる見通し。同国が資金の大半を拠出し、残りは米国の資産運用大手ブラックロックなど世界各国の投資家から協力を得る方針という。

https://www.cop28.com/en/news/2023/11/COP28-Presidency-unites-the-world-on-Loss-and-Damage
https://www.reuters.com/business/environment/cop28-summit-opens-with-hopes-early-deal-climate-damage-fund-2023-11-30/

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