ハイドン：交響曲 第88番ト長調「Ｖ字」
06:47 II. Largo
13:03 III. Minuet: Allegretto
17:24 IV. Finale: Allegro con spirito
1951年12月4日と5日にベルリン・ダーレムのイエス・キリスト教会で録音されました。指揮はヴィルヘルム・フルトヴェングラーで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏しています。
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1787年に作曲した交響曲第88番ト長調は、「V字」または「Letter V」という愛称で知られていますが、この愛称は一部の情報源によると誤解に基づいている可能性があります。実際には、「V字」という名前がつけられた確かな根拠は文献にはほとんど見られません。しかし、ハイドンの交響曲の中でも特に重要で人気のある作品の一つです。
この交響曲は、ハイドンがエステルハージ家のために創作した後期の作品であり、彼の創作の成熟期を象徴する作品とされています。全四楽章から成り立っており、その構成は以下の通りです：
1. **Adagio - Allegro** - 荘厳な導入部から始まり、その後、活発で明るいアレグロ部分へと移行します。この楽章は、ハイドンの典型的な対位法の技術と明快なテーマ性が見られます。
2. **Largo** - 第二楽章は、非常に表現豊かで歌心に溢れる楽章です。弦楽器とオーボエの美しい旋律が特徴的で、深い感情表現がなされています。
3. **Menuetto: Allegretto** - 第三楽章のメヌエットは、より軽快で舞曲風の性格を持ち、中間部（トリオ）ではホルンが特徴的な役割を果たします。
4. **Finale: Allegro con spirito** - 最終楽章は速いテンポで、エネルギッシュで陽気な音楽が展開されます。この楽章では、ハイドンの創意工夫とユーモアが光ります。
この交響曲は、その明晰な構造、洗練された楽想、そして感情の豊かさで評価され、ハイドンの交響曲の中でも特に人気が高い作品の一つです。また、ハイドンの作曲技術の進化を示す重要な例証ともなっています。
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