【昆虫デジタル】#デジタルにできることはまだ、あるかい

このノートはデジタルハリウッド大学における、落合陽一氏による特別プログラム「メディアアート」の成果発表展示会のための作品説明である。

昆虫デジタル 品川 謙一

デジタルインフラの普及によって、生活のすべてがデジタルにのみ込まれていく時代。しかし同時に気候変動や自然災害の多発を通して、人間の営みが地球の生態系全体の中ではちっぽけなものであることも思い知らされている。デジタルがあたりまえに存在する環境変数になっていくデジタルネイチャーな時代を迎える中、デジタルが自然をのみ込んでいくのではなく、自然がデジタルをのみ込んでいく方向性がどんなものなのかわたしたちは未だ知らない。
昆虫デジタルの発想は、単純に自然とデジタルをつなぐ場所探しから始まった。講義に足を運ぶ朝、自宅玄関前にセミが何匹もいたのを見て、昆虫を題材とすることを思いついた。昆虫のサイズは撮影したり、研究するのによい大きさだし、何よりその形が魅力的で、自然が造り出した造形美に惹きつけられた。
いろいろな昆虫を検討していく中で、造形的な美しさと生体を入手して飼育・観察できる環境ということを考えて、クワガタを選択した。落合先生のアドバイスを受け、生体のクワガタを接写して形体的ディテールを観察したり、3Dモデルをモデリングソフトで操作したりしているうちに、純粋にこの形体をデジタルで楽しめる作品をつくりたいと思うようになった。
クワガタの形体をどう楽しむかと考えた時に、博物館の標本展示のようになってはつまらないので、デジタルだからできる造形的・体験的な表現方法を考え、モーションセンサーを使うことを思いついた。
人間も自然の一部としてデジタルを使って自分の身体の拡張し、デジタル空間のクワガタを操る体験ができる。環境変数となったデジタルインフラを使って、自分の手でデジタル空間を触る感覚を楽しんでほしい。その体験は自然がデジタルをのみ込んでいく未来への手がかりになるかもしれない。

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