2024/7/31, Wed.

 雲の多い日で陽の射す時間も相応にありつつ酷暑の快晴とはならず、むしろ灰雲白雲の細かい織りなしが広くはびこって曇りに傾く時間が多かったようだ。それでも洗濯物はわりあい乾いた。五時ごろから激しい雨。一過性。

 通話後、一〇時あたりで買い出しへ。(……)通りで風のやわらかさが心地よいことこの上ない。すれ違った男女のうちの女性は、活動してきたあとだからだろう、暑いね、と漏らしていたが、こちらには暑くなく、といってあきらかに涼しいというでもないが、とにかくやわらかい。触れられておのずから減速し、無為の足になる。(……)通りの横断歩道に出ると渡って裏路地に入りしばらく遠回り。とにかく微風の皮膚への質感。周りのものは大して目に入らん。アパート前のたぶんゴミ入れだと思うが真銀色の、RPGの宝箱的な形をしたその箱の銀の表面に光が反射する白さあかるさ、そのくらい。踏切りにつかまる。立ち尽くす。前方を見上げれば空は雲がちながらもやもやとした輪郭に切り取られた青っぽい地が合間に差し込まれている。すばらしい。右手を見やると低い木の葉叢に踏切りの赤色灯の色がかかっており、二つの目玉的な灯りが交代するたびにかかり方が変わって浅く深く繰り返す。同じ赤い光は水平になっている遮断棒の上ではその形に沿ってつつましく変形し血管のなかに差し込まれた部品よろしく硬そうな細長さで乗っていて、これも二つ目の往復に応じてピストン運動ですらないごく短距離の瞬間移動を長さを変えつつ繰り返す。
 その後渡ってちょっと行ってから折れて、病院裏の通りに出て戻ってきて買い物。病院やその他施設の裏側の道には自転車レーンも含む歩道の縁に真っ赤なサルスベリが並んでいて、少し前から花が茂っており、ものによっては野放図になりだしており、枝先に嵩を大きく膨らませて重そうに垂れ下げているやつなど、去年も何度も思ったのだがシャーベットっぽいアイスを大きくすくってそこに貼りつけたように見える。