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インテル共同創業者で「ムーアの法則」の生みの親、ゴードン・ムーアが、94歳で死去。

BBC Newsは2023年03月27日に、シリコンバレーのパイオニアであり、慈善家でもあったゴードン・ムーア(Gordon Moore)が2023年03月25日に、ハワイで94歳の生涯を閉じたと報告した。

ムーアは、1950年代に半導体の研究を始め、インテル社を共同設立した。
ムーアは、コンピュータの処理能力が1年ごとに2倍になると予言したことで有名であり、後に2年ごとと修正されたが、これは「ムーアの法則(Moore's Law)」として知られている洞察である。

この「ムーアの法則」は、コンピューター・プロセッサー産業の基盤になり、パソコン革命に影響を与えた。
ムーアは、コンピュータ革命が始まる20年前に、集積回路が「家庭用コンピュータ、少なくとも中央コンピュータに接続された端末、自動車の自動制御装置、個人用携帯通信機器などの驚異をもたらす」と論文で述べている。

1965年の論文では、集積回路が発明された数年前から、技術改良によってマイクロチップのトランジスタ数が毎年約2倍に増えていることを指摘している。
そして、この法則を実現するために、チップメーカー各社が研究に力を入れるようになったのである。
ムーアの論文が発表された後、メモリチップは指数関数的な速さで効率化され、安価になった。

博士号を取得した後、ムーアは、実用的なトランジスタや集積回路を製造するフェアチャイルドセミコンダクターの研究所(Fairchild Semiconductor laboratory)に入社した。
この会社の拡大が、サンフランシスコの南にある半島の土地を、現在シリコンバレー(Silicon Valley)として知られるようにするための基礎となった。
1968年、ムーアとロバート・ノイス(Robert Noyce)はフェアチャイルド社を離れ、インテル社を設立した。
ムーアの仕事は、世界中で大きな技術進歩を促し、パーソナルコンピューターやApple、Facebook、Googleの登場を可能にした。
「私がやろうとしていたことは、チップにどんどんものを載せることで、すべての電子機器を安くすることができるという、そのメッセージを伝えることだけだった。」と、ムーアは2008年のインタビューで語っている。
インテル社は、共同創業者に敬意を表し、ツイートで 「先見の明を失った(we lost a visionary)」と述べた。

インテルの現CEOであるパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)は、ゴードン・ムーアがその洞察力とビジョンによってテクノロジー業界を定義し、数十年にわたる技術者や起業家たちにインスピレーションを与えたと述べた。
「彼は、地球上のすべての人々の生活を変えた遺産を残している。彼の記憶は生き続けるだろう。(He leaves behind a legacy that changed the lives of every person on the planet. His memory will live on.)」
ゲルシンガーはツイートで、「彼を知ることができ、謙虚に思います(I am humbled to have known him,)」と述べた。
ムーアは、妻のベティと環境問題に取り組む財団Gordon and Betty Moore Foundation(ゴードン&ベティ・ムーア財団)を設立し、その後の人生を慈善活動に捧げた。
その中には、アマゾン川流域や米国、カナダ、ロシアのサケの生息地の保護も含まれている。
「ゴードンと出会い、共に仕事をした者は、彼の知恵、謙虚さ、寛大さに永遠に触発されるだろう」と、財団のハーヴェイ・ファインバーグ(Harvey Fineberg)会長は述べている。
2002年、ムーアはジョージ・W・ブッシュ大統領(President George W Bush)から、米国で最高の民間人としての栄誉である自由勲章(Medal of Freedom)を授与された。

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-65073812
https://twitter.com/intel/status/1639418740243861504
https://twitter.com/PGelsinger/status/1639418044895334400

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