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NOT A HOTEL ウォレット分析 -2022 Dec-

はじめに

先月から読み切りに加えて500円の月額固定の読み放題のプランを開始しました。1本300円で月6本~8本ほどをめざしているので、それなりにお得なプランになるのではと思います(今月はこれが3つ目!)。興味のある方はこちらからご加入下さい。色々なプロジェクトのウォレット情報から特徴や傾向をみておくと別の角度からのNFTの見る目を養えるかも知れません。

レポート

恐らく国内で何かしらNFTを持っている人の多くが気になっているプロジェクト、NOT A HOTEL。筆者もホルダー層に興味があるものの、今まで取り上げてきたジェネラティブのプロジェクトとは明らかに異なるため、同じフォーマットでレポートを作成する事が果たしてよいのか悩み、少し逡巡していました。しかし興味心が勝ってしまい今回レポート作成をすることにしました。

NOT A HOTELはメンバーシップがS、Y、Xの3種類あります。現在YはSからのアップグレードや販売が開始されているようですが、OS上では出てこなかったので購入者に配布されていないと理解して、今回解析の対象から外しました。

また、SとXを分けるべきかまとめるべきか少し迷いました。Sが価格150万円で256人、Xが570万円で36人(うち1人は両方所持)。価格帯は全く違うものの、もともと数が少ないプロジェクトですので、今回は全体像をみるという事でまとめる事にしました。

面白い結果が出るか分からないですが、興味ある方は是非どうぞ!

※同じプロジェクトのNFTを複数のウォレットで管理する人は基本的に少数という前提で、本レポートは複数ウォレットを鑑みず1ウォレット=1ホルダーのように表現しています。その点はご容赦下さい。

保有数分布

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供給は今のところ全部で361枚ですが、ホルダー総数は292です。よって平均は1.2枚です。グラフを眺めると1枚持ちがダントツですね。このNFTの性格がよく現れています。尚、6枚持ち、7枚持ちがそれぞれ1名いるのも凄いですね。10枚以上所持が1名いますが、これは運営でしょうか。

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保有数分布を%で見たものがこちらです。率で見ても1枚保有の率が91%と突出しています。2枚持ちと合わせると97%に達します。

上位ウォレット

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お馴染みウォレットの覗き見です。まず第1位は33枚所有です。内訳はSが30枚、Xが3枚です。その他にもYを30枚所有しているので運営でしょうか。その割にはSandboxやらジェネラティブマスクスやらを大量保有していますが・・・。

続いて第2位は7枚所有。見たところ他にNFTをあまり購入されてないような方です。しかし、実はこの傾向、今回のランキングに入っているウォレットはどこも似たりよったりでした。

唯一の例外は第1位と、同数で第4位に入っているアカウントの一つです。そこはProfiteroles_incという名前がついていました。企業さんでしょうか。CloneXやDoodles、Galverseなども所有しているようです。

最後におまけですが、第3位と第4位のアカウントは恐らく同一人物のものとみられます(合わせると9枚で第2位!)。

分散化率

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Unique Wallet率は81%です。過去レポート平均は50%なので、大幅に越えています。尚、比べるわけではないですが過去一番高かったのはPROOFです。

一方でクジラ率は9%と過去レポート平均10%と比べる少しだけ低めです。これは運営と思われる33枚を除いた数字ですが、運営でないとすると数字が一気に18%まで跳ね上がります。

尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。

ウォレット作成時期

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このデータを取得した時点(2022年12月9日)での経過月数です。まず平均年齢がSとXで全く異なるのが面白いですね。ミントが今年7月後半以降されているのですが、そのタイミングのグループが半数以上を占めました。

新規参入

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では新規参入をみてみましょう。予想外にたった27人、割合にして9%のみがこのプロジェクトをきっかけに入ってきたようです。言い換えると90%以上の方がそれ以前に何らかのNFTを購入していたことになります。

定義はこちらをご確認下さい。

ガチホ状況

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ミント時から保有している人も18%と予想外に低い結果でした。しかしこちらは多くの人が売却したというよりも、他のウォレットに移したと捉える方がより正確かもしれません。

ここでのガチホの定義はこちらを参考にしてください。

NFT平均購入価格

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SとXで分けてみました。Top50までの差が顕著ですね。しかし、Top10ホルダーをみる限りでは、NOT A HOTELのホルダーはジェネラティブNFTをあまり保有していなそうなので、この差は基本的にSとXの価格に引っ張られている面もありそうです。

Top10プロジェクト

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スキャムのエアドロが多いのでOpenSeaで認証マークがついているプロジェクトなどを全て手作業で抽出して並べています。

このランキングは個人的にそのプロジェクトを色濃く表す指標だと思ってますが、まずNOT A HOTELの場合は想像通り全体的にジェネラティブを所有している人が少ないですね。第1位のThe Mergeですら所有者が15人、全体の5%のみです。過去にレポートしてきたプロジェクトは少なくとも15%以上はあります。

次にTop10入りしているプロジェクトも一通り眺めるとバラバラ感が強い事が分かります。海外のコレクターが多い印象のある(ホント?)The Merge、国内の著名プロジェクトNeo Tokyo Punks、Uniswapの流動性提供に和組DAOのWagumi Cats、そしてKawaii代表MEGAMIと並びました。

しかし結局のところどれも保有者の数が少ないので、これで何かを語る事自体が無理かもしれません。

メジャープロジェクト保有者比率

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国内外に拘わらず、この数値は小さいのが当たり前ですが、想像通りNOT A HOTELも少ないです。

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次に6つのプロジェクトを個別に見ていきます。ほぼ有名プロジェクトのホルダーはいなそうですね。

メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。

国内外比率

いつもの算出方式はジェネラティブのプロジェクトに有用だと思っているので、今回は正しく出せる気がしませんでしたので割愛しました。しかし想像するにほぼ国内の方でしょう。

算出方法が不明な方はこちらをどうぞ。

プロジェクト比較

毎回、国内プロジェクトは初回無料レポートのGalverseと各種指標でいつも比較してますが、こちらも全く別ジャンルのため今回は割愛させて頂きます。

比較として過去の他のプロジェクトの数値が気になる方はこちらから是非どうぞ。

まとめ

まとめ、難しいですね。気になったのはNOT A HOTELが最初に購入したNFTだった人が少なかった事です。その割にはジェネラティブ系のNFTを持っている人も少なく、つまり多くの人が購入後に他のハードウェアウォレット等に移したのでしょうか。その足取りが謎です。

とにかくプロジェクトの発行枚数が少ないプロジェクトでホルダー層もNFTをメインに追いかけてきた層でもないという事で、冒頭に危惧した通り今まで使ってきた指標で何か分かりやすい特徴をあぶり出すに至らなかった気がします。

今回はある意味で実験的なレポートになってしまいましたが、今後のジェネラティブでないプロジェクトが出てきた時に、懲りずにレポートにするかどうかは、今回のレポートの皆さんの反応を見つつ考えたいと思います。

おまけ、雑感

RTFKTがAnimusのEggをCloneXホルダー対象にフリーミントで配布しました。その数はCloneXと同数の2万体です。また、今後パブリックセールで更に2万体を販売する事も公表しています。

この4万体の考え方はOthersideのOtherdeedを彷彿させますよね。行き先は恐らく同じでゲームです。CloneX2万体、Animus4万体、RIMOWAで見せたようなコラボキャラが今後出てきて数を増やしていくのでしょう。

今まで公式が発表している映像・画像からポケモン的なオリジナルIPを想像する人が大多数です。しかしポケモン的なIPに育つかどうかは筆者はかなり懐疑的にみています。

今までのCloneXはNIKEと村上隆さんという2つのビッグネームを最大限に活用して成功してきた面があります。一方で動物・怪獣的なAnimusはここから離れていく訳で、RTFKT単独でどこまで”マス”を相手にIP化出来るのかは分かりません。普通に考えてあらゆるコンテンツ企業がIPを作ろうとして毎年屍を積み上げている事実を考えると、成功するのは容易なことではないでしょう。RTFKTはWeb3の外ではほぼ知られてないのですから。

という訳で、筆者はこの挑戦を楽しみに、また興味深く追っていきますが、一方で過度の期待はせずにいるつもりです。でも筆者の予想が良い方向に裏切られて欲しいと思っています!

勝手にリンク

毎週の振り返りはharuxxさんとmiinさんの週間NFTニュースで!

最後に少し宣伝

実はこのようなウォレット解析はミント前に集めたWLでも出来ますし、ミント後のKPI確認としても個別に提供できます。興味ある方がいましたら当方のTwitterアカウント@diego_0xまで是非ご連絡下さい。


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