見出し画像

【Shadowverse】巷で話題のスイミーエルフを作ってみた!

ごきげんよう。
SVの生き字引」でお馴染み、超天才である。今月よりリニューアルされた特殊ルール大会「突発杯」の特攻隊長を兼任している。

65thアンリミエルフ勝利数ランキング、第2位を獲得したのがことの始まり。舌の根の乾かぬ内に次期、66thで同ランキング1位の座に納まった。
名実ともにアンリミ・エルファー最高位となる「森の打点王」の称号をほしいままとしている。

65th 715勝 第2位
66th 786勝 第1位 

2ヶ月間での1500人斬りはたったひとつの得物で成し遂げている。我が愛刀こそが……

そう、表題の「スイミーエルフ」である!
元祖スイミーエルフ及びスイミーエルフ・マリアージュver.を既に世へ送り出してから、多くの反響、お使いいただいた方々からの感想が届いた。感謝申し上げる!

だがここでひとつ、懺悔せねばならぬ。

我が至高の構築力をもってしてようやっと完成にまでこぎ着けたスイミーだ。これを皆さんに「さあ、煮るなり焼くなり」とばかりに押し付けたとて、一体どう改良したものか?皆目見当もつかぬという声があるだろう。無理難題を託してしまったこと、慚愧の念に堪えぬ。申し訳ない。

そこで!プレイングに主眼を置いた前2記事とは趣向を変え、今回はスイミーエルフの総決算、構築改良のすすめである。

皆さんが自分だけのスイミーを見つけられるよう、誰よりもアンリミエルフと向き合い続けたこの私が!デッキメイク術を大解剖していこうじゃないか。
最新デッキも控えている。きっと驚くぜ。

実を言うと巷では「東に構築力の超天才あり」とも謳われた私である。むしろ本稿の内容こそが我が領分だ。スイミーのみならず、あらゆるデッキメイクに活かせるノウハウ満載だと請け合っておこう。

スイミー三部作の結びにふさわしい、叡知の結実をここに成す気構えである。

刮目しろ!終焉は一瞬だ!


スイミーエルフ 見本3型

まずは既に穴の空くほどご覧になったであろう2つの我が作品と、直近で私が好んでいる最新型、全3デッキに一堂に会してもらうとしよう。

①元祖スイミーエルフ
②スイミーエルフ・マリアージュver.(若干の改良版)
③ジャイアントキリング・スイミー(新作)

一長一短、三者鼎立。どれも甲乙つけがたいな。
簡単に特徴付けしておくと、①は速攻特化型、②はセッカ特化型、③は対骸の王特化型と位置付けている。
私は環境の変化に応じてこれらを使い分けていた。ゆえに一概に順位をつけることは敢えてしないよ。まずは好みと想定する敵を元にひとつ手にとってくれたまえ。

そしてゆくゆくは、自分好みのオリジナル構築作成にチャレンジしていただきたいと切に願っている。大勢がスイミー改良に取り組むことで、集合知の力が発揮されデッキは更なる輝きを放つはずだから。
そのための方法論を述べてゆく所存。お付き合いくだされ。

早速だがこれら3デッキを俯瞰したとき、何か気づくことはないかな?そう。3デッキは特色がありながらも、通底したいくつかの規則性に基づいて構築が組まれている。その規則、すなわちスイミーエルフの基本骨子をまずはお伝えしていこう。


四大原則

デッキ構築の前提条件である。
以下4項目は厳守と私は心得ている。実際に3つのデッキも全てこの原則に準拠しているので、確認してみてくれたまえ。

1.1コストフォロワー14枚以上

これはスイミーエルフの定義にも関わるデッキの要だ。だがもちろん機能上最も大切なことでもある。
プレイ枚数を参照するカードが多いこと・妖花の捕食者のバウンス先・1ターン目の動き確保・セッカX稼ぎ。枚挙にいとまがない役割の重さである。14枚という基準は単純にデッキの1/3以上という解釈だ。強力なカードが今後増えれば、20枚までなら採用することも視野に入るだろう。
デッキパワーが弱くなる、手札が枯渇することを懸念する方は多い。もちろんそれを防ぐべく、特殊召喚やバウンスがある。メイやウェルダーはデッキから早々に抜き取れることを加味すれば、実質デッキ内の1コストフォロワーは10枚程度として運用できる。
それにサボテンカウボーイやブラストフェアリー、セッカ(おまけにシャム)など、手札や盤面に新たなカードを生成できるフォロワーを集めている。
低コストカードばかりでも回せるのはそういう工夫があってのことだ。なお奇跡の実りはスペルだがフォロワーを場に出せさえすれば遜色なく扱えるため、14枚の中に計上してよいものとする。

2.1コストアクセラカード12枚以上

ウェルダーを3回直接召喚し切るための最低ラインが12枚だと考えている。
3度の直接召喚には計6度アクセラをプレイする必要がある。マリガンを抜きにして、デッキを半分まで掘り進めてアクセラを6枚引くためには、期待値からして12枚アクセラが必要というわけだ。
スイミーにおいてデッキが半数以下になることはほとんどないためこの計算とした。もちろんアイヴィーキングはデッキに戻るので何度も使い回せるし、ウェルダーをドローした場合6度アクセラをプレイする必要はなくなる。ゆえにまったく厳密な計算とは言いがたいが、ウェルダーは毎試合3枚すべて、それもできるだけ早く使い切りたいカードなのでもっとも厳しい基準としてこれを設けた。

3.2コスト以上のカードは少ないほどよい

具体的な基準は無く、真に採用する価値のあるカードだけを必要最低限の枚数に絞るべきという考えだ。なおアクセラカードはこの限りではなく、2および3コストのカードが主に該当する。
非1コストカードの欠点は、4ターン目4プレイによるメイ直接召喚がしにくくなること。セッカXの溜まりが悪くなること。1ターン目に動けないリスクを高めること。総じて戦略の進捗を遅らせること、と言える。
にも関わらず採用しているカードたちは、

  • 捕食者:圧倒的パワーで攻め立てる闘犬にして、非力な仲間を安全地帯まで誘導する牧羊犬

  • アルバータ:早期に仕込めば打点およびセッカXを支えてくれる、家計管理完璧の良妻賢母

  • アマツ:言わずと知れた4Rのご老体

  • デッドリーエルフ:コスト消費せずして発動できる融合効果。密かにアマツとの相性がよいと噂されるもう一人の小麦肌お嬢さん

以上、いずれも先述の欠点を何らかの形で補うことができる、唯一無二のパワーを持ったカードばかりだ。逆に言えばそれほどの明確な理由がなければ採用は無い。
ただし、コストを多く使えるカードは手札枯渇を防いでくれるという面もあるので、10枚程度であれば許容できるだろう。1コストプレイだけをし続けたらさすがに息切れを起こしやすいからね。

4.ドロー総枚数10枚以上

ドロー効果カード、ではなくあくまでドロー枚数なので注意されたし。デッドリーは1枚で3に換算できるということ。
ここは議論が分かれるだろうね。およそtier1と呼ばれるデッキを見れば、軒並み破格の回転率でもってデッキを掘り進め、強い動きの再現性を高めている。10枚ぽっちじゃ安定に欠けるので話にならんという意見もごもっとも。
このデッキは確かにドローが少ない。エルフには土台強力かつ低コストなドローカードが無いので泣く泣く甘んじている現状だ。
だがこの弱点は構築である程度補える。まず直接召喚だ。最も多いリーサルターン、6を例にとろう。先攻で6ターン目までにドローできる枚数は最初の3枚を含めて計9枚。ここに直接召喚、およそ4回はできるかな。これを加えてデッキは毎度、13枚分くらいは掘り進められる。あとは数枚のドロー効果カードさえあれば、どの構築を使っても試合終了までに15~20枚はデッキを減らせている。
また、このデッキは全試合を通した必須カードがほぼ無い。スイミーよろしく、ワンマンプレーではなく集団の力で勝つデッキなのだ。アグロプランは全対面に通用する速攻能力を秘めているので、セッカリーサル必須という対面は存在しない。そのアグロプランも、捕食者かアルバータどちらかさえあれば成立し得る。バウンスで1枚が何枚分もの働きをするしね。
ドローの貧弱さに参る試合も確かにあるが、扱いづらいドローカードを無理に入れ込むよりも、パワーのあるカードで攻め手を緩めない方が勝率は高まると考えている。強力なドローカードが現れるまでは、ドローを増やさずとも勝てる構築を目指そう。

以上4原則である。これらを念頭に置いて、次章の個別カードを比較検討してほしい。


レギュラーメンバー

メイ・アルバータ・アイヴィー2。その他3。計27枚

レギュラーメンバーは以上27名。デッキリストをこうやって活用するの、1度やってみたいと思っていたんだ。ふふん。

2枚確定のカードはいずれも構築によっては増減し得るが、3枚確定カードを減らすことはまずあり得ない。
この時点で既に1コストフォロワー11枚、アクセラカード11枚に達している。よって残り13枚はかなり自由度が高い。
レギュラー選出の時点で意識しているのは2点。

まずは疾走フォロワーが十分か?ということ。アグロデッキを名乗る身の上、まず勝たねばならぬのは超越ウィッチだ。あれに速度で負けるようなことはあってはならぬ。ゆえにウェルダー・シャム・捕食者は必ず3枚。そして使い回すためのバウンスも多いほどよい。
アルバータは3ターン目に仕込むと鬼嫁のように強いが、仕込む暇のない相手がいることと、2枚目以降が使いづらいことを加味して2~3枚で変動する。
この11枚があれば疾走はこと足りるから、自由枠には無理に疾走カードを入れる必要はないだろう。

次にセッカ3枚であること。進化ターン前が弱いので2枚としている構築も時たま見かける。が、私に言わせればそりゃないぜ。
まずセッカの進化時ダメージはこのデッキの生命線だ。ジェネシスAF、骸の王、安息による攻撃不能フォロワー、そしてあらゆる守護。中盤セッカがいるか否かで戦局が一変する場面はあまりに多い。
そしてセッカプランにおいて彼女は多いに越したことはない。このデッキでセッカプランが必要となるのは、最後の1押しが欲しい時というよりは、OTKに近い大打点を出したい時が多い。そうなると九尾の決意を事前に用意せねばならぬ。早い段階でセッカを引いておきたい。
さらにセッカには中盤進化を使うことが多いが、ここで3枚採用ならば1体くらいやられることも許容できる。例えばディフェンスAFは、進化したフォロワーで攻撃しないと倒す手段が非常に少ない。セッカで相討ちとする選択肢をとれるのは、後続のセッカが控えているからこそだ。
以上の点よりセッカは3枚固定と結論づけている。

かくして27枚のレギュラーは自ずと決まった。まるでスイミーの元に集いし魚群のようにね。


二軍

ここからが皆さんの腕の見せ所だ。残り13枚の枠をどう埋めるか?ポイントは環境との相性だろう。
そこで今回は、2022年1月31日、OOSアディショナルカード実装直前までの環境を席巻し、恐らくはアディショナル後も権勢は続くと思われる5つのtier1デッキ、AFネメシス・自傷ヴァンパイア・超越ウィッチ・骸ネクロ、そしてベレロフォンビショップ(こやつだけはスイミーを差し置いてtier1などと、私は認めていないからな!)。
これらのうちどれに有効か?またどれを不得手とするか?という観点で採用候補カード全16種を挙げる。

 逐一画像を用意するのは億劫なのでまとめちゃった。ご容赦願う。

いずれも1度はスイミーエルフの敷居を跨いだ実績あるカード達だ。全て採用価値はあるが、評価はピンキリである。

1.神秘の指輪(通称ウエディング・リング)


有利:無し/不利:超越・自傷

いきなり登場、唯一のニュートラルカード。
序盤にかさばると腐るので2枚採用が程よいかな。ドローカードだ。1~3ターン目にシビアな動きを求められる超越と自傷相手には役に立つ場面が少ない。どの対面にも必須ではないが、今後新カードによりデッキパワーが上がるほど採用価値は高まるだろう。どこまでいってもメイをドローする悪夢とは切り離せないデッキだからだ。

2.豪風のリノセウス


有利:ベレロフォン/不利:超越

あって困ることは少なく、これだけで勝ち筋をひとつ作れる。バウンスカードを増やしてデッキを少し寄せる必要はあるか。単純に疾走カードが増えるためベレロフォンの安息を手数で打ち破れる可能性がちょっぴり上がる。だが特化構築でないゆえのペースダウンが、特に超越相手で気になる。入れるなら3枚だが、リノセウスプランに舵を切るか?あくまでアグロか?の分岐は結局のところドロー次第で正解が変わる。テクニックで勝ちたいと指向している方は好まないだろう。

3.幻想の妖精竜

有利:AF・骸の王/不利:超越・ベレロフォン

シャムや奇跡の実りと共に進化軸特化構築をつくる。アマツとも合わせ、大量のフェアリー破壊によりパワーアップを狙う。大型守護を立てつつ、堕落の決意などを強く使ってセッカに繋ぐ型がよいと思われる。妖精竜自体はかなり有力だが、いかんせんOTKを仕掛けてくる相手に全く勝てないので今はだめだな。

4.サボテンカウボーイ


有利:AF・超越・自傷/不利:無し

まんまと来たなっ!私イチオシのカード。ディフェンスAF・ダークナイトなど、時に疾走フォロワーを当てないといけない敵に対しこいつが身代わりになってくれる。また駿馬が実質1点分のダメージになる。アマツを強化する。アルバータが相討ちになるのを防ぐ。工夫次第で実に色々な活躍が見込める。ギガントパスチャーも駿馬は出せるが、活躍の場はそれぞれ違う。私はこちらに軍配が上がると思うね。セッカXに貢献できる上、単純に1コスト2点相当の働きをするからだ。
とにかく邪魔になることが絶対にないので、困ったら1枚でも入れてみなされ。

5.ブラストフェアリー


有利:自傷・ベレロフォン・骸/不利:超越

フラウロス・ダークナイト処理班にて文句無しのエース。フェアリー産出カードが多ければ骸の王にも有効だ。だが速度を求められる相手にはほとんど無力、むしろ攻撃力0のフォロワーを残すのは盤面が狭まる。他に優秀な除去カードが登場すれば喜んで抜き去りたいが、現状は必須に近いカードだ。

6.自然の導き


有利:無し/不利:無し

森林の狼の代用品。可もなく不可もない。ドローカードに迷ったらこれで間違いはないだろう。バウンスカードを入れすぎると身動きとれなくなることがあるので、枚数調整は重要だ。

7.対空射撃


有利:自傷・骸/不利:無し

相手フォロワー不在で使えないことは少ないので、これも迷ったら入れていいカードだ。ランダムでないダメージは貴重で、フラウロスを倒さず回復させないというプレイや、骸の王より先に能力が厄介なスピリットイーターを倒すといった小回りが効く。

8.奇跡の実り


有利:AF・骸/不利:無し

回復にドローと、足りないものを1手に補えるカード。だが最も有用なのは、シオンで強化されたディフェンスAFをこれ1枚で簡単に倒せることだ。あの盤面を完璧に返すにはこれが必須と言えるほど。ゆえにたとえX10効果が起動しておらずとも有用だと評価を改めている。

9.リノセウス


有利:超越/不利:ベレロフォン

セッカ抜きで1ターンに15点ほどまで叩き出す可能性を生む、デッキの攻撃力を青天井にしてくれるカード。1枚ならば2コストだが十分採用できる。安息を置かれると強みが消えるので向かい風になりつつあるかな。
1枚で勝利に導くパワーがある。だが0コスト生成カードがほとんどないこのデッキとは本来相性はさほどよくない。私としては雑に投入することはおすすめできないな。

10.デッドリーエルフ


有利:AF・骸/不利:無し

かなりデッキを寄せることを要求するが、それに見合う極端なパワーを産み出せる魔性の女。③の新作「ジャイアントキリング・スイミー」解説もここで兼ねておこう。
骸の王が好き勝手暴れることに耐えかねて手を出した、骸キラーのデッキだ。フェアリー産出カードを極限までしぼり込みブラストフェアリーをバウンスし続けることで、フェアリー軸をスイミーに取り込むことに成功した。
ドローをデッドリーに依存する。また融合による手札管理がさらに難解なプレイングを要求するので、とんでもなくピーキーな使用感である。
しかし骸の王やシオン強化ジェネシスに張り合える6枚融合除去能力は、喉から手が出るほど欲しかった力だ。また毎度できることではないが、10枚融合によるフェアリー押し付けもAFや超越を機能停止に追い込める奥の手である。
それと地味だが、実はエルフで必殺を持つカードは非常に貴重だ。3ターン目のフラウロス・ダークナイトや骸の王起動にはさすがに融合が間に合わないが、それに備えて事前にプレイしてしまってもかなり圧をかけられる。
何より3枚ドローがあらゆる対面で重宝する。デッドリー自体は攻撃には絡まないが、単体で強力な捕食者やシャムを複数枚引き込めれば攻め手には事欠かない。除去や回復効果が必要ない対面(ベレロフォンなど)ならば、デッドリープレイ→バウンスにより融合枚数をリセットし、もう一度ドロー効果を発動させることもできる。
セッカXの貯めにくさが玉に瑕。フェアリー産出カードのプレイにコストを使うためだ。これを補うためにアマツとセットでの採用が基本である。
現状の構築では勝率自体は元祖スイミーにやや劣るが、あらゆる対面に五分以上の立ち回りができるのでBO1形式で特に有用じゃないかな。

11.花束の妖精


有利:AF・骸/不利:超越

デッドリーの必殺に続き、エルフではほとんど無二の消滅効果を持つ。確定除去として骸に、破壊種類数の抑制としてAFに、それぞれ一泡ふかせることができる。
エンハンスでのプレイはまずしない。むしろ邪魔になっているか。
攻撃性能は無いので超越相手にほぼ腐る。また進化を使いたいカードは他にアマツがいて競合する。どちらも進化前提の能力なので両採用はできないな。私は特段勝利に貢献するカードとは思わなかった。
私見だが相手を小馬鹿にする態度があまり好かん。ルームマッチでは友人との不和を招く恐れがあるので使わないでおこうね。

12.リバースブレイダー・アマツ


有利:AF・ベレロフォン/不利:超越

もはや説明不要だろう。マリアージュver.の主役としてこれでもかと紙幅を割いて解説させていただいた。
付け加えるならば、まず対超越での使いづらさが目立ちつつある。最近は虹の輝きが豊富に採用されているので、早期に7/7の大型アマツを作ってもほぼ戻されてしまう。アグロが間に合わない時の最後の砦として守護を立てる、という戦略もまず決まらないな。
だが新たな魅力も発見した。デッドリーとのコンビである。アマツは進化時フェアリーを大量に産出するので、バウンスでこれをデッドリーの融合素材にできるわけだ。第一のアマツが産出し、次ターンで第二のアマツが戻せば大量確保も可能である。フェアリー産出専用のカードを入れすぎるとデッキパワーが下がるので、無理なく組ませられるアマツはかなりデッドリーと相性が良い。

アルバータとの関係が取り沙汰された矢先に新たな話が持ち上がるとは、血気盛んなご老体である。小麦肌の女性がタイプなのかしら。
魔性の女・デッドリーにフェアリーをせっせと貢ぐ様は、健気でもあり少し哀れでもある……。

13.深謀の獣人


有利:無し/不利:無し

癖が全くないアクセラ能力を持つので、あと数枚アクセラが欲しいならとりあえずこれを。
ただ本体コストの低さがちょくちょく歯がゆい。ドローはターンのはじめに見ておきたいものを、4ターン目以降になると途端に使いづらくなる。7ターン目あたり、手札は残りわずか1枚、セッカさえ引き込めれば…という状況でこいつを引いた時のいまいましさといったら無いぜ。試合が進むほど弱くなるので、アイヴィーと共に手札にあるなら必ずこいつからアクセラで使おう。マリガンではあまり戻さない方がいいと思うね。

14.追い風の妖精


有利:無し/不利:超越

エルフのカードプールでは恐らくトップのドロー力。実質1コストで大量ドローできる。
1、2枚の採用ならばあり。5ターン目以降しか使えないのと、元よりある程度手札が潤沢でないと機能しないのが欠点だ。ゆえにこれ1枚でドローを賄おうという構築はおすすめしない。ただしひとたびハマればデッドリー同様、強力なカードを惜しみ無く使える爽快感がたまらない。
1つ言いたいのだが、機構の解放との性能差は一体どういう了見なのだか。あまりにもむごいではないか。

15.ゼノ・サジタリウス


有利:無し/不利:無し

結晶で使うドローカード。バウンスはセッカXを貯めるためにフォロワーにも打ちたいが、これを採用したなら積極的に戻していこう。ただの次ターン1ドローとして使うくらいなら指輪や獣人のほうがはるかに有用だ。プレイ枚数を稼ぎつつバウンス先としても使える、そこが強みである。1ドローできる1コストフォロワーだと考えれば、かなり便利だ。捕食者では戻せないので注意。
本体使用はその場しのぎにはなっても勝ちに繋がらないのでちっとも強くはない。

16.ギガンティックブロッサム


有利:自傷・骸/不利:超越

ブラストフェアリーとセットの採用で馬鹿力を発揮する。事前に使っておけばフラウロス・ダークナイトがブラスト→バウンス→ブラストで完璧になぎ払えるぞ。相手は涙目だね。これは骸の王にも有効な戦法だ。
アクセラしつつフェアリーを加えられるので、これもデッドリーと相性抜群。デッキの処理能力を底上げしてくれるカードという印象だ。

注:OOSアディショナル

エルフには3種、ニュートラルに4種が追加された。無論検討はしているが…スイミーは採用基準がかなりシビアだ。おそらくエズディアたちは門前払いだろうな……。老人ホームはアマツだけで手一杯ってわけだ。


おまけ!超天才式デッキ調整のイロハ

さて、ズラリと並んだカードたちの中から、お気に入りは見つかっただろうか?実際にオリジナルデッキを作り、試してみるのは楽しいものだ。

だが、およそ感性で作ったデッキというものは何かしら致命的な欠陥を抱えているのが常である。
一流プレイヤー諸君なら迷わず試行錯誤を始められるだろうが、デッキメイクを不得手とされる方もおられよう。どこから手をつけてよいものやら…とお悩みなそこの貴殿に向けて、私が実践しているデッキ調整方法を最後にご紹介しておこう。

敗因の解明

どの相手のどんな動きに弱いかを知ることだ。アンリミは特に相手のデッキ種類が限られ、構築もほぼ割れている。ゆえに定石の強い動きが決まっているので、最低限それを打ち破る術は持っておかねばならぬ。
代表例は自傷ヴァンパイアの3ターン目フラウロス・ダークナイト。これをやられたら負けるデッキを使っていては、勝率は頭打ちだ。再現性が高いので、こちらも対抗策が複数あり安定して対処できる構築が求められる。スイミーならまずはブラスト。次点で悪神、奥の手としてメイ。ここまで構えている。
遭遇率の低い敗因なら割りきってもよいので、いくつか想定する敵を絞って取り組むとよろしかろう。

カード差し替え前後の比較

新たに加えてみたカードの良し悪しを確かめたいときの思考法。
加えた新カードが勝利に貢献したとき、試合を振り返る。もし新カードが差し替え前の抜いたカードだった場合、その試合は勝てていたか?
逆もしかり。新カードを使っていながら負けたとき、もし抜いたカードがあったなら戦局は変わっていたか?
もちろん1度や2度じゃ偶然ということもあるから、何度も繰り返す必要がある。すると、カードを差し替えた前後でデッキがどう変わったかが見えてくる。新カードの強みと弱みが浮き彫りになる。その手応えがなにより客観的なデッキ評価を可能にするのだ。
付言すると、このためにカードの差し替えは1度に1種類ずつをおすすめする。一気に何枚も変えると、個々のカードの影響を把握できなくなるからだ。

俯瞰する

先述したスイミー4原則のように、あらゆるデッキには「ここは譲れない」という軸がある。それに抵触していないか?つまり全体で見たときバランスを著しく壊していないか?という視点は必須だ。
典型はドローカード。デッキによって最低限どれだけ必要かは変わる。大きく減らしていたら大抵の場合回らなくなるぞ。あとは得点源や、何らかのカウントを進めるためのパーツなど。具体的な基準をもうけ、○枚以上入っていないとダメ。という掟を課すのが分かりやすい。

仕上げの微調整

こうして役者は揃えた。あとはそれぞれの枚数調整である。私個人の感覚を伝える。

  • 3枚採用は、全試合で1度はプレイしたい必須カード(例:ローテエルフにおけるアリア)。もしくは2枚でも3枚でも使いたいパワーカード(例:アンリミAFにおける機構の解放)。

  • 2枚採用は、1試合に1枚使う機会はあるだろうが2枚目以降は腐りがちなカード(例:アンリミ自傷における闇喰らいの蝙蝠)。

  • 1枚採用は、特定の対面にのみ効果を発揮するいわゆるメタカード(例:アンリミ全般におけるワールドブレイク)。あるいはデッキとの親和性を無視して、1枚だけで戦局を変えられる逆転のカード(例:リノセウス。ネクロインパルス。ガンダゴウザ。昏き底より出でる者)。あるいは必ず試合に介入できることが保証されているカード(例:天界の門)。

あとはデッキが試合終了までに何枚ドローできるかによる。それを把握すればおおよそ○枚採用のカードを引く確率はいかほどか?の目星をつけられるからだ。


超天才秘伝の構築論はどうだったろうか?目新しいアイデアを得られたなら幸いだ。人それぞれ方法論は持っておられると拝察するので、あくまで参考程度に捉えていただくだけでも結構だ。着眼点は多いほどいいだろうからね。デッキメイクに正解は無い。共に切磋琢磨してゆこうじゃないか。


終章 武勇伝はここから始まる

我が2ヶ月における闘争の歴史、培った叡知を、ギュッと凝縮して皆さんにお届けした。これでもうスイミーエルフの改良はお手のものだろう。

一筋縄ではいかないランクマッチと地道な宣伝の日々は、スイミーの楽しさゆえにここまで続けられたと言える。

そして既に1つ、芽は結ばれた。
公式に発表された「OOS アンリミテッド杯 優勝」エルフデッキの一覧を見てほしい。「アグロエルフ」などと当たり障りなく名付けられているものだ。

そう、元祖スイミーエルフを1枚差し替えたデッキが、グランプリ優勝を達成したのである!!!
どうだ!私の予言が的中したぞ!

残念ながら「スイミーエルフ」とラベリングされる夢は叶わなかったが、デッキの実力は十分すぎるほどに証明されたのだ。何者かは分からぬが、きっとスイミーを知った上で持ち込んでくれたことと私は直感している。ありがとう。

グランプリに挑んでくださったという報告もたくさん受けている。幾多の思いと力がスイミーの名の元に揃った。その集大成がこの度の栄光を引き寄せたのではなかろうか?
皆でつかみとった勝利だ。まさしくこれは『スイミー』のストーリーそのもの。

着々と力をつけ、ドラマを産み出してゆく。この快進撃を見て、私はこう言った。

アンリミエルフの夜明けぜよ!

私は思う。いくら持ち前の類いまれなる構築力をもってしても、いまだスイミーの真理には至らぬ。もっと強くなれる。その可能性を皆に共有すべく本稿をつづった。
この度のグランプリで思い知ったのである。偉業は1人の天才の力で為されるものではない。無数の小さな発見を連綿と受け継ぎ育てた果てに、気づいたら頂に達していた…そういうものだとね。

諸君、乗り遅れるな。スイミーの明日を背負う担い手は誰であろうと大歓迎だ。未来の最強デッキを開拓し、名を刻むのは君かもしれない…!

Twitter:


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?