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Live Like A Cat ウォレット分析 -2022 Dec-

はじめに

先月から読み切りに加えて500円の月額固定の読み放題のプランを開始してます。1本300円で月6本~8本ほどをめざしているので、それなりにお得なプランになるのではと思います(今月はこれが7つ目!)。興味のある方はこちらからご加入下さい。色々なプロジェクトのウォレット情報から特徴や傾向をみておくと別の角度からのNFTの見る目を養えるかも知れません。

レポート

以前よりミント日でのウォレット解析も行ってみたいと思っていたところ、丁度これまた以前から国内プロジェクトとして名前を目にしていたLive Like A Cat(以下、LLAC)のミントが本日終了しました。フロアが初動から2を越えるという国内では稀に見る展開なので、これを機に早速ウォレット解析する事にしました。

尚、初動のよいプロジェクトは変動も激しいです。こちらの解析は2022年12月29日日本時間13時半頃に行われたものと理解して読んでください。

※同じプロジェクトのNFTを複数のウォレットで管理する人は基本的に少数という前提で、本レポートは複数ウォレットを鑑みず1ウォレット=1ホルダーのように表現しています。その点はご容赦下さい。

保有数分布

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供給は全部で22222枚のようですが、OS情報では20982で止まっています。24時間のミントが終わって現在のホルダー数は3010。よって現時点での平均は7.4枚と単純に平均を見ると見たことのない高さとなりました。

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保有数分布を%で見たものがこちらです。率で見ると1枚保有の率が68%と過去レポート平均とほぼ同じです。しかし、このプロジェクトの特異性は2枚保有がたった3%と異常に少ない一方で、3枚保有が22%と異常に多いことでしょう。これは一人最大3枚ミントで多くの人が3枚保持したまま結果でしょうか。

上位ウォレット

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お馴染み上位ウォレットの覗き見です。まず第1位は全体の約半分?10484枚を保有しているアカウントです。OSアカウントに名称はなかったですが、運営でしょう。しかしよく分からないのは、第2位にも3000枚という無名アカウントがあることです。何故分けられているか分かりませんが、これも運営と考えておくのが無難そうです。

またミントが終了して運営が13484枚保有しているとなると、純粋な市場へのサプライは8738枚が3008人にミントされたと捉えた方が正しそうです。

さて第3位です。OSではmusubigamiというアカウントです。取引がほぼ何もないアカウントなので、数からみて運営の方のアドレスとみてよいでしょう。

この第3位までが大口なのですが、一般的なプロジェクトとの違いはここから先の数がぐっと落ちる事です。第4位で一気に33枚まで落ちて第10位は16枚保有と、運営が関係してそうな第3位を除くとクジラがほぼいないと言ってよいですね。

分散化率

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Unique Wallet率は14%です。過去レポート平均は46%なのでそれに比べると低いのですが、例の13484枚を運営と捉えると、34%となり。それほど特異な数字ではなくなります。

またクジラ率に関しては、2%と過去レポート平均11%と比べるとかなり低い結果となりました。こちらも運営そうな第1位と第2位のアドレスを抜いたのですが、実は自分がこの指標を出し始めて以来最も低い率となりました!

しかもフロアがフロアなので、今後国内でクジラが誕生するとも考えづらい訳で、このプロジェクトはこのまま低いクジラ率で発展していく可能性が高そうです。そしてそれは当然売り圧の観点からは望ましい話ではあります。

尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。

ウォレット作成時期

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ウォレットの生成時期は平均だけみてしまうと212日なので比較的若いと感じますが、分布を見てみると古い層から新しい層までかなり均等に分かれている事が分かります。それぐらい色々な層を引き付けたという事でしょうか。

新規参入

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次に新規参入状況です。1770人に上りました。割合にして59%なので、半分以上がこのプロジェクトをきっかけに入ってきた人々という事になります。これは国内の裾野拡大に大きく貢献したと言えるでしょう。

定義はこちらをご確認下さい。

ガチホ状況

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ミントからのガチホ組は2813人!率にして驚異の87%です。ミント間もない事もありますが、海外ではフロアが高ければ二次流通で回転していきます。これはまだ更にフロア高騰を期待した様子見なのか、カルチャーなのか?フロアの推移と合わせてこの比率がどう変化していくのかは見ものですね。

ここでのガチホの定義はこちらを参考にしてください。

NFT平均購入価格

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全体的に国内プロジェクトとしては平凡な数字です。しかし平均はかなり低く、これは新参の方が多い実態がモロに反映された結果でしょう。尚、このプロジェクトのミント価格は0.001ETHです。

Top10プロジェクト

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OpenSeaで認証マークがついているプロジェクトなどを全て手作業で抽出して並べています。

このランキングはそのプロジェクトを色濃く表す指標ですが、LLACは完全にCNP経済圏のプロジェクトと言えますね。新規参入の方が59%と非常に多いというのも、保有NFTにバラツキが出ていない大きな理由になっているかと思います。

メジャープロジェクト保有者比率

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国内外に拘わらず、この数値は小さいのが当たり前です。LLACも1%と非常に低く海外の有名NFTホルダーとは無縁のプロジェクトでした。

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次に6つのプロジェクトを個別に見ていきます。個別に見てもやはり全体的に少なく、これはこれでLLACホルダーの特徴ですね。

メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。

国内外比率

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国内ホルダー比率は85%と出ました。実態としては限りなく100%に近い気がしますので、ロジックがうまくこのプロジェクトに当てはまらなかった可能性があります。

算出方法が不明な方はこちらをどうぞ。

プロジェクト比較

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毎回、国内プロジェクトは初回無料レポートのGalverseと各種指標でいつも比較してます。いつも書いてますが、あくまで目安で見ておいて下さい。

比較として過去の他のプロジェクトの数値が気になる方はこちらから是非どうぞ。

まとめ

LLACを深く追っている人には周知の事実なのかも知れませんが、ウォレット解析から運営と思われるアカウント2つが合計13484枚と全体の60%相当を未だ保有している事が分かりました。逆を言えば40%のみの売出しだったということです。クジラ率は非常に低いのでそれなりにALないしWLがうまく分散された可能性があります。その辺りはウォレットの作成時期からも現れています。

またホルダーの多くはこのLLACが初めてのNFTである可能性が高いのですが、ミント価格が0.001ETHと誰でも手が届く価格なので予算的にも3枚ミントした人が多かったでしょう。

そうするとフロア観点で今後気になるのは、3枚保持者の動向です。今までも複数枚ミントで1枚手元に残してそれ以外を利確するという戦略は王道でした。その点、LLACのホルダーはどう動いていくでしょうか。

また運営の戦略として、数を絞ってミントを実行した上でフロアを高止まりさせ、運営保有分を有効活用していくという戦略が垣間見えますが、今後の戦略としてどう活用されていくのかが手腕が問われる所ですね。フロアをここまで成功させているのでアライアンスや今後のエコシステムの運営において大きな武器になることは間違いありません。

いずれにせよフロア観点ではMurakami. Flowersを除けば、ミントは国内で過去一の成功を収めたんじゃないかと思っています。少し前までは海外の層を取り込まなければフロアが1ETHを越えることは難しいと言われました。それを国内だけでやすやすと達成したLLACには脱帽です。

おまけ、雑感

本日はAggregatorって実際にどれぐらい使われている?という話をDune Analyticsからいくつか引っ張ってきて簡単に振り返りたいと思います。

まずは少し見づらいですが、マーケットプレイス直接とAgggregator経由の比率が感覚的に分かるグラフです。グレーの部分がマーケットプレイス直接なのですが、見ての通りまだまだAggregatorを使う層は少なく、その割合は週によって変動しますが、全体の5%~15%ぐらいの間で推移しているようです。

次にその小さなAggregator市場のシェアの遷移です。今年の頭ぐらいまではGenieしかいなかった事が分かります。そこにGemが入ってきて一気にシェアを取りました。それを今度はBlurが現在かっさらっている状況です。栄枯盛衰が激しいですね。

尚、GemはOSによって獲得されており、GenieはUniswapに獲得されています。即ちOSとBlurとUniswapの戦いとも言える訳ですが、Blurトークンの配布後にどうシェア争いが変わっていくのかも見ものです。

最後に年の為Aggregator市場の取引ボリュームとシェアの推移が分かるものも添えておきます。NFT取引に慣れてくるとAggregatorの方が便利と感じる人が多いはず。また特にフリッパーの人には愛用されるツールなので、その辺りが過去の取引ボリュームのトレンドにも現れていますね。

さて、本年はこのレポートを最後にしようと思います。9月末頃から試験的に初めて11月・12月と徐々に本格運用を開始させて頂きました。購読して頂いた皆様には熱く御礼申し上げます。

フォーマットや指標はまだまだ柔軟に変更していこうと思っています。取り上げたいのに取り上げられてないプロジェクトも多々あります。率直なフィードバックも大歓迎です。今後もアップデートを重ねながら改善していければと思っておりますので、2023年も引き続き宜しくお願い致します。それでは良いお年を!

勝手にリンク

毎週の振り返りはharuxxさんとmiinさんの週間NFTニュースで!
miinさんによる「97-99%のNFTがゼロになる、冬がくる」の件のGaryブログ要約

最後に少し宣伝

実はこのようなウォレット解析はミント前に集めたWLでも出来ますし、ミント後のKPI確認としても個別に提供できます。興味ある方がいましたら当方のTwitterアカウント@diego_0xまで是非ご連絡下さい。


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