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辞典

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本アカウント執筆者の発言・文章に出現する言い回しなどの語釈。あるいは、もう一つの悪魔の辞典。
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2023年1月の記事一覧

【時代】
歴史の時間軸上のある区間を指す。転じて、その区間に生きる一人一人の人生であり、そうした人々の間で成立している関係性や考え方。したがって、人間から独立して存在するものではない。にもかかわらず、これを人間の上位に位置する「神」的概念と見る向きが昨今の流行である。

【トイレの神様】
トイレにいるとされる神様。何でも水に流してくれる。ただし、運も一緒に、だが。

【シマエナガ論法】
断片的な事実から一般法則を導こうとして失敗すること。
人から聞いた話だ。シマエナガを見に行きたいと言った人がいた。季節は夏。調べてみると、思っていたのと違う。当然だ。シマエナガは冬にモフモフになるのだから。
「君の言っていることはシマエナガ論法だ」

【個性】
抑圧の中で育まれる、他人とは違った、その人をその人たらしめる特別な性質。それゆえ、時にその人自身を苦しめることがある。「抑圧」が重要で、野放しにして置けば勝手に生えてくるものではない。

【幸福な降伏論】
戦争が始まったとき、攻められた方は早急に降伏すべきという主張。人命を最優先するためと説明される。しかし、降伏すれば平和が訪れるという予想は歴史の事実に反しており、安易な降伏呼びかけは害悪となる場合がある。慎重に発言するべきである。

【違和感の正体】
他人の言動やメディアの情報に触れた際に抱いた違和感を、放置せずに突き詰めることで明らかになったこと。違和感の原因。

【教養の安売り】
新刊書籍のタイトルや帯に「教養」の文字がズラリと並んでいるさま。またそのようにして安易に売り買いされる知識、技術などの情報。教養のたたき売り。安売り教養。人々がどんな知識を求めているかではなく、「教養」という言葉のもつ脅迫性の検討が必要か。