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ドイツ政府、エネルギー大手ユニパー国有化。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年09月22日に、ドイツ政府は2022年09月21日に、経営難に陥っているエネルギー大手ユニパー(Uniper)を国有化することで、同社および支配株主であるフィンランドの電力大手フォータム(Fortum)と合意したと発表した。

総額€80億を拠出し、株式約99%を取得する。

ドイツ政府は、1株当たり€1.7でユニパーの増資を引き受ける。

https://time-az.com/main/detail/77769

取引は、規制上の各種要件が満たされ、ユニパーの株主総会およびEC(European Commission/欧州委員会)による承認を得た上で、年内に完了する見通しだと言う。

私は、ユニパーが返済不可能な融資枠拡大を申し込んだとき、国有化をなぜしないのだろうと書いた。

エネルギー危機を背景にフォータムがユニパーに提供していた株主融資約€40億はドイツ政府が返済し、フォータムによる融資保証€35億も政府が肩代わりする。

ロイター通信によると、ドイツ政府が今回の取引を含めてユニパー救済に投じた額は、計€290億となる。

ユニパーはドイツ最大のロシア産ガス輸入業者で、ロシアからのガス供給減により経営が悪化した。
ロシア7月には政府とユニパー、フォータムが救済パッケージでいったん合意し、KfW(Kreditanstalt für Wiederaufbau/ドイツ復興金融公庫)による融資枠を従来の€20億から€90億に拡大することや、政府がユニパーの株式30%相当を取得することが決まっていた。

しかし、その後にロシアとドイツをバルト海経由で結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム1」経由の天然ガス供給が停止されたことや、ガスや電力の調達価格が高水準で推移していることから、事業環境が一段と悪化。代替策として国有化に向けた協議を開始していた。

福島原発事故では、東京電力が国有化されている。

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2022-08-29---ドイツのエネルギー大手ユニパー、短期的流動性確保へ€40億融資枠拡大を要請
2022-07-07---ドイツ、政府出資でエネルギー企業救済し、ガス供給リスク軽減。
2022-06-29---ドイツのエネルギー大手ユニパー、ドイツ政府と救済協議。
2022-04-19---EC、ドイツの€200億の企業支援を承認。

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