ヴィエニャフスキ：ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ短調
07:48 II. Romance: Andante
12:08 III. Allegro con fuoco - Allegro moderato
ヴァイオリン：ヤッシャ・ハイフェッツ
アイズラー・ソロモン指揮
RCA ビクター交響楽団
1954年11月5日録音
ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調（Op.22）は、19世紀のポーランドのヴァイオリニスト兼作曲家、ヘンリク・ヴィエニャフスキ（Henryk Wieniawski）によって作曲されました。この協奏曲は、ヴィエニャフスキの成熟した技術と作曲の才能を示す作品であり、ヴァイオリンのレパートリーの中でも特に重要な位置を占めています。
### 作曲の背景
ヴィエニャフスキは1835年にポーランドのルブリンで生まれ、幼少期からその才能を発揮しました。彼はパリ音楽院で学び、19世紀中期のヨーロッパで活躍しました。彼のヴァイオリン協奏曲第2番は、1862年に作曲され、同年11月27日にサンクトペテルブルクで初演されました。この作品は、ヴィエニャフスキ自身の演奏のために書かれたもので、彼の卓越した技巧と表現力を最大限に活かしています。
### 構成
ヴァイオリン協奏曲第2番は、以下の3つの楽章から構成されています：
1. **第1楽章：アレグロ・モデラート**
- この楽章はソナタ形式で書かれており、ドラマティックで情熱的な主題が特徴です。オーケストラの導入に続いて、ヴァイオリンが力強い主題を提示し、その後、リリカルな第二主題が登場します。展開部ではこれらの主題が多様に展開され、再現部で再び主題が提示されます。
2. **第2楽章：ロマンス（アンダンテ・ノン・トロッポ）**
- ロマンティックな雰囲気のこの楽章は、ヴァイオリンの美しい旋律が際立っています。シンプルな伴奏の上に乗るメロディーは、ヴィエニャフスキの表現力を示すものです。この楽章は、しばしば独立して演奏されることもあります。
3. **第3楽章：アレグロ・コン・フオーコ（ア・ラ・ズィンガレーゼ）**
- フィナーレは「ツィゴイネル風」と呼ばれるジプシー風の活気ある楽章です。この楽章では、ヴァイオリンの技術的な技巧が試され、速いパッセージやリズミカルなフィギュレーションが続きます。ヴィエニャフスキ特有の情熱とエネルギーが溢れています。
### 楽曲の特徴と影響
ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番は、技術的な難易度の高さと音楽的な深みが特徴です。彼の他の作品同様、ポーランド民謡の影響が感じられる部分もあり、彼の故郷への愛情がうかがえます。
この協奏曲は、ヴィエニャフスキの後に続く多くのヴァイオリニストたちに影響を与えました。特に、ヴィエニャフスキの弟子であるユージン・イザイ（Eugène Ysaÿe）は、この作品をしばしば演奏し、その普及に貢献しました。
### 結論
ヘンリク・ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調は、ヴィエニャフスキの技術と音楽性を集大成した作品であり、ヴァイオリンレパートリーの中で非常に重要な位置を占めています。その豊かな表現力と技術的な挑戦が、演奏者と聴衆の双方に深い感動を与え続けています。
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