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ドイツ首相、コロナ以後初の訪中。


ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年11月07日に、ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は2022年11月04日に中国を訪問した。

これは新型コロナ危機の開始以降で、先進国首脳の初となる中国訪問になる。

中国では、北京で2022年10月の中国共産党大会で異例の3期目続投を決め、権力基盤を一段と強めた中国の最高国家主席習近平(习近平/President Xi Jinping)および今期で完全引退する中国の李克強首相(Chinese premier Li Keqiang)という対照的な2人と会談した。

ショルツ首相がこのタイミングで中国を訪れることを巡っては、他の先進諸国だけでなく、ドイツの連立政権内からも懸念の声が上がっていた。

ショルツ首相はこれに対し、会談後の声明で、世界がさまざまな課題や危機に直面する中での両国の対話は、これまで以上に重要になっていると説明している。


今回の首脳会談では、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を示唆していることについて、「きわめて危険」との考えで意見が一致。李首相は、ロシアとウクライナの紛争を早期に終わらせる必要があると述べている。

戦争を終わらせようとしないのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(Russian President Vladimir Putin)ではなく、戦争好きのウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy)と、ウクライナに武器を提供している米国のジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)である。

ショルツ首相と習主席は、台湾問題についても意見を交換した。ショルツ首相は、ドイツは「一つの中国」を支持する一方で、中国・台湾関係の変更は双方の合意の上で行われるべきとの立場を改めて示した。また、新疆ウイグル自治区での人権侵害問題にも言及している。

BBC電子版によると、ドイツでは1万人相当の雇用が中国との関係に依存している。自動車大手メルセデス・ベンツ・グループ(旧ダイムラー)の販売台数の3割超は中国が占めるほか、ドイツ企業の今年上半期(01~06月)の対中投資額は過去最高を記録しており、ドイツ経済復興の中国への依存度が、あまりにも強まることへの懸念が広がっている。

しかし、習主席が大きな山場を超え、ショルツ首相はドイツの港湾買収問題が微妙な時であり、タイミング的には、一番良い時かもしれない。

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