こどもも遊べるゲームの作り方

初めましての方も多いかと思います。

「遊んで、笑って、成長する」を理念に活動しております、Dig-A-Doo(ディガドゥー)の遠山彬彦と申します。

"成長を促すゲームを作っている"というと、こども用ゲームを作っているのかな、と思われるかと思いますがそうではありません。

あくまでも"楽しいゲーム"という基本的なスタンスを崩さないなようにしつつ、こどもも遊べるおとな向けゲームを作るように心がけています。

ということでどんなことを意識して作っているのか、語らせていただきたく思います。 読んで頂いた方の何かのヒントになれば幸いです。

"こども用"と"こどもが遊べる"の違い

文章の中でこの「こども用のゲームです」や「こどもが遊べるゲームです」と記載されていたら、おそらく多くの人があまり機にもとめず「あぁこどもが遊ぶゲームなんだな」と感じると思います。

ですが私は大きな差を感じていて
こども用のゲーム=こどもが楽しむ為に作られたゲーム
こどもが遊べるゲーム=大人用だけどこども一緒に遊べるゲーム
というふうに区別しています。

言い方をわるくしてしまえば、こども用のゲームはこども騙しのゲームとも呼べるのではないでしょうか。

私は 大人が楽しむゲームを、こどもが遊ぶことができれば、それは遊びの延長線上に「おとなとかわならない考え方」が、そのゲームだけでみれば出来るのはずと考えています。

じゃあどうやってつくるの?

では、こどもが遊べるゲーム とはどのようなゲームなのでしょうか。

① 知っている世界観のゲーム
② "やってみる"ができれば実践可能
③ 興味をなくさないしかけ

以上3点に関して気をつけています。

① 知っている世界観のゲーム

こどもって、思っている以上に考える力も吸収するちからもとても優れています。 (小学校受験の塾で教鞭する機会があるのですが、おとな顔負けの思考力があります。)
ただ、知らないことをイメージする力はあまり鍛えられていません。

ですので、難易度は "やることをイメージできるか" によって大きく変わります。

例えば、工場のゲームを作るとします。
「仕入れを行い、商品を作り、出荷する」そんなゲームで、勝利条件は"利益率を高くしていき、最大利益をあげること"。
うん、小学生には難しいそうですよね?

でも
各ステップにおいてイメージすることが出来れば遊ぶことも可能です。

必要なことものを集めましょう。
この商品は、この組み合わせになったら完成!そして出荷!
なるべく少ないカードの枚数で商品を作れたら高いポイント!

こんな具合にしてしまえば、
絵合わせのようにゲームに参加することができそうですよね。

② "やってみる "ができれば実践可能

ここから難易度の設定になっていきます。
対象年齢をイメージしたときに、その年齢であれば実践が可能であれば遊ぶことが可能です。
では実践が可能とはどういうことでしょうか?

同じものは存在しませんが、その年齢のこどもがやっている"一番難しいこと"と比較してみると良いと思います。

理解、は後から付いてきます。
まずは"なんとなくやってみる"ことが出来れば実践可能です。
【このなかから1つ出してごらん】そんな感じでアシスト出来れば実践可能ラインです。

マインクラフトを小学校低学年からやっている子がちらほらいます。 大人が楽しいかどうかを判断せず、まずはこどもがなんとなく参加できるをラインにすれば、自ずとこどもは吸収していきます。

③ 興味をなくさないしかけ

最後は興味をなくさないしかけ、です。
①,②に関しては 楽しいことを無視して 実際に遊ぶことができるかどうか、に焦点をあてています。
しかしそれだけでは、最初は興味本位で集中していますが、すぐに興味をうしなってしまいます。

そのために興味をなくさないしかけが必要です。


1つは世界観
 動物の〜〜、車が〜〜 など、こどもが興味をもつテーマで作られていると、最初の興味が大きいため興味をなくすスピードは緩やかです
2つめは達成感
 適度に "やった!"と思える達成を織り交ぜます。
 神経衰弱はおとなには苦痛のともなう遊びですが、こどもにとっては"一緒だった!"という達成感を定期的に与えてくれる、楽しい遊びです。 そんな具合に、"やった!"と思うポイントを短いスパンで作ることが大切です。

3つめ長さ
 勝った、やった!・負けた、悔しい!  これはこどもにもおとなにも共通します。 なのでゲームを最後までプレイできれば、一つの達成感を得ることができます。 が、それまでに興味をなくさないようにしなければなりません。 そのためには1、2で興味の持続を促すことも大切ですが、そもそもの1プレイの区切りを長くしすぎないことも大切な要素です。


簡単にはなりましたが、Dig-A-Dooではそんなことを意識して、大人もたのしい、こどもが遊べるゲームの開発を行なっています。


なにかのお役にたてば良いなと思います。


遠山彬彦

「遊んで、笑って、成長する」Dig-A-Dooでゲーム作家しています。 日々つらつらゲームのことやら物作りのことでも。