JTBCが放棄したドラマ、0%視聴率は「一人だけ」の責任だろうか 2022.01.24. テ・ユナ記者


「一人だけ」のウェルメイド好評にもかかわらず、視聴率0%台の深夜編成に再放送もほとんどなくJTBC編成戦略失敗? そっぽを向かれた水準


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「一人だけ」JTBC編成の犠牲者? ウェルメイド(※)好評にも視聴率0%台
※ウェルメイド…出来や構成が良いという意味

JTBCの編成戦略は「甘呑苦吐(利己主義的態度)」、甘ければ飲み込み苦ければ吐き出すのだろうか。 視聴率が低迷しているドラマには手をこまねいて、売れっ子芸能番組だけを無限に再生するJTBCの現実だ。 放送時間帯や再放送の露出など戦略的な編成が何より重要な状況の中で徹底的に無視されている月火ドラマ「一人だけ」。 視聴率0%台という痛恨の現実が果たして作品だけの問題なのか疑問が残る。

「一人だけ」はホスピスで出会った余命わずかな3人の女性が、死ぬ前に悪い奴「一人だけ」を連れていくことを決め、人生の本当に大切な「一人」と向き合うヒューマンメロドラマ。 人生を締めくくるために訪れた女性専用のホスピス空間を背景に、若くして人生を終える洗身士のピョ·インスク(アン·ウンジン)、主婦のカン·セヨン(カン·イェウォン)、インフルエンサーのソン・ミド(スヨン)の物語を描く。 何よりも「一人だけ」は”余命わずか”という暗くて決まりきった素材を扱うが、来たる死に苦しむ代わりに残りの人生の楽しさと意味を捜し求めていく旅程を込め、「死」の前で「生」の真の意味を悟る新鮮な素材が目を引く。 3人の女性の「ウォーマンス」から人生の最後に出会ったピョ·インスク、ミン·ウチョン(キム・ギョンナム)のロマンスまで、お互いに頼り合いながら支えになる姿は暖かい感動を与える。

このように「ウェルメイド」作品という好評にもかかわらず、「一人だけ」の視聴率は0%台を記録し、大衆の関心から消えつつある。 しかし、これは放送前から予見されていたことだった。 これに先立ちJTBCが夜11時に編成したドラマ「アイドル」「わかっていても」は共に最低視聴率が0%台を記録した。これに対し「一人だけ」をドラマの主要ターゲット視聴者らが接近しにくい夜11時に編成したのは、戦略の失敗というより視聴率自体を期待していないように見える。 さらに再放送もほとんどないと言っていいほどだ。 JTBCは毎週月曜日午前2時から2回連続放送が唯一で、JTBC2も毎週水、木曜日午前9時にだけ再放送を編成した。 深夜と早朝の時間帯では新規視聴者の流入どころか、視聴者自体を確保するのが難しい状況だ。 これとは逆に「シング・アゲイン2」「知ってるお兄さん」などJTBC代表のバラエティーの再放送は一週間ずっと続いている。 もちろん、高視聴率番組を多く編成するのは当然だが、深夜の時間帯に放送されるドラマに対する最小限の配慮は為されるべきではないだろうか。

このような問題はJTBCドラマ不振の根本的な理由についての質問を投げかける。 昨年JTBCドラマはまさに「爆亡(※)」だった。「JTBCだけに編成されると失敗する」という言葉が出るほど興行作が全くない状況。 ここにバラエティ番組を午後9時に配置し、ドラマの大半を後方に押して視聴率の高い地上波芸能と競わせた。 JTBCの「企画能力」が疑われる理由だ。 そんなJTBCが最近22年ドラマのラインナップを発表した。 ソン·イェジンからソン·ジュンギ、イ・ヨウォンまで…今回もキャスティングは実に華やかだ。 しかし、今のような企画と編成のJTBCではいくら良いドラマでも「一人だけ」のような状況にならないという保障はない。 6回だけを残した「一人だけ」がJTBCに最後までそっぽを向かれる作品として残るのか、「一人だけ」の結末が気になる。 

テ・ユナ / テンアジア記者


※爆亡(폭망)…ポク(폭 / 爆)とマンハダ(망하다 / 滅びる、失敗する、潰れる)を合わせた造語で”回復不可能なほどに大きく失敗すること”を意味する。

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