COVIDは若者の病気になるのか?焦ったら、負けのようである。

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Nature Briefingは2021年07月08日に、ワクチンを接種していない若年層での新規感染の割合が増え続けていると報告した。

子どもの重症化のリスクは全体的にはまだ低い。しかし、この傾向は、特に感染力の強い新型インフルエンザが発生した場合、その後の地域社会での感染拡大の波が若年層によって引き起こされる可能性があることを示している。

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イスラエルでは12歳の子どもにもワクチンを接種しているが、このような若年層へのワクチン接種の必要性を疑問視する声もある。

イスラエル保健省は2021年06月21日に、12歳から15歳までのすべての人にCOVID-19のワクチンを接種するよう勧告した。この決定は、ワクチン接種率の高い多くの国が経験している傾向で、すなわち新規感染者の若年層の割合がますます増加していることを受けたものである。

イスラエルでは、迅速なワクチン接種が行われ、成人人口の85%以上が接種を受けているため、2021年06月初旬には感染者数が1日10人程度にまで減少した。しかし、年06月下旬には、患者数が1日100人以上に増加し、その多くが16歳未満であったため、政府はすべての10代の若者に予防接種を開放することにした。

テルアビブにあるイスラエル最大の医療機関Clalit Health Servicesの疫学者ラン・バリサー(Ran Balicer)は、感染者の年齢層が若いことは驚くべきことではないと言う。しかし、特に感染力の強い新種のウイルスが存在する場合には、その後の地域社会での感染拡大の波が若い年齢層によって引き起こされる可能性があることを強調している。

2021年07月5日までの1カ月間にイスラエルで新たに発生したCOVID-19の症例の半数以上は、19歳以下の人であった。
出典:イスラエル保健省(Source: Israel Ministry of Health)

このような傾向はイスラエルに限ったことではない。米国やイギリスでは、COVID-19は「若年層を中心としたワクチン未接種者の病気となっている」と、カリフォルニア大学バークレー校の人口統計学者であるジョシュア・ゴールドスタイン(Joshua Goldstein, a demographer at the University of California, Berkeley)は言う。

この変化は、高齢者に先にワクチンを接種していた多くの国で起こっており、現在では成人人口のワクチン接種率が高いレベルに達している。これは、COVID-19が、老人ホームなどで重症化する危険性の高い高齢者の間で広がらないようにするための公衆衛生上の対策による、早期の年齢低下を受けたものである、と研究者は言う。

そして、この変化は、より若い年齢層における感染と疾病に関する研究に新たな刺激を与えている。オスロにあるノルウェー公衆衛生研究所の疫学者であるカリン・マグナソン(Karin Magnusson, an epidemiologist at the Norwegian Institute of Public Health in Oslo)は、「より良い政策決定を行うためには、子供や青年の疾病負担を理解することがますます重要になってきています」と述べている。

カリン・マグナソン、小児におけるCOVID-19がノルウェーの医療制度に与える影響を調べた。
2021年06月05日に発表されたプレプリント1では、専門医の治療を必要としないにもかかわらず、子どもたちはウイルスに感染してから最長6カ月間、繰り返し医師の診察を受ける必要があることが多いと報告している。

ラン・バリサーは、イスラエルの多世代世帯におけるウイルスの拡散について研究している。また、COVID-19の感染パターンの変化は、子供へのワクチン接種に関する決定だけでなく、マスク着用などの健康対策をイスラエルの青年や子供にまで拡大することについての議論を活発化させているという。

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絶対的な増加ではなく、比例的な増加
ストックホルムにある欧州疾病予防管理センターの疫学者であるニック・ブンドル(Nick Bundle)は、「患者の負担が若年層にシフトするにつれ、青年層へのワクチン接種を求める議論はやや説得力を増すでしょう」と同意する。
しかし、小児の重症化のリスクは全体的に低いままであり、若年層で症例数の割合が増加している国の多くでは、症例数の合計が減少していると同氏は指摘する。

また、各国は世界的な状況を考慮する必要があると研究者は言う。

ジョージア州アトランタにあるエモリー大学で感染症の動態を研究しているジェニー・ラヴィン(Jennie Lavine)は、「人々の生活に大きな影響を与える可能性のある(裕福でない)国の高齢者よりも、裕福な国の子供にワクチンを投与する方が本当に良いのでしょうか?」と、言う。

COVID-19の接種率が高い国で感染者の平均年齢が下降しているのは興味深い現象ではあるが、それは長続きしないかもしれないと言う研究者もいる。

イギリスのケンブリッジ大学の感染症疫学者であるハンリック・サリジ(Henrik Salje)は、いくつかのシナリオによってバランスが元に戻る可能性があると言う。

イスラエルや米国がすでに実施しているように、多くの国が若年層へのワクチン接種を開始する可能性がありる。

また、新しい亜種や高齢者の免疫力の低下により、高齢者が新たに感染しやすくなる可能性もあると彼は言う。

COVID-19はまだ若い人たちの病気になる可能性があるとBニック・ブンドルは、「しかし、それがどの程度の問題なのかは、簡単に対応できるものではありません。」と言う。

どうもみんな未体験のことであり、暗中模索状態で、もう少し様子を見る必要がありそうである。

イギリスのボリス・ジョンソン首相(Prime Minister Boris Johnson)を例にすると、焦ったら、負けのようである。

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