ドイツの5大経済研究所、経済成長率見通しを引き下げ。

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ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年10月15日に、ドイツを代表する5つの経済研究所は2019年10月14日に発表した秋季合同経済予測の中で、今年のGDP(Gross Domestic Product/国内総生産)成長率の見通しを2021年04月時点の3.7%から2.4%に引き下げたと報告した。

サプライチェーン(調達・供給網)の混乱で中間財の供給が滞っており、製造業生産に支障が出ているためである。ただ、経済活動は2022年中には通常通りに戻ると予想している。

合同経済予測は、ドイツ連邦経済技術省(Bundesministerium für Wirtschaft und Technologie/German Federal Ministry of Economics and Technology)の委託により春と秋の年2回発表される。

https://time-az.com/main/detail/75389

今回の予測は、
Ifo経済研究所(Ifo Institute for Economic Research)、
RWI経済研究所(RWI Essen/Rheinisch-Westfälisches Institut für Wirtschaftsforschung, Essen)、
ドイツ経済研究所(Deutsches Institut für Wirtschaftsforschung/DIW/German Institute for Economic Research)、
ハレ経済研究所(IWH/Halle Institute for Economic Research)、
キール世界経済研究所(IfW/Kiel Institute for the World Economy)の5つの研究所が合同でまとめた。

それによると、原材料や中間財の供給ボトルネックが当面続き、製造業の生産を圧迫し続けると予想した。
消費者関連のサービス業のみで成長が見込まれるとした。
また、今冬は回復速度が鈍化する一方、2022年には新型コロナウイルスのパンデミック(pandemic/世界的大流行)による影響の反動が起き、供給問題も徐々に解決すると分析する。
このため、2022年のGDP成長率見通しについては4.8%と、前回予測から0.9ポイント引き上げた。

就業者数は2020年の4,489万8,000人が今年には4,491万8,000人となり、来年には4,536万8,000人を見込む。
失業率も2020年の5.9%から、2021年は5.7%、2022年は5.3%にまで低下するとみている。

インフレ率は今年に3%に加速した後、2022年には2.5%に減速すると予測。
公的部門の財政収支は、財政赤字が対GDP比で4.9%に達するが、2022年には赤字幅が2.1%まで縮小すると見込んでいる。

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ハレ経済研究所のオリバー・ホルテミュラー教授(Professor Oliver Holtemöller)は、新型コロナ危機の影響は徐々に克服できるとみる一方、「気候変動の課題や労働力不足による低い経済成長が予測されることで、消費機会が減少する」と分析している。

これまでは下がり続けてきたが、コロナという大きなショックにより、2022年は、久しぶりに引き上げ予測が起こった。

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