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死を目前にして出会った3人の女性#アン・ウンジン#カン・イェウォン#パク・スヨン

3人の女性が一緒に笑い出したその瞬間を捉えた! #一人だけ
2022.01.04

“喜んで一緒に逃げられる”アン·ウンジン


Q. 「伝説の韓芸総(韓国芸術総合学校) 10学番」ですね。

A.  (キム)ゴウンや(パク)ソダムのように、先に活躍していた友人たちの中に私も少しだけ仲間入りできたようです(笑)。同じ分野で働く身近な人がいるというのはありがたいことですし、幼い頃一緒に過ごした友達なので率直に気持ちを打ち明けることもできます。仕事においては先輩たちなので、「もともとそうだよ、よくやってるよ、私もそうだった 」そんな話を聞くと慰められます。

Q. 初めて<一人だけ>出演のオファーを受けた時 "私に演じきれるだろうか"と思ったそうですが、その理由は?

A. 洗身士(アカスリ)として働き死へ向かっていくインスクが成長していく過程を私は透明にうまく表現できる人なのか…最初は何もかもが難しく感じられました。今でも悩んでいますし、きっと最後まで課題なのだと思います。

Q. ドラマの主な背景となるホスピスという空間はどうイメージしたのでしょうか?

A. <賢い医師生活>(以下<賢医>)の病院が病気を治すための場所だとすれば、ホスピスは死を待つ人々が集まった場所じゃないですか。にも関わらず、それぞれが苦しみや悲しみを抱いて多彩な日常を”生きていく”場所でもあります。 自分の死はもちろん、ともに生活していた誰かの死を受け入れる方法もそれぞれ違います。インスクは周りの状況を忠実に追いながら自ら少しずつ変化していきます。

Q. 死と死を受け入れる過程について考えざるを得ない作品のようですね。

A. イェウォンさんもスヨンもすぐに心を開いてくれました。そうして楽しく喋りながら撮影していても、死に対する考えをお互いに共有する時が一瞬あります。「私たちは一体どう生きるべきなのか?」に対する答えを出すことはできなくても、 問いを常に投げかけていました。そういった疑問を自然に思い浮かべることができたという点で、不思議な現場でもありました。

Q. コ·ドゥシム俳優もインスクの祖母役で登場しますね。

A. 先生との撮影の時、心が一番波打っていたと思います。 おばあちゃんとは仲違いしながらもすごく愛している仲なのに、死ぬことも打ち明けられず黙ってホスピスに入るんです。感情が激しくなる場面が多いはずなのに、“どうにかなるだろう”という気持ちで私が投げたものを本当に全部受け入れてくださったんです。とても暖かい空気を持っていらっしゃる方です。

Q. ホスピスで友情と愛を学ぶインスクのように、アン・ウンジンが感情の幅を広げた期間はいつでしょう?

A. 20代前半ではないでしょうか。 人間関係に一番苦労しましたが、幸せでたくさん学んだ時期でもありました。 その時気づいたことがあるとすれば、心が不自由なことほど辛いことはないということです(笑)。一人で悩むより、正直にぶつかって表現した方が良くも悪くもその次に移ることができたんです。もちろん今でも実践は難しいですが…

Q. <賢医>の「コムコム(クマクマ)カップル」がたくさん愛され、今回もキム·ギョンナム俳優とラブラインがあります。 劇中カップルにハマって応援した経験はありますか?

A. 私は本当に<賢医>のすべてのカップルを応援しました。 毎日、作家に「チェ・ソンファ(チョン・ミド)イ・イクジュン(チョ・ジョンソク)先生はどうなるんですか?」と尋ねたり、知らなかった二人のキスシーンを見てびっくりしたりして、ものすごくハマっていました(笑)

Q. どんな感情が人を一番脆くすると思いますか?

A. 照れ臭いですが”愛”じゃないかと。しなくてもいい仕事をするようになったり、変化させる大きな力であると同時に、人を弱い存在にすることもあるからです。

Q. 体と心の健康を大事にするという話をよくしていましたが、アン・ウンジンの考える健康な人とは?

A. いつも私が私の心を知っていること。 自分がどこでどんな風に体調が悪かったのかを知っていて解消できる方が健康ではないでしょうか。仕事も重要ですが、それよりも私自身のことを考える必要があるという事実の方が大事で、それを思い出すために敢えて自分から話してるんだと思います。でも口ではこう言ってても、いざ大変な時は本当に何も考えられません。ただ”早く家に帰ろう”、”疲れた〜”と言っています(笑)

Q. 誰かにとって大切な人になるために、自身はどんな人になりたいですか?

A. ソヌ・ジョンアの歌「逃げよう」の歌詞のような言葉を言ってあげられる人がいいですね。「一緒に逃げよう、私はあなたのそばにいるよ」という、そんな大きな慰めを私の友達や愛する人に心から伝え、また行動できる人になれればいいなと思います。 今日の私は感性的ですね。

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“隣にいてくれる”パク・スヨン


Q. 3年ぶりのドラマです。 本名「パク・スヨン」での登場ですね。 

A. 今年5月にソロアルバムを準備しながら “ジョイ(Joy)”という名前についてたくさん考えてみましたが、名前のように人々に喜びを与えたいという気持ちになりました。ジョイとしてのアイデンティティは音楽活動をする時に残して、俳優として新しいスタートを切っていこうと思います。 「パク・スヨン」という名前でインタビューを受けたり呼ばれたりすることに慣れる頃には、今よりもっと良い俳優になっていたい…という気持ちもあります。

Q. 素敵な覚悟ですね。 次回作が決まらなかった時も、たくさんシナリオを読みながら地道に演技の練習をしてきたそうですね。なぜもっと上手くなりたかったのですか?

A. 音楽と演技を区別したくはありません。 何でも研究してみようと思うんです。自分の歌に共感してもらえたとき嬉しかったように、画面の中の人物の人生を通じて、それを見た人々の感情を引き出すことを演技でやりたかったんです。 周りの人もよく観察します。

Q. 特に興味深い観察対象はありましたか?

A. 子供たちが驚くほど積極的に近づいてくる時があります。Red Velvetの活動のおかげで、とても身近に感じられたみたいですね。子どもの視点からの見え方や行動に驚かされたり不思議に思うことが多いです。 

Q. 「一人だけ」は死を目前にした主人公3人の物語です。 自然と死について多くのことを考えてしまうのでは?

A. 私が演じるソン・ミドは患者らしくないキャラクターです。「どうせ誰もが死ぬんだから、死ぬなんて大したじゃことない」という発想の転換をしたキャラクターだったので新鮮でした。 孤独で孤立した状況でも表面上は華やかさを保ちながら、私は大丈夫だと言い聞かせる姿が花のようでもありました。すべて散ってしまう時期を知りながら、それでも今の綺麗な私を見てほしいと叫ぶ花です。 

Q. ミドがインスタグラムのフォロワー10万人のインフルエンサーなら、ジョイの実際のフォロワー数は1300万人ですね。 影響力の重さを感じる時もあると思いますが。

A. 慎重になりますね。ミスから始まった関心さえ自分への愛だと思っている点で私とは違いますが、だからこそミドが勇敢に感じられたりもします。 死ぬ日が決まったなら、誰もがミドのようにしたいことを全てして、一度くらいは思うがままに生きたいと思うのではないでしょうか? ミドが気持ちを言葉でぽんぽん吐き出して表現するキャラクターでとても良かったです。 

Q. でもその影響力を良いことに使ったりもされてますよね。捨て犬の里親広報にも参加したり… 

A. <動物農場>のMCを始めてからもう半年ほど経ちました。 私が子どもの時、日曜日の午前中に見ていた番組に出演していることがまだ夢のようですが、番組を進行していると動物たちの可愛さ以外の部分も目に留まるようになりました。 助けを必要とする命があまりにも多く、自分の力で解決できない大きな問題が多いことを感じます。 

Q. 初のソロアルバム「Hello」を発売して半年ほど経った今、さらにどんなものが見えていますか?

A. 初めての挑戦だっただけに世間の反応に敏感にならざるを得ませんでした。 幸せと喜びを与えたくて始めたことでしたが、笑いながら薄い氷の上を歩いているような気持ちでしたね。それでも時間が経った今振り返ってみると、”Hello”を歌う私の姿が写真のように美しく残っていました。次は他人の評価より自分のことを好きで応援してくれる人たちにもっとエネルギーを注ぎたいと思います。こう言ってまた同じように苦しむかもしれませんが(笑)

Q. ジョイが最近、楽しさ、美しさ、希望のような感情を感じた瞬間は?

A. 私は最近『一人だけ』の撮影をしている時が一番楽しいです。 ミドというキャラクターに完全に入り込んだ時に訪れる喜びのように、演技が与えてくれる感情に新しさを感じています。 何よりも素敵な人たちと一緒に過ごすことが出来ていることに感謝しています。穏やかな性格で面白いウンジンさんが撮影日を待ち遠しくさせてくれる存在なら、イェウォンさんは私よりもっと繊細で敏感な人です。 私が気を使う部分に先に気付いてくれたり、よく助言もしてくれます。 自分が持っているものをたくさん分けてくれる本当のお姉さんです。 

Q. 大切な人たちにとって”JOY”な人になりたいですか? 

A. 子供の頃から周りの人たちにとっての頼もしい柱にならなければと考えていました。自分が崩れてはいけないという強迫観念に囚われたこともありましたが、でも結局一番力になるのは”自分が望むもの”ではなく”そばにいる人たち”なんです。私も誰かのそんな人になりたいです。いつでも辛いことを分かち合えますし、何があってもそばにいてくれるという信頼も与えてくれます。

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“手を差し伸べる人”カン·イェウォン


Q. <朝鮮美女三銃士><パートタイム・スパイ>などで女性と良いケミストリーを見せてきたカン・イェウォンにとって「ウォーマンス」は親しみのある言葉ですね。<一人だけ>撮影現場の雰囲気に違和感はなかったと思いますが。

A. 友達あるいは実の姉妹のように過ごしています。歳の差があるので実際ここまで本音を話す仲になるとは思っていませんでした。人には正直に接しながら、相手にはその率直さを強要しないようにするタイプですが、2人は最初から心を開く準備ができていたようです。 

Q. 作品を選んだ理由は"幸せに撮影できそうだったから"と話していました。 どの瞬間に確信したのですか?

A. 愉快で軽いコメディー演技がしたくて出演するかどうか悩んでいたときに監督に会ったんですが、そのとき監督が私に確信をくれました。どんな仕事でも、結局は人と人が出会ってすることなので、良い人で満たされればどんなことも勝ち抜けられるんですよ。”やってみよう!”と思えました。 

Q. 決定的な瞬間に気持ちが変わったんですね。直感を信じるタイプなのでしょうか。

A. まさに! 私を説得できるような言葉を持っている人には説得されたりもしますが、人の言葉にはあまり引かれません。

Q. <一人だけ>は余命宣告を受けホスピスで出会った3人の主人公の友情を描きます。”死”という素材を正面突破することになりますね。

A. 確かにその辺りが魅力的に感じました。 “ホスピス”の中も幸せと苦痛、悲しみが行き交う社会ですよね。いくら演技とはいえ、私一人が死んでいく状況なら悔しいですが、その感情を同じ境遇に置かれた人々と一緒に当たり前に扱える背景と空間なので気が楽でした。

Q. 社内恋愛で結婚し、姑の介護をしていたところで余命宣告を受けたセヨンは一見ありきたりなキャラクターのように思えます。

A. つまらないキャラクターに見られたくありませんでした。セヨンが何か秘密を抱えている人物に見えるように活気に満ちた息を吹き込みたかったんです。実際予想外な一面を持つ人物でもありますし…

Q. 物語の主な背景であるホスピスという空間を以前はどう想像していましたか?

A. 映画『ハローゴースト』(2010年)でホスピスに勤める看護師役を演じながら“いつか私もこういうところに来るのかもしれない”と自然に受け入れられたように思います。私にとって、ホスピス病棟は日常とかけ離れた空間ではありませんでした。 元々自分に起こる事を仮定して想像するのが好きなタイプでもあります。

Q. 視聴者も“死”について自然に考えることになりますね。どんなことが伝わってほしいですか?

A. 健康が最優先だということを視聴者の方々に改めて感じて欲しいですね。私が経験したことのない領域であるにもかかわらず、苦しい演技をするだけで自分の体から何かが抜け出たように感じたんです。自分の体を一番大切にしてこそ、仕事も周りも面倒を見ることができるのですから…

Q. 俳優ではなく、観客として死や人生の限界について考えさせられた作品はありますか?

A. 最近見たネットフリックスシリーズ『 静かな希望(邦題:メイドの手帖) 』です。 娘と2人で何とか生きていくためにメイドの仕事をしている若い主人公の話ですが、この状況をどうやって乗り切るのかと思う瞬間ごとに、本当に希望が静かに訪れるんですよ。そして少し良い方向へ向かったかと思うと、また苦痛が訪れます。ソファの中にすっぽりと消えるような演出で主人公の絶望を描いた場面があるのですが、その時は私も一緒にソファに身体を埋めてしまいました(笑)それぞれ置かれた状況は違いますが、希望と苦痛はいつも静かに行き来するということを改めて感じましたね。 

Q. 誰かに手を差し伸べたり、助けてもらった経験はありますか。

A. 以前は未来が怖かったです。独りで生きていくことが漠然としたものに感じられました。でも先に自分から周りへ手を差し伸べて生きてみると、ある瞬間から周りの人も自分から手を差し伸べてくれるようになったんです。そうして周りが人で埋まるたびに未来に対する不安が消えました。相手が裏切るかもしれないと脅かして厳しいことを言う人もいますが、私は人間関係においては依然として子供のように信じているようです。 

Q. どんな感情が人を一番脆くすると思いますか? 

A. “憐れみ”です。私の中に存在する自分自身への憐れみと他人に対する憐れみ全てです。 

Q. 大切な人たちに対して、どんな“一人”になってあげたいですか?

A. 生きる理由を考えてみると、私は自分が持っている能力を生かして大切な人の役に立てた時が一番幸せに思えるんです。そういう人になりたいと思うことが、私の生きる理由なのだと思います。その人たちの日々の暮らしの話を聞きながら、一緒に分かち合いたいです。

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