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合成ダイヤモンドの、やっぱり少し怖い話。

↑こちらで合成ダイヤモンドの商業的な裏話を書きました。
本日はその追加です。

これはもう冗談みたいなお話。
しかもカラーダイヤモンドではありません。でも、怖い話です。
 
一年ほど前、ヤフオク!に1つのダイヤモンドルースが出品されていました。
 
「1.03ct/Dカラー/IF/EXCLLENT」あたりだったと思います。
GIA鑑定書付、スタート価格は45万円くらい。

安いなぁ、と思って見てました。
ちなみに、2020年7月現在のダイヤモンドの国際取引価格、ラパポートによると、上記の品質なら141万円が相場。しかもこれは卸値です。
 
やはり、安い。
 
商品説明には「自分のために購入しましたが、使い道がなくなり出品します」と書かれており、
「婚約指輪に使うつもりで購入したけれど、お別れしてしまった、とか?」なんて、勝手にストーリーを想像して見ていたんですね。
 
いいなと思った方も何人か居られたようで、
「これは、本物ですか?」
「もし本物でなかったら、返品できますか?」といった質問がいくつか来てました。
 
出品者の回答は、
「はい、本物です」
「鑑定書のものと違ったら、返品可能です」。
 
質問した方は回答に安心したのか、入札なさっていました。
 
この回答、何だか変ではありませんか?
「鑑定書のものと違ったら??」

私が出品者だったら、安心して入札してもらうため
「間違いなく天然ダイヤモンドです。万が一違った場合は、返金いたします」みたいな書き方をするでしょうから。
質問者が知りたい部分も、きっと“天然ダイヤモンドなのか?”ですよね。
 

それで、改めて鑑定書の画像を見直したところ、
「Laboratory Grown」と記載がありました。

※本来合成ダイヤモンドには、GIAは天然ダイヤモンドと同じグレードを付けませんから、
鑑定書自体が偽造だった可能性もありますね。


合成ダイヤモンドの、GIA鑑定概要↓。
https://www.gia.edu/JP/gia-news-research/manmade-diamonds-questions-answers
サンプルはこちら↓
https://www.gia.edu/JP/analysis-grading-sample-report-synthetic-diamond
※共に、GIAのHPに繋がります。

確かに、その出品者さんは、どこにも「天然ダイヤモンド」とは記載していません(合成ダイヤモンド、とも書いてない)。
ヤフオクのカテゴリーも、「ダイヤモンド」はあるけど、天然と合成は分かれていないし、
確かに「鑑定書のまんまのもの」が「合成ダイヤモンド」😱
いや、合成ダイヤモンドかどうかすらも…疑問ですね。
 
その後、取り消されたのか、入札者とそのまま取引なさったのかまでは確認しておりませんが、
「GIA鑑定書付だから安心」ではないんだな、と、痛感した出品でした。

↓GIAの鑑定書が本物か疑わしい場合はこちらでレポートナンバー確認ができます。
https://www.gia.edu/JP/report-check-landing
※GIAのHPに繋がります。


 
ちなみに、LIGHTBOXの合成ダイヤモンドなら、
1カラット8万円強(ルースで$800)!
 ↓GIAによるLIGHTBOXの記事がこちら。
GIAで2つ鑑定した結果は、天然ダイヤモンドのグレードで言うと「G/VERY GOOD」「G/EXELLENT」に相当したそうです。↓その記事
https://www.gia.edu/JP/gia-news-research/inside-debeers-lightbox-diamonds

ここからは妄想です。毎度すみません。

 
デビアスは、昔から「天然ダイヤモンドでなければ意味がない」という趣旨のことを、言っていたようです。

それなのに急に合成ダイヤモンド専門店「LIGHTBOX」を作ったため、市場が困惑したのも事実だったようです。

 
しかし、LIGHTBOXが立ち上がったことで、
「宝石品質の合成ダイヤモンドが作れる」
「宝石品質の合成ダイヤモンドが出回っている」
ことが有名になりました。

 
それまでは工業用(世界一硬いので切断や研磨に優れています)がメインで
ジュエリーとしてはあまり知られていなかったため、
宝飾品市場にシレッと合成ダイヤモンドが紛れ込むことが容易でした。

存在が知られていなければ、
「これは本当に天然ダイヤモンドなのか?」なんて誰も疑いませんものね。
 

もちろん、キュービックジルコニアやモアッサナイト、ガラスなど、低品質な「模造(偽)ダイヤモンド」は昔から存在していました。
でもそれは、質屋さんや買い取り店、詳しい人なら個人でも、看過できるものでした。
 
デビアスは、安価な合成ダイヤモンドショップを作ることで、
「宝石品質の合成ダイヤモンドの存在を世に知らしめた」のではないかと思います。
 
そして、そうすることで逆に「天然ダイヤモンドの価値を守った」
のかなぁとも思いました。
 
LIGHTBOXの合成ダイヤモンドは、ガードルにレーザー刻印されていて、一目で合成ダイヤモンドだと分かるのが特徴です。
 
「この品質の合成ダイヤモンドを、うちはこんな低価格で作れるんだよ!」
と打ち出すことで、
他の合成ダイヤモンド製作会社を圧倒し、製作を諦めさせる意図もあったのではなかろうか?
 
という、私の妄想の話でした。
 
購入なさる際には、たくさん疑ってください。
これは天然ダイヤモンドなのか?
信頼して大丈夫なのか?
と。
 
疑わしいものが売れなくなれば、
出品者は品質を確定するしかなくなります。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンド
それぞれの市場が確立されます。
混じることがなくなれば、必要なものを、それと分かって買うことができます。
 
それをできるのは、私たち消費者だけなんです。

今回も、最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

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