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Twitterの社員がサウジアラビアにユーザーIDを密告した事件。

米国の新聞「ニューヨークポスト(New York Post)」は2022年08月13日に、ソーシャルメディア上で、本名から住所まで個人情報を晒される「Doxed」は、十分に恐ろしいことである。

Being doxxed — having private information exposed, from your real name to your home address — on social media is scary enough. But for outspoken dissidents, having their details revealed to the authoritarian government they are criticizing can be deadly. And having it done by a worker at a social-media platform is a jaw-dropping betrayal.

ただし、反体制派にとって、批判している権威主義的な政府に自分の詳細が暴露されることは、致命的なことでもある。

そして、それをソーシャルメディアプラットフォームの従業員が行うことは、呆れるような裏切り行為と言える。

しかし、Twitterの元従業員が、2015年にサウジアラビア政府のためにスパイ行為を行い、個人ユーザーの情報を同国政府と物議を醸す皇太子ムハンマド・ビン・サルマン(prince, Mohammad bin Salman/通称MBS)と密接な関係を持つ連絡先に渡した罪で有罪判決を受けた。

サンフランシスコ連邦裁判所(San Francisco federal-court)の陪審員は、レバノン人と米国人の二重国籍者であるアフマド・アブアンモ(Ahmad Abouammo)に、マネーロンダリングと電信詐欺の共謀を含む6つの訴因で有罪判決を下した。他の5つの訴因については無罪となった。

https://time-az.com/main/detail/77494

サウジアラビア政府が入手した情報を使って何をしたかはまだ不明だが、「Hatching Twitter」の著者ニック・ビルトン(Nick Bilton)は「ニューヨークポスト」に対し、ソーシャルメディアサイトは「ならず者国家から(直接)攻撃されやすいわけではない」ものの、利用されうる脆弱性を持っていると指摘した。ソーシャルメディアサイトは、「一人の従業員が、誰かに危害を加えるために簡単に使えるような情報を入手することに対して、間違いなく脆弱である。」と彼は言う。

TwitterのメディアパートナーシップマネージャーだったAbouammoは、サウジアラビア政府、MBS、MBSの家族に対して批判を表明したTwitterアカウントホルダーの識別情報と連絡先を暴露することに重点を置いていたとされている。法廷で主張されているように、彼は、@mujtahiddというユーザー名の人物を含め、個人の電子メールアドレスや電話番号を提供した。

このハンドルネーム(Miriam-Websterは「mujtahid」をDを一つつけて、イスラムの宗教法の権威ある解釈者を意味すると訳している)は、 「Middle East Eye」によると、サウジの内部告発者であるという。

この活動家は、260万人のフォロワーに向けて、祖国の政府や支配者一族を批判するアラビア語の投稿をしている。

しかし、個人情報を入手することは安くはない。

44歳アブアンモは、サウジアラビア政府から約US$30万の現金と、少なくとも1つのウブロ(Hublot)の腕時計(US$42,000相当)を受け取ったとして起訴されている。

「彼らは二重スパイのために金を払ったのだ」というのが、ゴールデン・ステートの法廷(Golden State courtroomでの最終弁論でエリック・チェング検察官(prosecutor Eric Cheng)が述べた状況である。

この不正な支払いはアブアンモの年俸を約3倍も上回っていることを指摘した後、彼は「そんな金が無駄にならないことは、みんな知っている。」と付け加えた。

「Hatching Twitter」の著者ニック・ビルトンは、この件に何ら驚いていない。

「アブアンモがFBI捜査官に嘘をついていたのと同じ頃」--尋問の中で、彼は腕時計の価値はUS$500しかなく、US$10万以上は受け取っていないと主張した。「私はヴァニティ・フェアに、他国、特にならず者国家からシリコンバレーに来て、企業秘密を盗んだり外国人を監視しようとするスパイについての記事を書いた」と、ビルトンは「ニューヨークポスト」に語っている。ある大手ハイテク企業のオフィスで、ある幹部が「彼らは誰なのか?は、見当もつかない。しかし、『絶対に、ここで働いているスパイがいる。』彼らはここにいるのです。」と言ったのを覚えている。

「ニューヨークポスト」は、確認のため、Twitterとアブアモの弁護士に問い合わせたが、コメントの要請に応じなかったと伝えている。

Twitterにいると言うことは、Facebook、Googleにもいると考えるのは。常識だろう。

私は、アメリカ文化センターが、虎ノ門にある頃から、出入りが許されていたが、時々、アメリカ文化センターが、当時のスパイの巣窟ではないかと感じていた。

私はそこで、資料室に入り、面白い情報や写真を雑誌「グラフィックデザイン」で紹介していた。

今それの一部が、Twitter、Facebook、Google、LinkedInになっていると聞いても驚かない。

なぜなら、司法省は、その一部をTwitter、Facebook、Google、LinkedInに委託している。

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