夏のまほろ

いやあ、暑い。

汗っかきのせんべえは、今年もこの時期がやってきたかと辟易しつつある。

小学生の頃は、体育でプールが始まって。
中高生の頃は、制服のシャツを長袖から半袖に。
大学生の頃は、部活の練習が1時間延びる。

「ああ、夏になったなあ」
と感じるできごとは、青春のページを捲る音と重なって訪れる。

社会人一年目の今年は、ユニット各位に暑気払いの日程調整メールを送ることで夏を実感する。

捲り終わった青春の背表紙を虚しく眺めているような気分だ。


青春が眩しく見えるのは、自分がいつだって主人公だからなのかもしれない。

今は人生で一番主人公とは遠い場所にいる日々。
主人公たちに憧れ、必死についていく日々。



そんな白球を追いかける、うだるような暑さの夏は、今までの青春とはちょっぴり違うかもしれない。

「昔に戻れたらどうする?もう少し頼っていればよかったな」

何千回も聞いた歌詞が、耳の中でこだまする。

焦ることはない。強がりを美学に変えて、周りに頼って甘え、努力も運も味方につけた先に、秋の陽だまりが夏の熱さを包み込んでくれるはずだ。

すべてが花開く思い出になるように、皆で夏の暑さを乗り越えようね。


by せんべえ🍘

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