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2億年後の地球には超大陸「Amasia」しか、陸地は存在しない。


Forbes JAPANは2022年10月09日に、カーティン大学(Curtin University)が主導する新しい研究により、世界に次に現れる超大陸「Amasia(アメイジア)」は、2億年から3億年後に太平洋が閉じて形成される可能性が高いことが判明した。

研究チームが、スーパーコンピュータを用いて超大陸の形成過程をシミュレーションした結果、1億年前に誕生した大西洋やインド洋などの「若い」海の海洋地殻は、太平洋などの古い海と比較すると、地球のマントルへ沈み込む可能性が低いことが判明した。

カーティン大学の地球ダイナミクス研究グループおよび地球惑星科学部に所属する、論文主執筆者のチュアン・ファン博士(Dr. Chuan Huang, from Curtin's Earth Dynamics Research Group and the School of Earth and Planetary Sciences)は、この新しい発見が重要であり、今後2億年の間に地球に何が起こるかについての洞察を与えてくれると語る。


ファン博士は「過去20億年の間に地球上の大陸は6億年ごとに衝突して超大陸を形成してきました。これは超大陸サイクル(supercontinent cycle)という名で知られています。つまり、現在の大陸は数億年後に再び1つになるということです。」と語る。

「その結果誕生する新しい超大陸は、アメリカ大陸がアジア大陸と衝突することで(大西洋やインド洋ではなく)太平洋が閉じると考えられていることから、すでにアメイジア(America+Asia = Amasia)と命名されています。また、オーストラリアは、まずアジアと衝突し、太平洋が閉じたときにはアメリカ大陸とアジアを結ぶという、この重要な地球イベントの一翼を担うことになると思われます。


スーパーコンピュータを用いて地球の地殻変動がどのように進むかをシミュレーションした結果、3億年以内に太平洋が閉じてアメイジアが形成される可能性が高いことを示すことができ、これまでのいくつかの科学理論を覆すことができました 」


アメリカの地質学者クリストファー・スコティーズ(American geologist Christopher Scotese)は、将来の超大陸の登場を予測した最初の科学者の1人であり、1982年には、2億年前に存在したPangea(パンゲア)超大陸と非常によく似たその未来の超大陸を「Pangea Ultima(パンゲア・ウルティマ)」と名づけた。


1990年代後半には、イギリスの地球物理学者ロイ・リバモア(British geophysicist Roy Livermore )が「Novopangae(ノボパンゲア)」と名づけた超大陸を提唱した。そこでは、すべての大陸が統合され、極から極まで伸びる大きな陸塊が形成されている。

2016年には、アメリカの研究者が「Aurica(オーリカ)」という名の未来の超大陸を提唱した。AuricaはNovopangae仮説とほぼ同じだが、こちらのモデルでは、大陸は赤道付近に集まって1つの陸塊を形成する。

そして最新の超大陸仮説が「Amasia」だという。大西洋が徐々に広がっていくことから推測して、アメリカ大陸が西に移動し、オーストラリア、シベリア、ユーラシア、アフリカと衝突することによって、太平洋が閉じていくと予測する研究者が登場した。

地殻の断層に囲まれた南極大陸だけが孤立したままとなる。

太平洋は、7億年前に前の超大陸が分裂してできたPanthalassa(パンサラッサ)超海洋の名残である。地球上で最も古い海であり、恐竜の時代の最大サイズから縮小を始めている。

現在、1年に数センチずつ縮小しており、現在の約1万kmという大きさから、閉じるまでには2〜3億年かかると予測されている。

共同研究者であるカーティン大学地球惑星科学部のジョンション・リー特別教授(Professor Zheng-Xiang Li, also from Curtin's School of Earth and Planetary Sciences)は、全世界が単一の大陸塊になることで、地球の生態系と環境は劇的に変化すると述べている。

「Amasiaが誕生することで、地球は大きく変わるでしょう。海面は低くなり、超大陸の広大な内部は極度に乾燥し、1日の気温差が大きくなると予想されます」とリー教授はいう。

その前に、日本は東北大震災より大きな地震に何度も襲われ、その度に復興し続けてくれることを期待するが、

「現在地球は7つの大陸からなり、生態系も人間の文化も大きく異なっています。なので2億年から3億年後の世界がどうなっているかを想像することはとても興味深いですね」

論文『Will Earth’s next supercontinent assemble through the closure of Pacific Ocean?(次の地球の超大陸は太平洋が閉じることで形成されるのか?)』はNational Science Review(2022)に掲載された。

The paper "Will Earth's next supercontinent assemble through the closure of the Pacific Ocean?" is published in the National Science Review (2022). Material provided by the Curtin University.

Chuan Huang,
Zheng-Xiang Li,
Nan Zhang Author Notes
National Science Review, nwac205,
https://doi.org/10.1093/nsr/nwac205
Published: 28 September 2022

https://academic.oup.com/nsr/advance-article/doi/10.1093/nsr/nwac205/6726649?login=false

https://watermark.silverchair.com/nwac205.pdf


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